↑ 下：パトリシア・ゴッジ
「シベールの日曜日」(1962、フランス映画）はモノクロ映画の傑作です。
水墨画のような画面の美しさ
といわれたように、息をのむ画面の美しさ、モノクロ・スタンダードのサイズで
ありながら、湖の景色など、すばらしい映像の映画です。
ハーディ・クリューガーと子役のパトリシア・ゴッジの演技がすばらしい。
とくに、ゴッジの、愛くるしさ。
セルジュ・ブールギニョンが監督した記憶喪失症の青年と少女との純愛ドラマ。
撮影は「生きる歓び」のアンリ・ドカエ、音楽は「アラビアのロレンス」の
モーリス・ジャールと一流のスタッフ。
アカデミー外国映画最優秀作品賞受賞。
ハリウッドの大型大作映画とはまったく対極の小画面ながら、白黒映画の
すばらしさを見せつけ、永く記憶に残る映画となりました。
内容：（Gooより抜粋）
戦争中パイロットだったピエール(ハーディ・クリューガー)は、戦線で少女を射殺したと
思いこみ、墜落のショックで記憶喪失性となった。恋人マドレーヌ(ニコール・クールセル)
の愛情も、友人の芸術家カルロスの友情もピエールの孤独な心を救えなかった。彼は
あてもなく町をさまよい歩いた。あるたそがれ時、ピエールは町で一人の少女
(パトリシア・ゴッジ)に会った。少女の名はフランソワズで寄宿学校に入れられていた。
父親から見捨てられたのだ。二人は日曜日ごとに会い、互に孤独な二人の間には
汚れのない愛情が生れていった。日曜日は二人にとって貴重な時間となったが、
この日曜日を守るために、彼等は周囲に嘘をいわねばならなかった。マドレーヌも
この嘘に気づき心配して後を追ったが、池の畔で遊ぶ二人の姿は汚れのない
美しいものだった。
ピエールと少女は父と娘として装ってきたが、そんな嘘はいつまでもつづく
はずがなかった。クリスマスがやってきた。いつものように二人は池の畔で
楽しいクリスマスイブを過ごしていた。いまはピエールを唯一の友人と
思っている彼女は、はじめて本当の名前はシベールだと告げる
のだった。
しかし、周囲では、二人の関係は、異様に映り、やがて悲劇が訪れることになる・・・。
モノクロ映画で、小画面ながら、傑作として記憶されるのは「シベールノ日曜日」「かくも長き
不在」「野いちご」か。
☆☆☆☆
