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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「アズミ・ハルコは行方不明」(2017)蒼井優主演。

 
 
アズミ・ハルコは行方不明(2017)を見た。
 
ある地方都市在住の、27歳の独身OL安曇春子(蒼井優)が突然行方不明となり、同時期に発生した「キルロイ」と呼ばれる若者が描くグラフィティ・アートや、女子高生ギャングが男性を襲撃する事件などとの関連を軸にストーリーが展開される
 
 
 
久々に蒼井優が、殻をぶち破ったような、憂いを秘めた役どころでよかった。
 
高畑充希は、舞台で鍛えていているだけあって存在感がある。
 
独身OL安曇春子が突然姿を消した街を舞台に、彼女が消えるまでと消えた後の時間を交錯させながら、現代女子の生き様をスリリングに描くポップなエモーショナルあふれる青春映画。時間軸などをとらえてみないと、場面が錯綜しているのでややわかりにくい。
 
監督は「アフロ田中」(2012) 「男子高校生の日常(2013) 「自分の事ばかりで情けなくなるよ」(2013)などの松居大悟で、現在32歳だがすでに数本以上の劇映画を撮っている。
 
 
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安曇春子(蒼井優)は、地方都市にある家族経営の零細企業に勤める27歳のOLです。実家で、両親と祖母と住んでい
 
 
 
実家では祖母の介護のストレスがたまった母と折り合いが悪く、勤務先の会社では、社長(国広富之)から毎日セクハラ(「女は早く結婚しろ!」)などの暴言を浴びてうんざりする毎日。毎日の生活に嫌気がさしながらも、退職する訳にもいかず、鬱々としてい
 
 
 
ある時コンビニでバイトする幼馴染の曽我雄二(石崎ひゅーい)と再会し、淡い記憶を取り戻
 
 
 
ある日、仕事の帰り道に公園から出てくる女子高生軍団とすれ違が、なんとなく覗いてみると曽我雄二が怪我をして倒れていた。なんとその女子高生軍団は、曽我雄二を無差別襲撃していたのだ・・・
 
 
 
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春子と雄二は、その後いい関係になっていく
 
一方、安曇春子の勤務先は社長と専務ともう一人37歳の女性社員、吉澤ひろ子(山田真歩しかいないが、吉澤が不在の時は、社長と専務は吉澤の悪口ばかりを言う。そこでも差別用語やセクハラ発言ばかり。
 
実は、吉澤は、社長と専務があっというほどの切り札をもっていたのだ・・・。
春子は手取り13万円、吉澤は17万円の月給で、社長と専務は、それぞれ月給100万円ということで、不満を持つ。
 
 
 
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安曇春子のストーリーがレコードのA面とすると、一方B面ともいうべき別の話が進行。同じ街に住む元キャバクラ嬢の20歳の木南愛菜AINA高畑充希)は、成人式をきっかけに中学校の同級生の富樫ユキオ(太賀)と再会し、付き合いが始ま。富樫ユキオは、ふらと入ったレンタルビデオ店で、同じく中学校同級生の三橋学(葉山奨之)と再会。
 
 
 
2人は「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」というグラフィティ・アートの映画を見て、自分たちもアメリカの有名な作家の名前を取った「キルロイ」というチームを結成する
 
 
 
2人は、グラフィティ・アートを街に描き出すが、何とそれが行方不明になった「安曇春子」の尋ね人ポスターをモチーフにしたものだった
 
 
 
さらにもう一方では、女子高生ギャング軍団が、LINEで男性を呼び出しては襲い、金品を奪うという強盗事件が巷を騒がせていた。
 
 
 
木南愛菜は、ひょんなことから富樫ユキオに「ただのセックスフレンド」と思われていることを知り、落ち込
 
 
 
ある日、富樫ユキオと三橋学は、地元の女子高生との飲み会の待ち合わせにファミレスの駐車場にい(木南愛菜も浮気を疑って陰で様子を見)。
 
 
 
すると、突然、女子高生ギャング団が三橋学を襲い、殴る蹴るの暴行を働くと、富樫ユキオと木南愛菜は驚いて逃げ出し、いったんは「キルロイ」は解散。
 
 
 
しかし、三橋学は1人でグラフィティ・アートを続けていて、地元の芸術祭で出店することにな
 
 
 
準備中にまた富樫ユキオが合流し、芸術祭を機会にアーティストとしての成功を目論見が、結果的に芸術祭には客が全然訪れず、田舎の現実に直面した2人は今度こそ本当に「キルロイ」の活動を終了するのだった
 
 
 
木南愛菜は芸術祭のポスターから「キルロイ」の出展を知り、自分が誘われなかったことに怒。夜に芸術祭の会場に忍び込み、展示物を焼いたり壊したりする。さらに、酔っていたためその場で眠り込んでしま
 
 
 
朝起きると正気に戻った木南愛菜は、会場を抜け出しコンビニに向かうと、キャバクラでの先輩である今井えり(菊池亜希子)と、自分たちがモチーフとしていた安曇春子に出会
 
 
 
安曇春子は失踪後、杉崎ひとみの結婚式で再会した同級生の今井えりと一緒に暮らしていたの。3人と今井の一人娘は海へと向か
 
 
 
ラストでは、街の映画館に集まる女子高生ギャング団を警官が取り囲
女子高生ギャング団のリーダーが「指鉄砲」を撃つと、なんと前に立っていた警官は倒れてしま
 
 
 
こうして次々と指鉄砲で警官を倒していき、最後にギャング団のリーダーから安曇春子は「一緒に来る?」と誘われが、「もう女子高生ではない」と断り、映画は幕を閉じ
 
 
 
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地方では、女性が一定の年齢になって独身でいると、会社などでは、若い女性に会社に来てもらいたいと考える。37歳の女性事務員・吉澤が、社長と専務に「フランス人(アフリカ系ということはいわずに)と結婚することになった」と告げると社長と専務はグーの音も出ないほど驚くところが面白い。
 
27歳の春子も、社長から「結婚しないの?」など常々セクハラ、差別的言葉をを言われてきたが、あるとき社長がいつものように「彼氏できた?」と聞いてきたときに「できました」と答えると、社長も言葉がでなかった。
 
 
 
木南愛菜畑充希が、男たちに対しての復讐として「やられたからやり返したい」というと、安曇春子(蒼井優は、「(自身が)豊かな生活になることが復讐だ」という。高畑充希が、はじけた演技で印象的。一方、蒼井優も、くたびれたような表情や、横顔のまばたきの動きだけで表情を感じさせる演技もすごい。
 
 
 
蒼井優の主演映画としては「フラガール」「百万円の苦虫女」などがあるが、「アズミ・ハルコは行方不明」も代表作の一本といえそうだ。
 
 
 
 
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