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<span itemprop="headline">訃報:社会派映画の巨匠シドニー・ルメット監督、死去。86歳。</span>


十二人の怒れる男」(Twelve Angry Men) 予告編
 
十二人の怒れる男などの名作の監督として知られるシドニー・ルメット監督が、9日、ニューヨークで亡くなった(リンパ腫)。86歳だった。
 
数々の骨太の社会派映画といわれる作品を残した。ご冥福を祈ります。
 
シドニー・ルメット1924年6月25日ペンシルベニア州フィラデルフィアの生まれ。もともとは、舞台俳優で、映画にも出演していた。終戦後はオフ・ブロードウェイイーライ・ウォラックユル・ブリンナーたちと俳優グループを結成。このグループはのちにアクターズ・スタジオの母胎となったというから、有名俳優が陸続と出現する前の時代も経験していることになる。戦後のハリウッドの生き証人のような人だったことになる。
 
俳優活動に飽きたらなくないと思ったルメットは、1950年代に演出家に転向。
 
時代はまだ、テレビドラマの黎明期。そんな中で、制作に手腕を発揮し、売れっ子演出家となったようだ。5年間に約500本の作品を演出したというから驚きだ。
 
このテレビ局の経験が大きな転機となる。局を辞めたあと、1957年に初の劇場映画「十二人の怒れる男」の監督を務める。この作品は、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞、一躍人気監督の仲間入りを果たした。
 
1960年代には「夜への長い旅路」(1962年)や監督の地位を不動にした「質屋」(1964年)など、主に文芸作品の映画化で力を発揮した。
 
1970年代には、アル・パチーノ主演のセルピコ」(1973年)、オールスターキャストの「オリエント急行殺人事件」(1974年)、再びアル・パチーノ主演の狼たちの午後」(1975年)、テレビの視聴率の裏側をえぐった「ネットワーク」(1976年)と次々に話題作を発表し、名実共にアメリカ映画界を代表する巨匠となる。
 
1990年代になると、やや精彩を欠いたようで、「グロリア」(1999年)では主演女優のシャロン・ストーンゴールデンラズベリー賞にノミネートされるなど駄作の烙印を押された。
 
もう終わった監督とみられていたが、「その土曜日、7時58分」(2007年)で復活を果たした。この映画は、緊張感にあふれ、わくわくするような往年の重厚な映画を思わせた。ルメット健在なりを印象付けるものとなった。
 
アカデミー監督賞に4度、英国アカデミー賞監督賞に3度、カンヌ国際映画祭パルム・ドールに4度ノミネートされたが、いずれも受賞には至っておらず、賞には無縁だったが、2005年にはその生涯における業績を評価され、アカデミー名誉賞を贈られた。
 
 
監督作品:
 
1958年「十二人の怒れる男」(Twelve Angry Men) ☆☆☆☆
1958年「女優志願」(Stage Struck ) ☆☆☆
1959年「私はそんな女」(That Kind of Woman) ☆☆☆
1959年「蛇皮の服を着た男」(The Fugitive Kind )
1962年「橋からの眺め」(A View from the Bridge )
1962年「夜への長い旅路」(Long Day's Journey into Night)
1964年「質屋」(The Pawnbroker)
1964年「未知への飛行」(FailSafe)
1965年「丘」(The Hill )
1966年「グループ」(The Group) ★★
1967年「恐怖との遭遇」(The Deadly Affair)
1967年「グッバイ・ヒーロー」(Bye Bye Braverman)
1968年「The Sea Gull」
1969年「約束」(The Appointment) ☆☆☆
1970年「はるかなる南部」(Last of the Mobile Hot Shots)
1971年「ショーン・コネリー/盗聴作戦」(The Anderson Tapes) ☆☆☆
1972年「Child's Play 」
1972年「怒りの刑事」(The Offence)
1973年「セルピコ」(Serpico)☆☆☆☆
1974年「Lovin' Molly」
1974年「オリエント急行殺人事件」(Murder on the
  Orient Express)☆☆☆☆
1975年「狼たちの午後」(Dog Day Afternoon )
  ☆☆☆☆
1976年「ネットワーク」(Network ) ☆☆☆☆
1978年「エクウス」(Equus)
1978年「ウイズ」(The Wiz)
1980年「Just Tell Me What You Want」
1981年「プリンス・オブ・シティ」(Prince of the City )
1982年「デストラップ・死の罠」(Death Trap)
1982年「評決」(The Verdict)
1983年「Daniel」
1984年「ガルボトーク/夢の続きは夢・・・」(Garbo Talks)
1986年「キングの報酬」(Power)
1986年「モーニング・アフター」(The Morning After)
1988年「旅立ちの時」(Running on Empty)
1989年「ファミリー・ビジネス」(Family Business)★★
1990年「Q&A」(Q&A)
1992年「刑事エデン/追跡者」(A Stranger among Us)
1993年「ギルティ/罪深き罪」(Guilty as Sin)
1997年「NY検事局」(Night Falls on Manhattan)
1997年「Critical Care」
1999年「グロリア」(Gloria )
2004年「強制捜査」(Strip Search)
2006年「Find Me Guilty」
2007年「その土曜日、7時58分」(Before the Devil Knows
  You're Dead)☆☆☆☆
                                       ↑これは面白い
             「その」記事はこちら:http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/59103593.html