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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代(44)「スケアクロウ」</span>


 「スケアクロウ」(1973、アメリカ、原題:Scarecrow)

 映画公開当時、スケアクロウ(=案山子=かかし)のタイトルの意味がよくからなかったが、
 かかしと、人から呼ばれようが、いいではないか、ピッツバーグまで、一緒に行こうと
 いうことだったようだ。
 
 ジーン・ハックマンアル・パチーノの男の友情を軸にした、ロード・ムービー

 1970年前後からアメリカン・ニューシネマといわれる作品が数多く発表された。

 「イージーライダー」(1969)に描かれたように、これらの映画は若者やドロップアウト
 した人々を主人公にしながらロードムービー的な手法で描かれていた。このスケアクロウ
 その代表的な作品。
 
 「スケアクロウ」では、船乗りをやめて恋人と子供のもとへ帰ろうとするライアン
 (アル・パチーノ) と刑務所から出所したばかりのマックス(ジーン・ハックマン)の
 出会いから始まる。ライアンは、身ごもった恋人を捨てたため、子供が男か女かもわからず
 不安なままデトロイトに向かう途中だった。マックスはピッツバーグに行って商売をする前に
 デンバーの妹の所へ行こうとしているところだった。
 
 喧嘩っ早く決して人を信じないマックスと、ジョークとやさしい笑顔で周囲にとけ込んでいく
 ライアンは、対照的な性格だが、不思議に意気投合しお互いの目的地を二人で目指すことに
 なった。「スケアクロウ」とは「かかし」のことだが、ライアンの「かかし」への解釈が
 この映画のポイントであった。
 
 徐々にマックスの心は癒され、笑顔を見せるようになる。しかし、お互いが欠けていたものを
 補いあってきた旅はマックスが変わったことで終わったのかもしれない。

 大喧嘩をしながらも、次第に深まっていく友情を、ロード・ムービー風に描いた。

 いまでいう、ホモとか、ゲイとは違った純粋の男の友情のドラマで、ラストの、ライオンに対する
 マックスの友情が素晴らしい余韻を残した。当然のことながら、パチーノ、ハックマンの好演が
 光った。 ラストは、痛ましさを残す結末となった。

 これも機会があったら、再見したい映画だ。

 監督: ジェリー・シャッツバーグ
 音楽: フレッド・マイロー
 出演: ジーン・ハックマン
     アル・パチーノ
     ドロシー・トリスタン
     アイリーン・ブレナン
     リチャード・リンチ
     アン・ウェッジワース


☆☆☆☆