「イングロリアス・バスターズ」から3年ぶりとなるクエンティン・タランティーノ監督の作品「ジャンゴ 繋がれざる者」(2013)は、19世紀半ば、南北戦争の2年前のテキサスを舞台にしたアクション西部劇。
映画は、冒頭から、聞きなれたあの音楽「ジャンゴ~♪」で始まり、タランティーノ監督お得意の世界に入っていく。
19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男ジャンゴが妻奪回のし烈な闘いを描き出している。ジェイミー・フォックスが主演で、タイトルロールの
”ジャンゴ”を演じている。この映画で、「イングロリアス・バスターズ」に続いて2度目のアカデミー賞助演男優賞を獲得したクリストフ・ヴァルツの存在感が目立つ。
レオナルド・ディカプリオは、はじめて悪役に挑んでいるが、登場するのは、2時間半以上の映画で、1時間も経ってから。サミュエル・L・ジャクソンなど個性と実力を備えた俳優たちの豪華共演が見どころ。
1858年、アメリカ南部。
奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって自由の身となる。やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。
その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを突き止める・・・。
タランティーノ監督には、これまでの西部劇などの映画では、アメリカ南部の黒人奴隷問題に目を背けてきたというように映ったようで、自らマカロニウエスタンとアメリカの奴隷制度を結び付けた映画を撮りたかったようだ。
「ジャンゴ」では、マンディンゴという言葉が登場するが、力の強そうな黒人同士の戦いのことで、勝敗に賭けをする牧場主ら白人の遊びだった。
映画の中では、500ドルで”購入した”商品である黒人が、マンディンゴで、儲けるための手段となっていた。「まだ300ドルの分しか稼いでいない。あと2回は戦え!」と強制する所有者の声が飛ぶ。逆らえば、苦役・拷問か死が待っている。
・・・
ニガー(黒人に対する別称)という言葉が、何十回となく、当たり前のように使われ、 ”自由人”としてジャンゴが馬に乗っていれば、「ニガーが馬に乗っている」というだけで、白人からも黒人からも驚かれる。
お尋ね者の懸賞金目当ての賞金稼ぎの歯医者を名乗るドクター・シュルツ(クリストフ・バルツ)が、お尋ね者の顔を知っているということからジャンゴを相棒にして、
「生死を問わず」賞金がでる二人旅となったのだが、ジャンゴが、話に乗ったのは、生き別れて、売り飛ばされた妻を探すことが目的であったからだ。
ジャンゴの素早いガンプレイなど、久しぶりにガンさばきがかっこいい西部劇を見た気がする。シュルツはドイツ人で、ジャンゴの妻はドイツ語が話せるということで、「さようなら」をいう表現がドイツ語と英語で意味が異なるところなどがおもしろく表現されていた。
ドイツ語の「さよなら」は、アウフヴィーダー・ゼーエン(Auf Wiedersehen =では再会を期して)だが、英語はグッバイ (Good bye = これにてさらば)だ(笑)。
シュルツが牧場主と契約が成立して、握手とさよならを求めらてくるが、シュルツは、二度と会いたくないのでアウフヴィーダー・ゼーエンでなく、グッバイだと使い分けるのである。
ジャンゴ(Django)は、「名前のDは発音しない」というのも、効果的に使われていた。殺されかかった白人が「ドジャンゴめ!」というと、「Dはサイレントだ」というセリフもいい。
牧場主に数十年つかえているスティーブンという召使を演じているサミュエル・L・ジャクソンは、目つきなど、すごすぎる!。
タランティーノ監督は、20年以上で映画はわずかに8本という少なさ!
個人の好みでは・・・。
①「キル・ビル Vol.2」
②「キル・ビル Vol.1」
④「ジャンゴ 繋がれざる者」
⑤「パルプ・フィクション」
・・・か。
公開年 邦題 原題
1992年 | レザボア・ドッグス | Reservoir Dogs |
1994年 | パルプ・フィクション | Pulp Fiction |
1997年 | ジャッキー・ブラウン | Jackie Brown |
2003年 | キル・ビル Vol.1 | Kill Bill: Vol. 1 |
2004年 | キル・ビル Vol.2 | Kill Bill: Vol. 2 |
2007年 | デス・プルーフ in グラインドハウス | Grindhouse |
2009年 | イングロリアス・バスターズ | Inglorious Bastards |
2012年 | Django Unchained |
2015年 ヘイトフル エイト Hateful 8
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