「デッドリー・イリュージョン」(原題:Deadly Illusions, 2021)は、NFO(ネットフリックス・オリジナル)で世界的に視聴されているランキングで上位だというので見た。サスペンスという触れ込みだったが、現実と幻影が入り混じった1時間50分の映画でサスペンスは最後に少々、という期待はずれの映画だった。
1時間以上退屈なシーンがダラダラと進み、ようやくラスト30分ほどで、予想がつくような展開が訪れる。どこかで見たことがあるような二重人格者の登場だ。裕福な家庭のベビーシッターが天使のような純粋無垢な若い女性が豹変する多重人格は予想できるが、ベビーシッターを雇った女性作家も、執筆中は「別人格になる」と語っていたように、裏の顔が出てくるといったストーリー。
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豪華な邸宅に住むベストセラー作家のメアリー(クリスティン・デイヴィス)は完璧な家庭を築いていた。ある日、編集者たちが家にやって来て、メアリーにそろそろ新作を書いてくれというのだ。メアリーは「子供の面倒も見なければならないので」と断ってしまう。
仕事から戻ったメアリーの夫トム(ダーモット・マローニー)が、出版社が置いていった封筒を見つけ、新作の執筆料が200万ドルと高額だったことから「なぜ断ったのか」とメアリーを責める口調。
メアリーは、「執筆を始めると没頭しすぎて、家庭のことをないがしろにしてしまい、別人のようになってしまうので、それが嫌だから」というのだ。
トムの顔色が変わった。トムは、妻に告白する。半年前にギャンブルで、自分たちの財産の半分を失ったというのだ。ショックを受けたメアリーは、悩んだあげく新作の執筆を引き受けることにした。
しかし、仕事と子供たちの世話の両立は無理だと考え、友人のエレインに相談すると、ベビーシッターを派遣する良質な代理店を教えてくれた。
メアリーは手続きをして、さっそく面接をすることになり、何人もの候補と面接するが、どの子も気に入らなかった。
そんな時、グレース(グリア・グラマー)という一人の少女が現れた。読書が趣味の清楚な印象の女の子で、すぐに子供たちとも、すぐ打ち解けた。メアリーはグレースがすっかり気に入り、彼女に来てもらうことに決めたのだが・・・。
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ベビーシッターの紹介会社に費用の小切手を送ったが、先方の事務所によるとグレースという名前の女の子はいないという返事だった。メアリーの疑心暗鬼が始まるといったサスペンスはあるものの、現実と幻想が入り乱れての展開が続き、メアリーの友人のエレインが職場で、ナイフを首に刺されて死亡するという事件があり、凶器のハサミにはメアリーの指紋がついていたことなどから、警察はメアリーが犯人だと疑い取り調べをする。
メアリーはグレースの過去を調べていて、グレースのおばの元を訪れる。グレースは幼い頃、虐待を受けていて、マーガレットというもう一つの人格を生み出したことを突き止める。
1年後、メアリーは精神病院にいるグレースを訪ねた。グレースは子供に戻ってしまったようで、善良そのものだった。メアリーとトムは子供ふたりと庭で遊んでいる。
場面が変わり、精神病院から誰かが出てくるが、その人物の服装は警察がカメラで捉えたエレインを殺した犯人と同じ服装だった。
エレインを殺したのは、グレースなのか、メアリーなのか、どちらとも取れるエンディングだった。ベビーシッター役のグリア・グラマーは名前のとおりグラマーで、水着姿のナイスバディは見所だった(笑)。
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主演のメアリーを演じるのは「セックス・アンド・ザ・シティ」のクリスティン・デイヴィス、ベビーシッターのグレースは「新しいワタシの見つけ方」のグリア・グラマー、メアリーの夫のトムはダーモット・マローニー。監督はアンナ・エリザベス・ジェームズ
作品名「デッドリー・イリュージョン」(原題Deadly Illusions)
監督:アンナ・エリザベス・ジェームズ
上映時間:114分
製作国:アメリカ(2021年)