石坂洋次郎原作の映画「青い山脈」(1963、日活)を見た。出演は、吉永小百合、芦川いづみなど。同名の映画は、これまでに5回(1949、1957、1963、1975、1988) 映画化されているが、見るのは今回が初めて。5作品では、最も有名なのは、原節子主演の1949年版であるようだ。
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城下町にあるこの女子高校に転校してきた寺沢新子(吉永小百合)はちょっと変っていた。前の学校で恋愛問題を起して退学になったのだという噂もとんでいた。
しかし、新子は級友たちの反感の渦の中でも少しも悪びれなかった。
雪子は丁度そこに来合わせた校医の沼田に相談した。徹底的に究明しようといきりたつ雪子に、沼田は事を荒立てるなと忠告した。ひそかに雪子を愛する彼は、彼女がいつまでも前向きの姿勢でいることを危ぶんでいたのだった。
数日後、雪子はとうとうラブレターの一件を生徒たちに切り出したが、強い反撃にあった。犯人は松山浅子と分ったものの新子が男の子とキスをしたという発言があって教室は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
そのあとの休み時間に、丘に連れ出し気分を晴らすように踊りながら話を聞く雪子に、新子は事件が誤解であることを訴えた。翌日、新子はキス事件の相手として騒がれている六助と出逢った。
二人とも進歩的な青年をもって任じているだけあって、大いに新子に同情し力を合わせることを約束したが、折も折、三人が街を歩いていると浅子たちがやって来たのでまたまた一騒動である。問題は日毎に大きくなった。
父兄たちの反響、ことにPTA会長の井口の怒りを恐れた校長は職員会議を聞いて善処を要望したが、教員の殆んどは雪子の行き過ぎを非難した。ただ、沼田だけが雪子を支持し励ました。
井口は雪子と新子、それに沼田の締め出しにかかった。沼田もすぐ雪子、新子それに六助とガンさんを呼んで対策をねった。そしてPTA会議、六助とガンさんも父兄代表に化けてのりこみ断固として井口一派と対決するのだった(MovieWalker)。
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1949年版で原節子が演じた教師役を芦川いづみが演じているが、旧来の悪弊を除いて、改革していこうとする態度などがビシッとしていてすがすがしさがある。この映画の当時18歳の吉永小百合も、スクーターを乗り回し、快活な女子高生を演じ、生き生きしている。PTA会議で、理屈でかく乱をねらう大学生役の高橋英樹が若い。
”平手打ち”のエピソードや、海に向かって叫ぶシーンなどが見所だった。
女子校内で起こった、偽”ラブレター事件”を巡って、生徒、教職員、PTAなどの騒動の顛末が描かれている。「ラブレター」のなかで、「恋しい 恋しい」が「変しい 変しい」となっていたというエピソードは広く知られているようだ。
主な出演:
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