映画「おかしなおかしなおかしな世界」(原題:It's a Mad, Mad, Mad, Mad World,1963)をまたまた見た。所見は1970年代はじめリバイバルでシネラマ大画面で見た。今回3回目。上映時間が長く3時間近い(161分)(途中でインターミッション「休憩」が入る)のが難点。2時間にコンパクトに編集して欲しい(笑)。
監督は「手錠のまゝの脱獄」「ニュールンベルグ裁判」など、どちらかといえば硬派なイメージのスタンレー・クレーマー。タイトル・デザインは「北北西に進路を取れ」「ウエストサイド物語」など多くの名作を手がけたソール・バス。
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南カルフォルニアのパームスプリングス近くの山岳地帯、国道74号線を1台の1957年型フォードフェアレーンが爆走していた。その車はハイウェイを走る数台の車を次々と追い抜きカーブでハンドルを切り損ねると崖に落下して大破。
それを目撃していた4台の車から5人の男が崖下に降りて事故車から投げ出されたドライバー(スペンサー・トレーシー、2役)を発見。息を引き取る前に男が言い残した言葉は「ロジタ公園に35万ドルが埋めてある。大きな”W”が目印だ」だった。
一方、ツナ缶詰工場から35万ドルを盗んだ強盗犯を15年間追い続けていたサンタ・ロジータ警察のT・G・カルペッパー刑事部長(スペンサー・トレイシー)は、前科があるグローガンを真犯人と睨み署の警官を動員し密かに尾行していた。
カルペッパーは事件が解決したら引退して年金暮らしをする事を夢見ていたのだが、グローガンが事故死をしたという報告を受けて落胆する。しかし、事故の目撃者が5人いたことを知り、5人に警官が聞き込みをするが、何も言っていなかったという。
目撃者一行は、路肩に車を止めると35万ドルの分配についての相談を始めるが、目撃者一行が車を止めて何か話し合っていると報告を受けたカルペッパーは、目撃者5人がグローガンから35万ドルの所在を聞いたのではと推理し、目撃者一行を秘かに尾行するように命じる。
クランプが提案した分配案は否定され、結局見つけたものの”早い者勝ち”ということになり、目的地に向けて4台の車による追いつ追われつの”宝探しレース”が始まった。
ラッセル・フィンチ: ミルトン・バール
メルヴィル・クランプ :シド・シーザー
マーカス夫人 :エセル・マーマン
ディン・ベル : ミッキー・ルーニー
シルヴェスター・マーカス : ディック・ショーン
オットー・マイヤー: フィル・シルヴァース
アルジャーノン・ホーソン : テリー・トーマス
レニー・パイク : ジョナサン・ウィンタース
モニカ・クランプ : エディ・アダムス
エメライン・フィンチ : ドロシー・プロヴァイン
警察署長 : ウィリアム・デマレスト
スマイラー・グローガン : ジミー・デュランテ
タクシー運転手 : ピーター・フォーク
車でカルペッパーの帽子を轢く男 : ジェリー・ルイス
消防士 : 三ばか大将
波止場の男 : バスター・キートン
■スタッフ
監督・製作: スタンリー・クレイマー
脚本:ウィリアム・ローズ、タニア・ローズ
撮影:アーネスト・ラズロ
音楽:アーネスト・ゴールド
主題歌:シュレルズ
タイトルデザイン:ソール・バス
ビルの外階段に取り残された欲まみれの男たちを消防車のクレーンのはしごで救おうとするが、はしごに乗った男たちが重すぎて、はしごが大揺れ。人物があちこちの吹っ飛ばされるシーンは、抱腹絶倒。
おしゃべりで口うるさいマーカス夫人を演じたエセル・マーマンが印象に残る。周りから、”くそばばあ”と言われると、怒り出す。息子とべったりで、この息子が、マザコンのバカ息子。母親がいじめられていると知ると、車を飛ばすが・・・。
贅沢に俳優を使っているが、その割には、おバカ・ドタバタ映画で、今見ると、ややイマイチ。カーチェイスは見所で「ブリット」(1968)「フレンチ・コネクション」(1971)が登場するまでは、カー・チェイスものではトップクラスの迫力がある。