猛毒の神経ガス・ロケット弾を奪ってアルカトラズ島を占拠したテロリスト集団と、密命を帯びて島に潜入した2人の男の戦いを描いたアクション大作。
スリリングなストーリー、大がかりなアクション、主演の3人の男優の好演など見どころは多い。監督は前作「バッドボーイズ」(1995)でデビューし注目されたマイケル・ベイが抜擢された。製作は「クリムゾン・タイド」「バッドボーイズ」などのヒットメーカー・コンビ、ドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマー。
主演は「理由」のショーン・コネリー、「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジ、「ニクソン」のエド・ハリス。共演は「トゥームストーン」のマイケル・ビーン、「12モンキーズ」のデイヴィッド・モース、「デンバーに死す時」のウィリアム・フォーサイス、「彼と彼女の第2章」のジョン・スペンサーほか。
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島を占拠したハメル准将の部下たち
ハメル准将は、12人の部下と共に海軍兵器庫から致死性の神経ガス・ロケット弾を奪うと、観光客81人を人質にアルカトラズ島を占拠した。ロケットの照準をサンフランシスコに向けた。そしてお金の支払いを要求する。
ハメルが奪った新兵器の神経ガスを燃焼し、効力を失わせることができるのはプラズマ兵器だけだが、未だ開発中でタイムリミットまでに間に合うかはおぼつかない。残る手段はただ一つ、島に潜入してロケットの発射装置を除去するしかない。
FBIの化学兵器スペシャリスト、スタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)がその任務に選ばれた。ビートルズ・マニアで、600ドル(約6万円)もするLPを購入。「CDなら13ドルだが、マニアとしては、音質が(CDより)いい。ローラ(婚約する予定)に見つかると怒られる」とヒマに任せてのんきな生活を送っていた。
かつて脱獄不可能な刑務所として知られたアルカトラズ。もともと複雑な設計に加えて増改築を繰り返したため、内部を知る者は誰もいない。1936年に開所し、1963年に閉鎖されるまで、脱獄は14回行われたが、成功したものはおらず、生存者なしという鉄壁の要塞のような島である。
しかし、たった一人、33年前にここから脱獄した囚人ジョン・パトリック・メイソン(ショーン・コネリー)がいた。メイソンは最高の訓練を受けた元SAS(英国特殊空挺部隊)の諜報部員だが、なぜかその存在は一切抹消され、裁判も行われぬまま60歳を越した今も幽閉され続けていた。
メイソンは恩赦を条件に協力を要請するFBIの言葉を信じず、一瞬の隙をついて逃亡。シスコ市街で激しいカーチェイスを繰り広げ、ただ一人の肉親である娘のジェイド(クレア・フォーラーニ)と会っているところをFBIに包囲された。
だが、グッドスピードはメイソンを囚人としてではなく、作戦の協力者として扱い、彼の信頼をかちえる。メイソンを案内人に、アンダーソン中佐(マイケル・ビーン)率いる海軍特殊部隊SEAL(シール)が海中から島に潜入するが、センサーに引っ掛かり、待ち伏せしていたハメルの部隊と銃撃戦となる。
シールは全滅し、生き残ったのはグッドスピードとメイソンの2人だけだった。
ハメルの部下の追撃を振り切りながら、彼らは一つまた一つとロケットを解体していくが、ついに敵の手に落ちる。
ロケットを解体するグッドスピード(ニコラス・ケイジ、右)
メイソンはハメルと相対した時、彼の目にただのテロリストでない軍人の魂を見る。
独房から簡単に抜け出した2人は、残る2基のロケットを探し始めた。タイムリミットが迫り、大統領は人質を見殺しにしても島を焼き尽くす苦渋の決断を下す。
一方、メイソンと出会ったことで目覚めたハメルは、発射したロケットの目標をずらした。指揮官の翻意に怒った部下たちは反乱を起こし、ハメルは撃ち合って死んでしまう。
グッドスピードが残る1基のロケットを解体したことを発煙筒で知らせるが、一瞬早くプラズマ兵器を搭載した戦闘機が爆撃した。だが、建物には損傷はなく、グッドスピードも無事だった。
FBI長官ウォマック(ジョン・スペンサー)に恩赦の意思がないことを知る彼は、メイソンを逃がした。メイソンは代わりにある場所を教えるが、それはケネディ大統領暗殺事件の真犯人をはじめ、彼がかつて調査した数々の重大事件の証拠を収めた、マイクロ・フィルムの隠し場所だった(MovieWalkerを一部修正・加筆)。
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海軍の英雄と言われたハメルが、人質を取って、身代金を要求する暴挙に出たのは、死んでいった仲間たちの家族に対して国が何の補償も見舞金も出さなかったことに反発してのものだった。「ワシントン、ジェファーソン、アダムスなどは、反逆罪として英国から烙印を押されたが今では英雄だ。われわれも同じだ」という論法。
ショーン・コネリーはこの映画に出演している当時は65歳。
それまでに自身が出演した映画のパロディともいえるセリフがあった。
30年以上、監獄にいたが、突然呼び出され任務を与えられたことに対して「毎日、本を読んだり、洗濯しているよりはいい。前のようなセックス・アピールは落ちたがね」と「007」ボンド役をさりげなく引き合いに出しているようだ。またトロッコで脱出するシーンは「この歳でまったく・・」とインディ・ジョーンズのアクションを彷彿とさせた。
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