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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「百万長者と結婚する方法」(1953)

 
百万長者と結婚する方法」(原題:How to Marry a Millionaire、1953)を見た。
20世紀フォックス初のシネマスコープ作品として製作されたが、公開は歴史映画「聖衣」の方が先になった(現代劇としては初のシネマスコープ作品)。
 
音楽は「聖衣」のアルフレッド・ニューマンが担当。
主演は「ロッキーの春風」のティー・グレイブル、「キーラーゴ」のローレン・バコール紳士は金髪がお好き」(1953)のマリリン・モンローの3女優。
 
ほかに、デイヴィッド・ウェイン「わが心に歌えば」、キャメロン・ミッチェル「綱渡りの男」、ロリー・カルホーン「わが心に歌えば」、アレクサンダー・ダーシー「綱渡りの男」、フレッド・クラーク「陽のあたる場所」、ウィリアム・パウエル「彼と人魚」らが共演。
 
人は外見(”ネクタイをしているかどうか”)で判断してはいけないという映画(笑)。
どこに現れるにもラフな格好で、”修理工”と思われていた男が、実は2億ドルの大金持ちだったというオチがあり、土壇場で、3人の女は驚き、ひっくり返ってしまう痛快ロマンチック・コメディ
 
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ニュー・ヨークのモデル女、シャッツィ(ローレン・バコール)、ポーラ(マリリン・モンロウ)、ロコ(ティー・グレイブル)の3人は幸せになるには金持ちと結婚せねばならぬと考え、百万長者を射とめるための作戦を開始する。
 
まずは、最高級アパートを、オーナーが長期の留守の間、借り受け、暮しをはじめた。石油関連の億万長者などと知り合う機会を狙うためだ。
 
3人の前に最初にあらわれたのは、ロコが連れて来たトム・ブルックマン(キャメロン・ミッチェル)という青年。シャッツィはトムのみすぼらしい服装を見て、たちまち追いかえしてしまう。
 
トム彼は懲りずにシャッツィを誘いに来るが、彼女はトムをまったく相手にしなかった。ある日、ロコは50男の大金持J・B・ハンリイ(ウィリアム・パウエル)を連れて来た。
 
ハンリイはシャッツィが気に入り、ロコも中年の大金持ちブルースターを、ポーラもJ・スチュアート・メリルという金持ちを見つけた。
 
こうして、それぞれの相手と、つきあいがはじまるのだが・・・。
 
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ロコは、ブルースターに田舎の別荘へ招かれ、そこでイーベン・ブルースターロリー・カルホーン)という男前に出あう。イーベンは、目の前の山林は全て自分のものだというので、大金持ちに違いないと決めつけたが、実は、山火事などを見張るレンジャー(森林警備隊員)だった。お金はないが性格のいいイーベンにすっかり惚れこんで、結婚することになった。
 
ローラは、アパートの持主フレディ(デイヴィッド・ウェイン)と知り合った。
一方、シャッツィはお目当てのハンリイが自分の齡を考えて身をひいてしまったので落胆し、仕方なくトムとつきあい出した。
 
シャッツィはトムに金を目当ての結婚がしたいと正直にうちあけたが、にも拘わらずトムに惹かれるようになった。そこへ諦めきれないハンリイが再びシャッツィに求婚しに到り、彼女も承諾を与えた。
 
ポーラはメリルの母親に会いに行くためアトランティック・シティ行の飛行機に乗るつもりだったが、極度に近眼のポーラは、飛行機を間違え、カンサス・シティ行に乗ってしまった。
 
その機にはフレディが乗っており彼もまた極度の近眼だったので、ポーラとたちまち意気投合したポーラは、女性はメガネをかけると、魅力半減という考えだったが、フレディに、メガネがあっているし、魅力は変わらないと言われ、メガネをかけ、自信を取り戻す。シャッツィはいよいよハンリイと結婚する日になって誓いの言葉を述べる段になって気づく。シャッツィは、ハンリィにトムを愛していることをうちあけた。
 
そして、トムとシャッツィの結婚祝いには、ロコとイーベン、ポーラとフレディの2組の夫婦も加わったが、その席ではじめてトムが千万長者であることがわかって、3人の女はびっくり仰天するのだった。
 
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ラフな格好をした修理工のように見られるトム・ブルックマンが、ビルに入ろうとすると、警備員から「社長」と呼ばれ、ビルには「ブルックマン・ビル」と刻印されていた。早くも、この若者が大金持ちだと見ている我々はわかるが、いつ、シャッツィが知ることになるのか、興味津々となる。
 
結局、結婚してから、数人でハンバーガーを食べに行くことになり、そこで男連中は、女性陣から、いくら財産があるか聞かれ、順番にお金はなしということがわかっていくが、トムが答える番になる。
 
トムはいとも簡単に「2億ドル」という。
シャッツィ、ロコ、ポーラなどまわりの女性たちは、冗談と思い面白おかしく聞いているが、「キャッシュは100万ドル、ビルなどの不動産、鉄鋼株、自動車株、石油株などだ」といい、ハンバーガーの支払いに、丸めた1,000ドルの札束の中から、1,000ドルを差し出して、店員に「お釣りはいらない!」というので、女性たちは椅子から転げ落ちてしまうのである。
 
お金の亡者のシャッツィを演じたローレン・バコールが、存在感たっぷり。
留守宅のアパートの備え付けの家具を売り払ってしまうのだ。シャッツィを気に入った中年男が、一旦は家具を買い戻してくれるが、再び売り出して・・・。
 
シャッツィは、「年上が好き。ルーズベルトチャーチル、”アフリカの女王”のボガートなんかいいわね」というのが笑わせる。ボガートは、当時バコールの実の夫だからだ。
 
「百万長者の群れに飛び込むのよ。」と鼻息が荒く、ロコやポーラが連れてくる男については「引っかかるのは雑魚(ざこ)ばかりね。熊が1頭掛かればいいのよ。大熊が1頭。ほかはいらない」と凄まじい。
 
ポーラも、「私の夢は、ロックフェラーのような人がいい」というと、「どっちの?」とロコ。「(ロックフェラー一族なら)誰でも」とポーラ。そういえば、映画の冒頭では、ニューヨークのランドマークのひとつにもなっている「ロックフェラーセンター」が映し出されていた。アメリカでロックフェラーと言えば大財閥として知られる一族だ。
 
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監督は「島の女」などのジーン・ネグレスコ

監督作品:
「Singapore Woman」 (1941) 「仮面の男」 The Mask of Dimitrios (1944) 「復讐!反ナチ地下組織/裏切り者を消せ」 The Conspirators (1944) 「三人の波紋」 Three Strangers (1946) 「Nobody Lives Forever」 (1946) ユーモレスク Humoresque (1946) 「Deep Valley」 (1947) 「深夜の歌声」 Road House (1948) 「ジョニー・ベリンダ」 Johnny Belinda (1948) 「The Forbidden Street」 (1949) 「さすらいの涯」 Under My Skin (1950) 「三人帰る」 Three Came Home (1950) 「Take Care of My Little Girl」 (1951) 「The Mudlark」 (1951) 「嵐を呼ぶ太鼓」 Lydia Bailey (1952) 「ジャングルの逃亡者」 Lure of the Wilderness (1952) 「Phone Call from a Stranger) (1952) Scandal at Scourie」 (1953) タイタニックの最期」 Titanic (1953) 百万長者と結婚する方法 How to
Marry a Millionaire (1953) ☆☆☆ 「愛の泉」 Three Coins in the Fountain (1954) 「ニューヨークの女達」 Woman's World (1954) 「雨のランチプール」 The Rains of
Ranchipur (1955) 足ながおじさん Daddy Long Legs (1955) ☆☆☆ The Dark
Wave」 (1956) 島の女 Boy on a Dolphin (1957) ☆☆☆ 「ある微笑」 A Certain
Smile (1958) 「愛の贈物」 The Gift of Love (1958) 「愛ふたたび」 Count Your
Blessings (1959) 「大都会の女たち」 The Best of Everything (1959) 「すてきなジェシカ」 Jessica (1962) 兼製作 マドリードで乾杯 The Pleasure Seekers (1964) ★★ ハロー・グッドバイ Hello-Goodbye (1970) ☆☆☆ 「The Invincible Six」 (1970)
 
1950年代のコメディは、セリフにもユーモアと洗練さがあって面白い。
☆☆☆
 
 
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