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【小津安二郎生誕120年】WOWOWが「連続ドラマW OZU~小津安二郎が描いた物語~」(サイレント作品をリメイク)

小津安二郎監督はことし生誕120周年を迎える。「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で数々の作品を生み出し、没後60年となる今もなお国内外問わず高い評価を受け“世界のOZU”と敬愛されている。

1903年12月12日の生誕から120年を記念し、WOWOWが「連続ドラマW OZU~小津安二郎が描いた物語~」と題して、小津がメガホンをとった初期サイレント映画群をドラマリメイクすることが発表された。

オムニバスドラマ形式で、現代設定に置き換え、カラーかつトーキー(発声)でよみがえらせる。

小津作品は全54作品あるが「東京物語」「晩春」など後期に手がけた代表作が注目されることが多いが、今回のドラマリメイクでスポットライトを当てるのは映画監督人生の原点ともいえる初期サイレント映画群。

今まであまりフォーカスされることが少なかった初期作品を通して小津安二郎の知られざる一面と出会うことができる。

あわせて、現代でも色褪せない普遍性を持ちあわせた物語をこの機会に新たな視点で楽しめるものとするという。

企画・プロデュースを担当するWOWOWの徳田雄久氏のコメント:
「2年前の春、小津安二郎監督の初期映画が面白いという話を聞き、現存するサイレント全作品を鑑賞した。」「小津監督が二十代の頃に作られた映画はコメディ、ギャング、サラリーマンものなど実に多彩で驚くほど新鮮だった」「百年近く前に描かれた市井の息づかいに、今と変わらぬ普遍性を感じ、無謀にもこの名作群の現代リメイクに挑む決意をした」「畏(おそ)れ多くも、小津安二郎生誕120年を記念して、さまざまな方のお力添えでドラマ化が実現する」

WOWOWに加入していないので、Netflixでの配信待ち(笑)。

小津安二郎のサイレント時代のフィルモグラフィー(「※」は現存しない作品)
1927年 ※懺悔の刃  (69分) 
1928年 ※若人の夢 (55分)※女房紛失  (54分) ※カボチヤ(42分) ※引越し夫婦 (40分) ※肉体美  (54分)
1929年 ※宝の山  (66分)  
1929年 『学生ロマンス 若き日』(103分) 
ロイド眼鏡と逆R印セーターの大学生がスキー場でセーラー服のヒロインを巡って仁義なきナンパ合戦を繰り広げるラブコメ
1929年 『和製喧嘩友達』 (77分)
この頃は普通にアメリカ映画っぽくオーバーラップを使ったり、グリフィスっぽい汽車と車の並走を撮っていたりする。使用されている映画のポスターは1924年の『絶海の猛漢/The Uninvited Guest』。本作自体も1927年の『喧嘩友達/McFadden's Flats』という1927年のアメリカ映画の喜劇を下敷きに作られているようだ。 
1929年 『大学は出たけれど』  (70分)
本来は70分の作品だが10数分しか現存していない。見所はズバリ就職出来なくて遊んでる主人公のためにメイドカフェでバイトする幼な妻の田中絹代(20歳頃)。
『学生ロマンス 若き日』の「ミゾグチ理髪所」
『大学は出たけれど』の「ミゾグチ理髪所」
1929年 ※会社員生活  (57分) 
1929年 『突貫小僧』  (38分)
38分の中編ですが、現存は18分。元ネタがO・ヘンリーの「赤い酋長の身代金」。 
1930年 ※結婚学入門  (71分) 
1930年 『朗かに歩め』  (98分)
冒頭のトラックバックによる移動撮影の素晴らしさ。
1930年 『落第はしたけれど』 (64分)
早稲田界隈を舞台にした学生物。
1930年 『その夜の妻』 (65分)
無国籍風アパートを舞台にした米映画的なサスペンス。
1930年 ※エロ神の怨霊  (27分)
1930年 ※足に触つた幸運  (74分) 
1930年 ※お嬢さん  (135分) 
1931年 『淑女と髯』  (74分)
1931年 ※美人哀愁  (158分) 
1931年 『東京の合唱』  (90分)
社長に同僚の不当解雇を抗議したらクビになった主人公とその家族の小市民物。
1932年 ※春は御婦人から  (74分)
1932年 『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』  (91分)
1932年 『青春の夢いまいづこ』  (91分)
1932年 ※また逢ふ日まで  (78分) 
1933年 『東京の女』  (47分) 
47分程度の中編。ようやくローアングルや正面切り替えしといった小津らしいテクニックが出てきてしっくりくる。
1933年 『非常線の女』 (100分)
1933年 『出来ごころ』  (100分)
1934年 『母を恋はずや 』 (93分)
1934年 『浮草物語』  (89分)
1959年にリメイクされた『浮草』のオリジナル。
1935年 ※箱入娘  (67分) 
1935年 『東京の宿』  (80分)
現存する小津最後のサイレント作品。失業中の喜八が子供達を連れて職探しで彷徨う前半と知り合った母娘の病気の娘の為に罪を犯す後半からなる人情物。
1936年 ※大学よいとこ  (86分) 

 

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