「まともじゃないのは君も一緒」(2021)を見る。「カツベン!」の成田凌と「花束みたいな恋をした」の清原果耶のW主演。主人公の2人の全く噛み合わない会話劇が最初から最後まで繰り広げられ、“普通”とは何かがコミカルに描かれ最後まで引き込まれた。
「婚前特急」「わたしのハワイの歩きかた」の監督・前田弘二&脚本・高田亮コンビによるオリジナルストーリーによるロマ・コメ。
数学一筋、コミュ力(=コミュニケーション能力)ゼロのクセがありすぎる予備校講師・大野(成田凌)と知識ばかりで恋愛経験ゼロのJK・香住(清原果耶)が普通の恋愛を目指し奮闘するドタバタラブコメ。2人が見つけ出した普通(まとも)の答えとは?
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普通に結婚はしたいが、そもそも“普通”が分からない予備校講師・大野(成田凌)は、生徒の香住(清原果耶)に恋愛指南してもらうことになる。
とはいっても18歳の香住自身が恋愛経験ゼロにも関わらず「先生そんなんじゃ一生結婚出来ないと思う」「普通が分からないから普通を教えてほしいって言ったのだれだっけ?」と大野に対して言いたい放題。
香住が大野にアドバイスはしたものの、一方では、大野が失敗することを望んでいる自分に気づく。
大野がアタックしている女性・戸川美奈子(泉里香)に真剣に惹かれていくと、自分から離れていくのを恐れたからだ。
美奈子(泉里香)は、自分の父親の会社と取引関係にある青年実業家・宮本(小泉孝太郎)を結婚相手に勧められているが、いざ結婚となると、迷いが生じていた。
そこに現れたのが、予備校講師・大野というわけだが、大野は香住(清原果耶)のアドバイスに従って、戦略を練って接近するのだが・・・。
しかしその裏には、青年実業家・宮本に憧れる自分(香住)の恋敵を大野に押し付けるという計画があったのだ。
思うように物事が行かず香住(清原果耶)は、飲み屋でぐためく。酒を飲んでいないのに酔ったような勢いで騒ぐ香住をまわりの飲み客は話を聞いてなぐさめるのだが。
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”普通”や”常識”の危うさ。「バイト探しはインディード♪」のCMくらいしか知らなかった女優・泉里香を初めて映画で見た。なかなか雰囲気があっていい。取り立てて大きな事件が起こるわけでもないが、セリフ、会話のやりとりが面白い。
青年実業家・宮本(小泉孝太郎)は講演では参加者を納得させるスピーチは立て板に水。女性にはだらしがない男で、話を詳しく聞きたいという香住に、場所を変えてというのがラブホ。しかし、香住が高校生と知って、急いで表に出ることに。別々に出たはずだが、香住が待ち伏せをしていて二人で出てくると・・・。
まさかの場所で鉢合わせシーンには、ふたりの男は焦りだす(笑)。
三角関係・四角関係になるところだったが、「まともじゃない」から「まとも」になって、それぞれ落ち着くところへ落ち着いたといったラスト。気楽に楽しめる軽いタッチの映画で面白い。