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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「大洗にも星はふるなり」(2009)

 
大洗にも星はふるなり」(2009)を見た。バカバカしいが、お気楽映画で面白い。
監督はこれがデビュー作(兼原作)の福田雄一(のちに「HK/変態仮面」「俺はまだ本気出してないだけ」など)。2006年に舞台上演された作品の映画版で、映画の舞台も、妄想シーン以外は「海の家」の小屋の中だけのワン・シチュエーション・コメディ
 
・・・
茨城県、大洗(おおあらい)町のクリスマス・イヴ。
冷たい風が吹き荒れる真冬の海の家に5人の男が1通の手紙で集められた。
 
前代未聞の勘違いナルシストの杉本(山田孝之)、オクテなサメマニアの松山(山本裕典)、モテないくせに浮気願望が強い猫田(ムロツヨシ)、ハイテンション・バカの仁科(小柳友)、ちょいワル?オヤジで海の家のマスター(佐藤二朗)。
 
             独特の喋りが特徴の佐藤二朗
 
彼らは、数ヶ月前の夏、この海の家で生活を共にしたバイト仲間だった。
5人は全員、皆の憧れのマドンナ・江里子(戸田恵梨香)から「クリスマス・イヴの夜、海の家で会いたい」という手紙を受け取っていたのだ。
 
自分だけが手紙を貰ったと思っていた彼らは、江里子が本当に会いたがっているのは自分だとアピールを始める。そこへ海の家の取り壊しを求めて弁護士の関口(安田顕)が現れる。
 
          弁護士役で、作り話や妄想を崩していく安田顕が出色。
 
いくつもの離婚訴訟を手がけてきた関口は、5人のくだらない言い争いに決着をつけようと、各々が語る江里子との妄想のエピソードの真実を、あらゆる物的、状況証拠から推理して次々と暴いていくのだった。
 
関口の華麗な事情聴取に衝撃を受ける面々。
特に杉本は、自信をごっそり奪われ、次第におかしくなっていく。
そんな中、関口が突然「私も好きだな、江里子さん・・・」と衝撃の宣言を口にする。
 
彼女に会ったこともない関口が、ラブ・バトルに参戦してきたのだ。
さらに、遅刻してきた天然・カラ回りキャラの林(白石隼也)も加わり、男たちの争いはますますヒートアップする。
 
江里子の本命は本当にこの中にいるのか? 
そして自分勝手な妄想を暴走させる7人の男たちの、どうしようもない争いの果てに待ち受ける結末とは・・・?(MovieWalker)。
 
・・・
もともと舞台劇ということもあって、登場人物のキャラが漫画チックで、わかりやすいが、小ネタで随所で笑わせ、”大笑い”(舞台が大洗)とまではいかないが、面白かった。
 
毎年、海の家を開いているマスター(佐藤二朗)によると、アルバイト同士で親しくなりゴールインしたカップルもいたという。海の家の最終日の8月31日、アルバイト女性は買い出しに出ているということで、残った5人のアルバイトにねぎらいの言葉をかけるマスター。
 
        マドンナでモテモテぶりだった江里子(戸田恵梨香)は・・・。
 
マスターが、今年のアルバイト女性二人、よしみと江里子(戸田恵梨香)がいたが、「どうだった?」とさしずめ品評会の状況となった。「よしみ・・・」という名前が出ると、それだけで笑いをこらえて、吹き出すものもいた。「西田敏行の女装」「完膚なきまでのブス」と散々。ところが、5人の中のひとり猫田が、よしみと付き合っていることが分かると、全員が「さんざん貶(けな)したのは、どこで文句が出るか試した」などと逃げた。
 
マスターが「目をつぶって、正直に言えよ。江里子とロマンスの雰囲気があった人は手を挙げて」というと、自分だけだろうとそっと全員が手を挙げたのだ。
 
             神妙な顔で、妄想を語る山田孝之
 
杉本(山田孝之)は、回想して(実は妄想)「江里子の髪のエッセンシャルの香りがして、髪をかきあげていたのは、サインだった。海辺ではイルカが跳ねて雰囲気がよかった」などと語る。
 
サメに詳しい松山(山本裕典)は、鴨川、品川、江ノ島と車でデートまでしたというのだ。それぞれが、自分に都合がいいように、語っていたのだが、弁護士の関口(安田顕)は、説明を聞いて「大洗にはイルカはいない」「鴨川、品川、江ノ島というのは水族館のあるところで、江里子の興味は、魚にあった」と”サカナくん”に過ぎないと一刀両断。
 
この関口弁護士は「話を聞いている間に、江里子が好きになった。有象無象のなかでは、弁護士だったらどうかな」という始末。
 
いったん諦めがついたものは「江里子は、日本酒をラッパ飲みしていた。海辺で、亀を踏みつけていた。牛丼を大食いして、口の周りにしょうががいっぱい付いていた」などと作り話をした。リアリティがないと一蹴されたが。
 
林(白石隼也)は、実は「脳腫瘍でもう長くはない」から、とみなの同情もあって、ほかの人間は諦めかけたのだが、医者の言葉の「どうしようを脳腫瘍と聞き間違えた」というのが後で分かり、撃沈。
 
浮気男の猫田の携帯は、本人が知らない間に、GPSの「イマドコサーチ」でよしみから居場所をチェックされていた!
 
はたして、江里子の本心は・・・といった展開で、意外な結末だった。
 
1年後、ほぼ同じアルバイトのメンバーがそろって、大洗の海の家にその姿があった。猫田は、よしみと結婚。林は、病気もなくぴんぴん。一年前、先輩から「調子を出していこう!」といわれ、勘違いして銚子まで行ってしまうほど、そそっかしさは相変わらずで、トイレの洗剤「サンポール」を頼まれたのに、ポール(物干し竿)を買ってきてしまう。
 
そうした中、マスターが、今年のアルバイトの女の子ですと紹介すると、一同、やたらテンションだけは高い○ス顔を見て無言で、反応なし。もうひとりの久美子ちゃんです、というと、そのかわいさに全員の目の色が変わった(笑)。
 
■キャスト:
山田孝之: 杉本(カンチガイ・ストーカー)
山本裕典:  松山(オクテ・サメマニア)
ムロツヨシ猫田(浮気・命) 
小柳友仁科(ハイテンション・バカ)
白石隼也林(天然・カラ回り)
安田顕  関口(バツイチ・ミーハー弁護士) 
佐藤二朗マスター(ちょい悪?オヤジ)
戸田恵梨香江里子(マドンナ)
  ?  : よしみ (完膚なきまでのブス)(本人登場せず)
 
☆☆☆(「小笑いにも星☆は3個ふるなり」)
 
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