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<span itemprop="headline">映画「BRAVE HEARTS 海猿」(2012)</span>

 

 

 
 
近年の日本映画市場では「踊る大捜査線」シリーズと並んで、大ヒットを記録している”海猿”シリーズの第4弾の「BRAVE HEARTS 海猿」(2012)を見た。海難事故の救助に奮闘する“海猿”こと海上保安官たちの姿を描いた人気シリーズだ。
 
映画の冒頭、腕立て伏せ、鉄棒の懸垂などで男が体を鍛えているシーンが映し出され、まるでアーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄のように筋骨隆々の鍛えられた人物が登場。その人物が、海上保安庁の制服を着て、服のジッパーを引き上げると、それが海上保安庁の精鋭部隊・特殊救難隊所属となった仙崎大輔(伊藤英明)だ。
 
伊藤英明はテレビドラマ「白い巨塔」(2003年)に出演。財前教授の第一外科医局員の一人で、役柄的に、弱弱しそうで、印象が良くなく(笑)、その後の作品はほとんドスルーしてきたが、この「海猿」は当たり役の1本になったようで、見直した。
 
BRAVE HEARTS 海猿」は、346名を乗せたジャンボジェット機が、事故により、海上着水を実行することになりに、限られた時間の中で、海上保安庁の精鋭部隊・特殊救難隊が人命救助に挑む姿を描く。
 
あらすじ:
仙崎大輔(伊藤英明)は自ら志願し、海難救助のエキスパートであり最も危険な事案に従事する「特殊救難隊」で後輩の吉岡(佐藤隆太)と共に海難現場の最前線にいた。
 
嶋副隊長(伊原剛志)の指導の下、日々苛烈な任務に就いていた二人だが充実した毎日を送っていた。大輔の妻・環菜(加藤あい)は2人目の子を身ごもり、吉岡にはキャビン・アテンダントの美香(仲 里依紗)という恋人が出来ていたのだ。
 
嶋一彦のもので任務を遂行する仙崎と吉岡らだったが、嶋は、二人が仲が良く仕事について熱く語り合っていると「お前たちバディ(二人組)は似ているな」と言い放つ。「嶋さんには感情はないんですか?」と仙崎。嶋は「そんなもの(=感情)は、現場では必要ない。現場には、スキルと冷静な判断だけだ」というのが持論だった。
 

   「必要なのは、スキルと冷静な判断力だけだ。感情は不要だ」
 
そんな折、美香の搭乗するジャンボ旅客機が羽田空港を目指し飛行中、エンジンが炎上し飛行が困難な状況に陥る。様々な救助案が検討される中、総合対策室の下川救難課長(時任三郎)は、夕闇が迫り視界が悪くなる状況の中で、前代未聞の東京湾への着水を提案する。
 
しかし、海上着水に成功したとしてもジャンボが浮かんでいられる時間はわずか20分。機体が沈む前に乗客乗員346名全員を助け出す事が出来るのか!?
 
特救隊や現場に駆け付けた第5管区の服部(三浦翔平)たち、警察、消防、現場周辺の関係機関を巻き込んだ空前の大救出計画を、日本中が固唾を飲んで見守る中、G-WING206便の村松機長(平山浩行)は東京湾着水に向けて降下を始める…。
 
しかし予想だにしない事態が仙崎たちを待ち受けていた―。
 

 

ジャンボ機が着水してから沈むまでの20分間に救出しなければならないという時間との勝負。
 
機長と仙崎との通信のやり取りでは、「(地上の関係者はすべて)206便のことし考えていません。水中着陸さえしていただければ、必ず助けます!」「海に誘導灯を提案したのは先崎さんでしたね。実は来週子供が生まれるのです」と機長が言うと「戦っているのは俺たちだけじゃあありません。家族、子供のもとへ帰りましょう」と機長を勇気づける仙崎。
 
CAの美香と吉岡の関係も描かれていくが、吉岡が仙崎のアドバイスに従って、男らしくプロポーズするのだが、「収入が私のほうが上でしょう。保安庁の職員など不安で、そんな生活は想像できない」と断られてしまう。完全に振られてしまったとあきらめていた吉岡だった。
 
飛行機事故が起きで、助けに行った吉岡の行動を見て、美香は、「私はあなたに隠していることがある」と言おうとするが、吉岡は、「後でいいから、今は逃げることだ」と自分にかまわず逃げて生きることを促す。
 
乗客、乗組員全員が救出されるが、そこに吉岡の姿だけなかった。
「全員助かったといっても、救難隊員が死んでしまったのでは・・・」と重い空気が対策室などに広がる。
 
下川救難課長は「みんなよく頑張ってくれた。だが、まだ終わっていない。仲間が海の底にいる。死んだままにはしておけない」。
 
海に沈んだ吉岡を探すべく、仙崎、嶋らは、海中に潜る・・・。
最後にドラマティックな展開となるのだが・・・。
 
美香(仲 里依紗)が、恋人に隠していたというのは、自分が高校生の時に両親が離婚。そして、21歳の時に一度結婚したが、両親と同じように離婚してしまったことがトラウマとなって、結婚はするまいと思ってきたのだった。「私はバツイチなの」と吉岡に告げるが、「そんなのは問題ない。俺が幸せにしてみせる」と吉岡。
 
登場する様々な人生、家族が希望を持って生きていこうとする姿もあわせて描いている。「まんざらこの世も捨てたものではない」と仙崎の妻・環菜(加藤あい)がつぶやく。落ち込んでいる日本に、元気を与えようという意気込みを映画を通して伝えたかったのだろう。
 
ラストシーンが印象的。
仙崎と嶋の二人。
 
嶋:「特殊救難隊に必要なことは何かわかるか」と再び聞く。
仙崎:「わかってます。スキルと冷静な判断力でしょう」。
 
嶋:「それと、これだ」と、自分の胸をたたく。
嶋も、今回の仙崎の行動を見て理解したのだ、Brave Hearts(勇敢な心)を、感情の大切さを。
 
 
あえて言えば、できすぎた内容でもある。
絶体絶命のピンチで、絶望の状況だったが、「奇跡」も起きてしまうのだ。
あのパニック映画の「ポセイドン・アドベンチャー」とは大違い。
 
「BRAVE HEARTS 海猿」は、動員570万人で興行収入72億円となった。
 
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