「フォロー・ミー」 DVD発売の案内
「フォロー・ミー」(1972)を、38年ぶりに見た。
内容はだいたい覚えていたが、細部はすっかり忘れていた。
DVDも初めて販売されるそうだ。
映画は、イギリスの名監督、キャロル・リード(「第三の男」)の作品で、音楽は、ジョン・バリー(「007」シリーズなど)。映画の原題はThe Public Eye(私立探偵)だが、映画のなかで、Public Eyeは、尾行専門と訳されていた。
「屋根の上のバイオリン弾き」(1971)で圧倒的な存在感を示したハイアム・トポルが、次に選んだのが、「フォロー・ミー」で、この映画を見たときには、同一人物かと驚いたのが第一印象だ。
未見の方は、ネタばれ全開ですのでご注意を(笑)。
「フォロー・ミー」というのは、私の後について来て、といった意味だが、探偵が主人公の後をついていくことかと思ったらそうではない。理解し合えず、難しい状況となっていた夫婦関係にあったが、探偵のアドバイスで、妻の夫に対しての意思表示を表すことばだ。あるいは、探偵が、こっち、こっちと道案内することばともとれる。
探偵クリストフォールは、バックミラーを片手に、「ミルク通り」「フィッシュ通り」「プリン通り」「バード通り」などいろいろな通りを案内する。このあたりは、まるで"ローマの休日"だ。
妻べリンダ(ミア・ファロー)が日中家をあけていることが多いことから会計士の夫チャールズ(マイケル・ジェイスト)は、妻が浮気でもしているのではと疑い、私立探偵クリストフォルー(トポル)を雇って、10日間ほど、妻の行動を調査するという話。
べリンダは、船上で、見知らぬ男(クリストフォール)と目が合うが、言葉は交わさなかったものの、この男が、自分の後をついてくるのが、だんだん気になってくる。いろいろとその男の案内で、あちこちを歩いたり、ハンプトンコートの迷路に行って、ピクニックのように食事を楽しんだりと、楽しいひと時を過ごす。このときに、ゆで卵を、二人が一緒になって、頭で割っていたのがおかしい(笑)。
結局、べリンダが家をあけていたのは、上流階級の水が合わず、窮屈な生活を紛らわすために、逃避したかったわけで・・・。確かにパーティに出ても、話題にも加われないし、鼻もちならない人間ばかり。というわけで、映画館に行ったり、美術館巡りをしたりしていたのだが・・・。べリンダは、なぜかホラー映画が好きなようで、二本立てホラーを2回も見て6時間以上を映画館で過ごすこともあった。クリストフォールと会ってからは、「ホラーでなく、こちらを見よう」とクリストフォールが誘ったのは「ロミオとジュリエット」だった。
チャールズのほうは、自己中心的で、たかをくくっていたが、最後には、妻の気持ちも理解をしていくというところで終わる。チャールズの母親などは、「自分の友人などの夫婦を見ていると、出て行った妻も、残念なことに(=universal regretという表現がおかしい)たいてい戻ってくる」などと息子を慰めていた(爆)。
チャールズは、クリストフォールから、調査結果を聞くことになる。
一日目は、こうでああで、2日目は、と説明するが。チャールズは、「男はいたのか」
と食い下がる。クリストフォールは、「いた。ハンサムな紳士だ」と答える。
あとで、チャールズが、べリンダに問い詰めると、自分の後にヘンな男がつけてきて・・・と話すと、チャールズは、合点がいく。(あいつか・・・爆)。
クリストフォールは、怒ったチャールズに、「自分たちは何もない」というと、チャールズは「妻の心を盗んだ」という(うまいこと言うな。爆)。
チャールズは、杓子定規で、あまりユーモアもなく、堅苦しい性格。アメリカ人の妻は、形式ばったことがきらいで、自由に、絵画や、映画や芸術を楽しみたいと思っていた。その溝を埋めるためにも、クリストフォールは、自分と同じように歩いたコースをチャールズが歩いたらきっとうまくいくとアドバイスをしたのだ。
クリストフォールもべリンダも互いに好意を感じてはいるが、(自身は身をひいて)クリストフォールは、べリンダは夫の元に戻るのが一番ハッピーだと判断する。
船にべリンダが座っている、少し離れたところにチャールズが微笑みかけるように座っている姿があった。なかなか、余韻のある、あと味のいい映画だった。
音楽が、すばらしい。
(訂正:歌詞、別な詞を掲載していました。取り消します。)
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