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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「巨星ジーグフェルド」(1936)アカデミー賞作品賞&主演女優賞受賞。

 
「巨星ジーグフェルド」(原題:The Great Ziegfeld, 「偉大なるジーグフェルド」)を見た。1936年度のアカデミー賞では7部門にノミネートされ、作品賞、主演女優賞(ルイーゼ・ライナー)、ダンス監督賞を受賞した。ノミネーションはこのほか監督賞、原案賞、美術賞編集賞だった。
 
1932年に亡くなったブロードウェイの興行王フローレンツ・ジーグフェルドの半生を描いた実話がベース。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)がユニバーサル・ピクチャーズより権利を引き継いで製作し、ロバート・Z・レナードが監督、ウィリアム・パウエルジーグフェルドを演じた。マーナ・ロイルイーゼ・ライナーが二人の妻を演じている。
 
米国レビュー界の第1人者であったフローレンツ・ジーグフェルドの生涯を映画化したもので「第三階級」「羅馬太平記」のウィリアム・アンソニー・マクガイアが脚本を書き下ろし、「ある夜の特ダネ」「ダンシング・レディ」のロバート・Z・レナードが監督にあたり、「小都会の女」「男子索制」のオリヴァー・T・マーシュが撮影。
 
 
音楽は編曲フランク・スキナー。主演は「米国の機密室」「無軌道行進曲」のウィリアム・パウエル、「妻と女秘書」「諾?否?」のマーナ・ロイオーストリアから招かれたルイゼ・ライナー。さらに「お人好しの仙女」のフランク・モーガン「歓楽の女王」のヴァージニア・ブルース、「ローズ・マリイ(1936)」のレジナルド・オーウェン、「真珠の首飾」のアーネスト・コサート、「無軌道行進曲」のナット・ペンドルトン等が助演。
 
1936年に日本でも公開されたが、その数年後には第二次対戦が勃発、米国映画は戦後まで、輸入禁止となった。
 
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フローレンツ・ジーグフェルドイリアム・パウエル)はシカゴ一と言われる音楽教師だったが、不覇独立の彼はサンドウと称する「力持ち」を種に興行者としてのスタートをきった。
 
サンドウで一儲けした彼は欧州へ渡った。その船中で彼は、昔からの商売敵でしかも無二の親友であるビリングス(フランク・モーガン)に会う。その後、彼は、儲けた金の全部をモナコの賭博で失ったため、ロンドンに滞在中のビリングスの許へ駆けつけ、借金を申し込んだ。
 
ビリングスは帰米の旅費だけを与えて追い返そうとしたが、却ってビリングス自身の渡欧目的であったフランス女優アンナ・ヘルド(ルイーゼ・ライナーアカデミー賞主演女優賞)を、ジーグフェルドに横取りされる結果となった。
 
ジーグフェルドはアンナをたちまち人気女優に仕立てあげる。2人は結婚し幸福な日々を過ごしたが、その幸福もジーグフェルドを満足させるには足りなかった。
 
彼はアメリカ中の美女を集めた大がかりなミュージカルショーを制作する野心を起こし、レビュー「ジーグフェルド・フォリーズ」を発表した。
 
これが大成功を収め、ニューヨーク名物の一つに数えられた。彼には一目で天才を見抜く才能があり、ウィル・ロジャース、エディー・カンター、W・C・フィールズ等々を見出す。
 
彼はまた、才能ある美人とみれば必ず自分の傘下に招き、スターに仕上げずにはおかなかった。その中にはサリイ・マチース、ファニイ・ブライス本人)、オウドレー・デーン(ヴァージニア・ブルース)等の名女優の姿があった。
 
ただオウドレーだけは飲酒癖が災いしてスターになれず、しかもジーグフェルドは彼女との浮気を勘ぐられたため、ついに最愛のアンナと離婚する羽目となる。
 
失意の彼の心を慰めたのは、新進女優のビリー・バークマーナ・ロイ)だった。
一目で恋におちたジーグフェルドは、彼女を2度目の妻とし再スタートをきる。可愛い子供も生まれ幸福な生活が幾年か続いたが、興行が次々と不入りに終わり、世間はジーグフェルドを冷眼視するにいたった。
 
ある日、彼はブロードウェイの理髪店で4人の見知らぬ男が彼の噂をしているのを耳にし、あまりの悪評に腹を立て、俺は必ずブロードウェイで一度に4つのレビューを当ててみせると大見得を切る。
 
腹立ちまぎれから切った啖呵だったが、妻ビリイの励ましもあり、ついに約束どおり「リオ・リタ」「フービー」「三銃士」「ショウボート」の4つのレビューを上演して大当たりを成す。
 
だがこれがジーグフェルドの生涯のクライマックスだった。
彼は儲けた金で相場に手を出し、1929年に起こった株式大暴落のため全財産を失ってしまった。心労のため病に伏せった彼は、親友のビリングスと最愛の妻ビリイに慰められながら、その波瀾多い一生を閉じるのであった(MoveiWalker)。
 
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ブロードウエイの初期の頃のミュージカルのタイトルが出てくる。後に映画化された「三銃士」「ショウボート」などである。大女優の一人だったファニー・ブライスが本人役で出演しているが、のちのバーブラ・ストライサンドが主演した「ファニー・ガール」(1968)は、ファニー・ブライスの自伝的映画である。
 
 
ちょうど80年前の映画だが、女優たちのレビューのシーンは見所。
とくに大掛かりな螺旋(らせん)階段上に、数十人の美女が座り、カメラが下から、らせん階段を登っていくように映し出していくシーンは圧巻。
 
映画が175分とほぼ3時間というのは、さすがに長く感じた。
最近は、映画館でも「2時間」以内がいい、と感じる。
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