「トリハダ 劇場版」(2012)を見た。いろいろな意味で意表をつかれた映画だった。
劇場版というからには、ドラマがあったようだが、それも知らず、まったく予備知識なしで見たら、引き込まれた。元来、ドラマは、ホラー・オムニバスシリーズ「トリハダ〜夜ふかしのあなたにゾクッとする話を」として、2007年~2009年にかけてシリーズで深夜に放送された。カルト作品と言われているようだ。
ホラー映画だが、メインの話があって、同時にオムニバスのように6つのサイドストーリーが並行して描かれ、一部がつながっていくところの構成はうまい。
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ざっとした内容は以下のとおり。これから見る人はスルーしてください。
家電メーカーのコールセンターに勤務する高林ひかり(谷村美月)は、上司の健二と不倫関係にある。職場では今日もクレーム処理に追われ、電話ごしに苛立った女の声で「お前はバカか。謝ることしかできない能なしか」などと罵声を浴びている。それは毎日掛かってくるクレーマーからの電話だった。その日も後輩の美香に頼まれ、頻繁に電話してくる中年女性、宮脇和世からのクレーム対応に疲れ果てて帰宅すると、ふと隣の部屋の表札が“宮脇和世”である事に気付く・・・。
■「見えざるものの中にある真理」
近所のトランクルーム(レンタル倉庫)を使っている一人の女性・由美子(木南晴夏)。倉庫の中に自宅の鍵を忘れた事に気づき、取りに戻った由美子の目に映ったのは、勝手に倉庫を開けようとしている不審な男。由美子は鉄パイプで男を撲殺。由美子は行方不明の女児・篠田綾はじめ複数の遺体を貸し倉庫に隠していた。その後、貸し倉庫の中には、大きなキャリーバッグが4つに増えた。
不在表があったと、横田(笹野鈴々音:りりね:強烈!)という女性から宅配業者の男・孝史(古川雄輝)に連絡が来た。部屋のドアを開けると、妙に小柄で能面のような顔の女性が荷物を受け取った。その日から、6日間に及ぶ彼女の付きまとい行為が始まる。そのしつこさ、恐ろしさは強烈で省略(笑)。
■「好奇心から生まれる想像と漆黒」
夜のバスに乗る会社員・良和(野間口徹)は、前の席の女子高生(入来茉里)の携帯メールが目に入る。ヨシキという男とのラブラブメールに好奇心を触発された良和は、メールを盗み見る。メールは女性殺害と死体遺棄の内容になり、良和ははらはらする。その時「私の携帯覗いてる後ろのオヤジ、ウザイ」…覗き見しているのがばれていたのだ。ヨシキとは同じバスに乗り合わせていた女子高生の隣の男で、良和は始末されそうになる。
■「理想と現実の相違からなる闇」
引越ししてきたばかりで、理想が高い女・葉子(佐津川愛美)は隣人男性の訪問を受ける。隣人の男からシチューのおすそ分けが届けられる。男に好意を持った葉子はそれを食べるが、翌朝その鍋からは異常なものが出てきた。テレビでは、殺害されたと思われる女性の頭部が発見され、舌が切り取られていたというニュースが流れていた。まさに、その舌が混じっていた。翌日、隣人と会った葉子は礼を言うが、隣人は別人だった。隣人男は一体・・・?
■「自身に降り掛かった悪夢と結末の相違」
それは「13」「12」「11」と日を追うごとに数が減っていき、「やめてくれ」「変態!」というメモを入れたところ、状況はさらにひどくなった。恐怖を感じた夕子は友人に付き添われ、部屋を出ることにする。嫌がらせは止まらず郵便受けなどにも入る。女友達・かえでが夕子の郵便受けを開けると、その瞬間にボウガンを額に受けるのだった。かえでが身代わりとなり、自分でなくてよかったと一瞬ほくそ笑む夕子。
■「誘惑と疑念の葛藤と脅迫」
夫は実際に浮気をしているので、慌てて仕事に向かう。ある日真貴子に掛かってきた、奇妙でしつこいセールス電話。それは、ライフスタイル・カウンセリングというもので、真貴子と健二の家族構成などを知っている。やがて、その内容が夫殺害を依頼しろというようにに変わっていく。相手は夫の不倫相手・ひかりだった。
・・・主人公・ひかりに対するクレーマーが、ひかりの隣人だったとわかる。
なぜ、隣人がしつこくクレームの電話をしていたかが、後から分かる。怖っ!
隣人を殺害してしまったひかりは、不倫相手の上司である健二を部屋に呼び出す。その後のひかりの行動は誰も知らない。ひかりは投身自殺を図ったのだ。ただ、浮気したら殺す、と夫に告げていた主婦・真貴子の口座には、1億円近い多額の生命保険が振り込まれていた。映画の冒頭と同じ、真貴子の鼻歌♪が聞こえる。
主な出演:
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続編の「トリハダ2」も見なくては・・・。
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