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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「黄色いロールス・ロイス」(1964)


 
イングリッド・バーグマンジャンヌ・モローシャーリー・マクレーンアラン・ドロンなど豪華俳優共演の「黄色いロールス・ロイス」(原題: The Yellow Rolls-Royce1964)を見た。テレビでかつて放送があったが、チラっと見た程度で、初見だった。
 
欧州を舞台にした3篇のオムニバス映画で、高級車「ロールスロイス」を巡る悲喜こもごもを国際スターの共演で描く。宣伝文句は「豪華7大スターの共演」。
 
【第1話】1930年のロンドン。英国の侯爵チャールズ・フリントン(レックス・ハリスン)が妻エロイーズ・フリントン(ジャンヌ・モロー)に贈った高級車”黄色いロールスロイス”が彼女の浮気の舞台となる。
 
プリントン公爵は、馬主でもあり、アスコット競馬場で競馬の重賞「ゴールドカップ」に愛馬「エロイーズ」が出走するので、すべての予定をキャンセルして、競馬場に妻とともに赴く。フリントン公爵の妻エロイーズが若い男ジョン(エドマンド・パードム)との逢瀬の機会があるのは、「ゴールドカップ」の発走時刻前後だけ。
 
妻と男の関係を知っている夫人が、フリントン公爵に「奥さんはロールスロイスの車の中で逢引きをしてるのでは」とほのめかす。フリントンは、競馬の重賞を見るのも振り切ってロールスロイスに近づく・・・。愛馬エロイーズは優勝し、まわりから祝福されるが、妻の情事を目撃してしまった公爵は・・・。
 
【第2話】数年後、イタリア。里帰りの米国のアル・カポネの子分のギャングであるパオロ・マルティーズ(ジョージ・C・スコットに買われたロールスロイスは、マルティーズや愛人メイ・ジェンキンスシャーリー・マクレーン)、腹心のジョーイ・フリードランダー(アート・カーニーを乗せイタリアを観光。
 
途中知り合った街頭カメラマンのステファーノ(アラン・ドロン)とメイは、よんどころない仲となるのだが・・・。メイは、何事にも無知で無関心とマルティーズから決めつけられていたが、ステファーノと風光明媚な場所で泳いだりするうちに、物事に感動を覚えるようになる。マルティーズがアメリカに一時帰国している間の出来事だったが、マルティーズの右腕のジョーイは、親分のマルティーズに逆らったら命も危ない、「命あればこそだ」と助言され、ステファーノと別れる決断をくだす。
 
 
帰国したマルティーズは、ジョーイに「観光は済んだか」と聞くと、ジョーイは「言われ得た通りに」。メイが、花火をみて「すごい」というと、マルティーズは「メイが感想を言ったぞ」というと、ジョーイは「(観光旅行で)成長したんです」というのだった。
 
 
【第3話】1941年。ドイツがユーゴスラビアに侵攻しようとする時期。動乱のユーゴ訪問に向かう米の上流婦人ゲルダ・ミレット(イングリッド・バーグマン)が解放軍の首領ダビッチ(オマー・シャリフ ロールスロイスに同乗させて、結局、ロールスロイスが対独パルチザンの戦士たちの輸送に大活躍する。
 

・・・
3話とも、女優が素晴らしい。
第一話のジャンヌ・モローが、夫の使用人のような若い男と不倫関係にあるが、大勢で会食している間にも、遠くから夫が見ているが、普通の雑談にしか見えないが、話の間に密会の約束を話し合っていたのだ。当時35歳のモローも魅力があった。
 
第2話は、アラン・ドロンシャーリー・マクレーンのツー・ショットで、美しいイタリア風景をバックに、言葉のやりとりが面白い。ステファーノ(ドロン)は、特に若い女性などの観光客目当てに写真を撮り、それを届けると言って、ホテル名と部屋番号を聞き出すのだ。
 
ステファーノは「道化師の真似をしているが、旅行者は安いスリルを求めている」と持論を言う。メイ(シャーリー・マクレーン)が、「これまでに何人くらいの女と」と聞くと「数百人だ」と答えるが、「生きる手段なのさ」という。メイは、ギャングの情婦だが、ギャングの運転手のアドバイスに従って、ステファーノとはきっぱりと分かれる潔さ。メイは、ステファーノについて、「超道徳男」と呼んだ。「不道徳」は自覚があるが「超道徳」は、善悪の区別がつかないのだという。
 
第3話は、イングリッド・バーグマンの行動的な性格を体現するような内容だった。力強い女性を颯爽と演じている。
 
オムニバスとは言え、二度と不可能と思われるような豪華俳優の共演が見所だった。
 
「黄色いロールス・ロイス」(原題: The Yellow Rolls-Royce1964年)

挿入歌: Forget Domani
製作国:アメリカ/イギリス合作
日本公開: 1965年2月26日
配給: MGM
出演:
レックス・ハリスン
 
 
☆☆☆
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