「アメリカン・ハッスル」は、実力派俳優の競演ということでは、見ごたえがあった。
ただ、ストーリーなどがごちゃごちゃしてわかりにくく、「物語の一部は真実である」というところから、実際の事件は映画的に起こるわけではないので、ストーリー・テリング(物語の展開)の面白さでは「?」だった。騙し、騙される、誰が味方で誰が敵か二転三転するところは面白い。
期待が大きすぎたので、全体としてやや散漫で、やや物足りなかったというのが印象だ。
日本でも、「ハッスル、ハッスル」という掛け声がはやったことがあるが、Hustle(ハッスル)とは、英語の俗語で「詐欺」のことだ。
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「世界にひとつのプレイブック」「ザ・ファイター」とこのところアカデミー賞のノミネートでは常連となっているデビッド・O・ラッセル監督が、1970年代アメリカで起こった収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化した。
詐欺師がFBIに協力し、おとり捜査によって真相を暴いた実話を、「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、「世界にひとつのプレイブック」のブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ラッセル監督作初参加のジェレミー・レナーら豪華俳優陣を迎えて描いた。
この監督は俳優たちに賞を獲らせるために映画を撮っているのではないかと思われるほどだ。俳優・女優の演技のすばらしさなどを堪能する映画かもしれない。
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1979年、ラスべガスやマイアミに続くカジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティ。詐欺師のローゼンフェルドを逮捕したFBI捜査官のディマーソは、司法取引でローゼンフェルドを捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにした巧妙なおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していく(Yahoo)。
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アカデミー賞では、10部門でノミネート、中でも俳優部門で、唯一、主演男優・主演女優・助演男優・助演女優の4部門でノミネートされている。今回は、他の作品で本命とみられる俳優・女優がいて、難しそうだが、助演女優賞のジェニファー・ローレンスは、昨年の主演女優賞(「世界にひとつだけのプレイブック」)に次いで、2年連続の受賞は、”当確”の赤いバラをピンで止めてもいいだろう。
ジェニファー・ローレンスは、まだ22、3歳で堂々とした貫禄。
セリフ回し、変化に富んだ表情、ニコール・キッドマン、レニー・ゼルウイガーなどの大女優にも匹敵する、10年に一度の女優ではないかと思った。実際、米「TIME」誌が選ぶ、2013年の「世界で最も影響力のある100人」にジェニファー・ローレンスは選出されている。ハリウッドの若手女優のなかではすでに別格の存在になっている。
「こうやって髪の毛を触られたら、頭に来るだろう?」
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登場する人物のヘアスタイルに注目だ。
映画の冒頭から、なんだこの映画は、と思わせる(笑)。
クリスチャン・ベイルの頭がバーコードになっていて、その頭にふわふわの髪を載せ、ドライヤーをかけて、自然になじませるのである。この映画のために、お腹でっぷりの体型にしたのだろうが、役者も大変だ。
市長を演じるジェレミー・レナーにいたっては、かつらをすっぽり載せたような、似合わないオールバックのリーゼントのようなスタイル? ブラッドリー・クーパーは、ちりじりパンチ・パーマだ。
エイミー・アダムス(左)とクリスチャン・ベール(主演女優・主演男優賞にノミネート)
女優陣もすごい。
エイミー・アダムスは、ヘアーカーラーを何十個も使って、くるくるカール巻き!
今や貫録たっぷり。胸元も明けてオープン。
ヒッチコックが生きていたら、絶対に使ったかもしれない、ゴージャスな金髪で決めたジェニファー・ローレンス。
Live and let dieを歌うジェニファー・ローレンス
YouTubeが見れない場合はこちら:http://youtu.be/20sc40RDRP4
ジェニファーは「007 死ぬのは奴らだ」の主題歌である ”Live and let die” を体をくねらせながら歌って踊ってしまう迫力!
名優もワン・カット出演(ロバート・デ・ニーロ)、貫録が違う。
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