ついに「ラ・ラ・ランド」(原題:La La Land、2016)を見た。公開初日の初回、MOVIXさいたまにて。映像と音楽がすばらしい。映画を見た後、音楽が頭にこびりついてリフレインし、締め付けられていた苦しい胸がようやく収まってきた。しばらく次の映画を見ようという気が起こらないほどの興奮に打ちのめされた映画だった。
起承転結のように、冬・春・夏・秋そして、一気に5年後の冬という背景の文字とシーンが映し出され、主人公2人の関わりが、まったくオリジナルとは思えない興味深い展開で描かれていく。
昔の映画のリバイバルを劇場で見るときにしかお目にかかれなかった「シネマスコープ」(CinemaScope)の文字が現われた時には、”これぞ映画”と思った。
出演はジャズピアニストのセバスチャンには「きみに読む物語」「ドライヴ」「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」などのライアン・ゴズリング、ミア役には「アメイジング・スパーダーマン」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のエマ・ストーン。映画は、アカデミー賞で主演男優・女優賞を含む13部門14ノミネートで、大本命作品と目されており、月曜日(27日)に結果がわかる。
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夢追い人が集まる街ロサンゼルス。
ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられた。
彼の名はセバスチャン(ライアン・コズリング)。セバスチャンは、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。
やがて二人は恋に落ち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる・・・。
「春」「夏」「秋」そして5年後の「冬」を迎えた時、二人の運命は・・・。
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この映画が話題になり始めた半年前の昨年の9月ごろから見たかった映画。
ジャズの店で歌われるミュージシャンのジャズにはその歌唱力で圧倒された。
最初から最期まで目が離せないカラフルな色彩と音楽。有名映画へのオマージュシーン。主人公たちのタップダンスは、往年の”ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステア”。ジーン・ケリーの映画のあの有名なシーンの再現も。
そして、何度も登場する、あのピアノのメロディ。その曲が流れるたびに、胸が締め付けられ苦しいほどだった。「その曲は弾かないでくれ」と語った「カサブランカ」のリック(ハンフリー・ボガート)のような心境だったが、曲はしみた。
映画ファンをうならせる映画ですべてを盛り込んでいた。
すべての夢をかなえるのは難しい。ミアは、5年後、かつてアルバイトをしていたカフェに客として戻ってきた。5年前には、女優を憧れのまなざしで見ていたが、今は自身が女優となって。5年前の女優のレジでの所作は鮮明に覚えている。今は自分が同じ行動をしていた!
大きな夢はかなったが、失ったものも大きかった。
その失ったものは、このようなものだったというシーンが妄想によって映像化されていた。切ない。
現実に戻される二人。話した言葉しか相手に伝わらないとは言うが、わずかな一瞬の笑顔で通じ合うこともあるのだ。
ラストの”アイ・コンタクト”は切ないが、それも人生か。”セラヴィ!”。
ジャズ・ピアニスト役を演じたライアン・ゴズリングは、撮影までの3ヶ月間に渡りピアノ特訓を行い、全てのシーンを実際に弾いているという。
大満足の映画だった。暫定今年のNo.1映画。
出演:
「Start A Fire」などの楽曲がすばらしい。
楽曲リスト:
Another Day of Sun
Someone in The Crowd
Mia & Sebastian's Theme
A Lovely Night
Herman's Habit
City Of Stars
Planetarium
Summer Montage/Madeline
City Of Stars
Start A Fire
Engagement Party
Audition (The Fools Who Dream)
Epilogue
The End
City Of Stars (Humming)
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