fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「イヴォンヌの香り」(1994)</span>


 

 
フランス映画「イヴォンヌの香り」(原題:Le Parfum d'Yvonne、1994)を見た。
タイトルだけは聞いたことがあるといった程度だったが「香り」が気になった(笑)。
 
監督は「髪結いの亭主」(Le Mari de la coiffeuse、1990)で知られる恋愛映画の名手、パトリス・ルコント
 
イヴォンヌの香り」は、1950年代後半を舞台に繰り広げられる”官能的”ラブロマンスで、1960年ごろのファッションや音楽、社交ダンスなどが時代を感じさせる。しかし最後に驚きの結末がある。
 
主な登場人物は、一組の若い男女と、初老で、当時は白い目で見られていたゲイの3人だけで、不思議な人間関係が描かれる。
 


ヴィクトール(イポリット・ジラルド)の12年前を回想するシーンで物語が始まる。
それは1958年の夏だった。

30歳の彼は徴兵を回避し、フランス、スイス近くのレマン湖畔に滞在していた。
ホテル・エルミタージュで、若く美しいイヴォンヌ(サンドラ・マジャーニ)が目に留まる。


 
清楚な美しさがあり、知的な雰囲気も漂わせていた。
彼女は50歳ほどのゲイの医師ルネ・マント(ジャン・ピエール・マリエル)と
一緒だった。当時はゲイであることは、周囲の理解もなかった時代だが、ルネは、バーなどに飲みに行くと「ゲイにも飲ませてくれるのか」とあえて聞いたりする。ルネは、なにか裏組織に関係しているような謎めいた人物でもあった。
 
ヴィクトールとイヴォンヌはお互いにひかれあい、自然と愛し合うようになる。
ヴィクトールは自分はロシア人で伯爵であると名乗り、イヴォンヌは女優だという。

ヴィクトールは、紹介された人などから「お仕事は?」と聞かれて「無職」と答えるのだが、おじか誰か親戚に蝶の収集家がいるので、その蝶を売れば、かなりの高値で売れて、生活できているのだというのだが・・・。
 
蝶は、数日で死ぬが、その蝶のおかげで数か月生活できるなどという、言ってみれば放蕩生活を送っているわけだしかし、外見は良家の子息のような落ち着いた品格はある。
 
イヴォンヌは、「あなたと結婚したら、伯爵夫人ということね」と無邪気に喜ぶ。
 
イヴォンヌはヴィクトールを叔父のロラン(リシャール・ボーランジェ)の家に招待する。そこでヴィクトールは、イヴォンヌに結婚を申し込み、アメリカ移住を誘う。

この伯父の家のシーンでは、ヴィクトールにイヴォンヌがどんな娘なのかを話す。その中身は意外で、外見の知的な美しさとは裏腹に「あの娘は努力をしない子」「身分不相応の生活を昔から望む子」「昔から問題を起こしては周囲を困らせていたトラブルメーカー」などというのだ。
 

 
イヴォンヌの態度から、なんとなく奔放さが垣間見えていたが、ヴィクトールからアメリカ移住を勧められても乗り気でなく、損得(そろばん)勘定が頭にあったようだ。結局「あなたが望むならアメリカに行ってもいい」と口約束はしたが、ついていくことはなかった・・・。
 
ヴィクトールを演じたポリット・ジラルドは「可愛いだけじゃダメかしら」(未見)のプレイボーイから一変して恋に苦しむ青年を演じている。
 
イヴォンヌのノースリーブの白い衣裳は「白いドレスの女」のキャスリーン・ターナーのように際立っているが、船上でスカートが風でめくれ上がるシーンは「七年目の浮気」のマリリン・モンローを意識したものか。
 
 
 「私が海に落ちた時の記念にね」とパンティを手渡すのだが・・・。
 
蛇足だが、映画では、まだら模様の犬・オズワルドが、”ポルトガルうつ病”の犬として、車に同乗したり、あちこちについて回っている。
 
イヴォンヌ役に抜擢された美人のサンドラ・マジャーニという女優は、検索しても、ほかに出演作品が見当たらない。1作だけの映画出演だったのか。
 
イヴォンヌの香り」は動画「Gyao」でも配信している。
 
 
 ★★
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。