こども時代の香須美の落語もうまいのに驚く。
成長してからも一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こしてしまって、寄席にも出入り禁止状態。そんな破天荒な師匠にTV局から、これまで演じた者が必ず命を落とすという呪われた演目「緋扇長屋」に挑む話が舞い込込んでくるが・・・。
日本の伝統芸能である「落語」をテーマに、その世界に単身飛び込んで青春を賭けた女性(ミムラ)と、落語界の異端児と呼ばれた師匠(津川雅彦)の物語。落語界の知られざる裏事情、さまざまな演目、特にいわくつきの「緋扇長屋」にまつわるエピソードなどがクライマックスとして登場し、落語の観客になった気分で楽しめる作品。
念願の落語の世界に飛び込んだ香須美(ミムラ)は、落語界では、女であるというだけでハンデがあるのに加えて、師匠は落語界の問題児。しかし、逆風にもまれながら女前座として日々奮闘していた。ある日師匠の平佐(津川雅彦)が突然、呪われた噺(はなし)「緋扇長屋」に挑むと宣言。周囲が騒然とする中、心配する香須美は信念を曲げようとしない師匠の心に共感していくのだった。
ミムラのための映画だったかもしれないほど、いきいき演じていた。津川は、ベテランの味で、名人芸だった。
☆☆☆(お勧めです)