ロサンゼルス映画批評家協会(LAFCA)賞が発表された。作品部門(作品賞)に輝いたのは「それでも夜は明ける」のスティーブ・マックイーン監督の「Small Axe」。次点はクロエ・ジャオ監督の「ノマドランド」だった。監督賞はこの逆で、ジャオが受賞、マックイーンが次点。
男優賞は「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズ(今年8月死去。43歳)、女優賞は「Promising Young Woman」のキャリー・マリガンがそれぞれ受賞した。ドキュメンタリー賞は「Time」、アニメ賞は「ウルフウォーカー」だった。
なお、台湾の映画監督である侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督に「功労賞」を授与することを決めた。台湾人の受賞はこれが初めて。侯監督作品には「悲情城市」(1989)「百年恋歌」(2005)「黒衣の刺客」(2015)などがある。
LAFCAは1975年に設立され、ロサンゼルスの電子メディアや平面媒体で活躍する映画批評家らによって構成されている。ハリウッドのお膝元だが、アカデミー賞と異なる独自の路線が特徴。
最優秀作品賞は1994年以降では「ハート・ロッカー」「スポットライト 世紀のスクープ」「ムーンライト」「パラサイト 半地下の家族」の四度しかかぶっていない。
主な受賞:
■「作品賞」:「Small Axe」(スティーブ・マックィーン監督)
■「監督賞」:クロエ・ジャオ(「ノマドランド」)
■「男優賞」:チャドウィック・ボーズマン(「マ・レイニーのブラックボトム」)
■「女優賞」:キャリー・マリガン(「Promising Young Woman」)
■「助演男優賞:グリン・ターマン「マ・レイニーのブラックボトム」)
■「助演女優賞」:ユン・ヨジョン(「Minari(原題)」)
■「ドキュメンタリー賞」:「Time」
■「アニメ賞」:「ウルフウォーカー」
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一足先に賞を発表したニューヨーク映画批評家サークルは、作品賞を「First Cow」、監督賞をジャオ、男優賞を「ザ・ファイブ・ブラッズ」のデルロイ・リンドー、女優賞を「Never Rarely Sometimes Always」のシドニー・フラニガン、アニメ賞を「ウルフウォーカー」に与えている。