「バレンタインデー」(2010)を見た。
クリスマスの定番映画「ラブ・アクチュアリー」のような悲喜交々の恋愛群像劇。バレンタインデーが近づいていることから「Gyao」でも配信している。
監督が「プリティ・ウーマン」のゲイリー・マーシャルということで、ジュリア・ロバーツも出ているが、往年の名女優シャーリー・マクレーン(「アパートの鍵貸します」「スイート・チャリティ」)、キャッシー・ベイツ(「ミザリー」「タイタニック」)、ブラッドリー・クーパー(「アメリカン・ハッスル」)、クイーン・ラティファ(「シカゴ」「Taxi NY」)、ジェシカ・アルバ(「シン・シティ」)、ジェイミー・フォックス(「レイ」「コラテラル」)、アシュトン・カッチャー(「ベガスの恋に勝つルール」)、アン・ハサウェイ(「レ・ミゼラブル」)などハリウッドを代表する俳優・女優が、ロマンチックなばかりではないバレンタインデーを過ごす男女15人が織りなす人間模様が描かれている。
残念なことに、それぞれのストーリーに深みがなく、やや雑な描き方だった。
豪華俳優がたくさん出ている割には十分に生かされていないので、もったいない。
バレンタインデーにウキウキする人達がいる一方で、縁がない人達もいる。
そんなバレンタインデー憎し、という人が集まって「バレンタインデー大嫌いパーティ」なるものも開催されていた。ここに参加した人たちは、恋人もおらず、家で独り寂しくというのもナンなので、参加して、”未練を燃やせ!”などと歌いまくるのである。
この映画での一番の驚きはアン・ハサウェイとクイーン・ラティファ。
アン・ハサウェイは、仕事は事務職OLなのだが、副業もしていた。
その副業というのが、なんとアダルト電話サービス、平たく言えばテレホン・セックスのお相手というわけ。昼でも夜でも、電話があり、身振り手振りで卑猥な言葉を連発していた。
オフィス内でそんな言葉を発していたところにたまたま通りかかった会社の上司ポーラ(クイーン・ラティファ)に別件で呼ばれる。ところで「今の電話は誰と?」「母です」と答えるアン。受話器が繋がったままだったので、受話器を急いで置くアン。
「お母さんと電話だったら、そんなにそっけなく置いちゃあダメじゃん。でも私と気が合いそう」とポーラ。アンが不在の時にも、”客”から電話が頻繁にあったようす。
ついにアンの副業を知ってしまうポーラ。
アンは「私、クビですか?」だが、ここでも「私と合いそう」とポーラ。
アンは「別に着ているものを脱がずに済み(クローズをオンにしたままで)、時給40ドルですから」と悪びれた様子もない。
しばらくして、ポーラが電話口で「ハイ、ポーラ(憂鬱のポーラ)と呼ばないで」とポーラが対応していた。あるとき、事務所からすさまじい形相のポーラの声が聞こえてきた。この表情は一瞬だったがインパクトが大きかった。
それは「アフリカン・クイーンのお仕置きはすごいのよ! 女王に膝まづいて!」
だった(笑)。
バレンタインデーは、元来269年にローマ皇帝の迫害下で殉教したと伝説の残る聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)は恋人のロマンスとは無関係の聖人と記念日だった。15世紀頃から急速に恋人達の聖人と記念日へと変貌。
この映画でも、バレンタインのセレモニーに「ジューイッシュ(ユダヤ人)ですけど」といってやってきた婦人がいたが「神は平等です」(笑)というのが主催者の返事。日本でも、キリスト教とは関係なく、商魂でクリスマス商戦、バレンタイン商戦が定着している。
小学校低学年の7~8歳の男の子供が、花屋で贈り物の配達を頼むのだが、配達の車が途中で事故を起こし、花は台無し。
バレンタインデーにはプレゼントを贈る習わしだが、高校生同士が文字通り悪戦苦闘の中、初キスにこぎつけるのだが、この映画のラストシーンの”ナレーション”のひとこと(※)は、ニヤリとさせるものだった。
(※)反転↓
「Let's get naked!(さあ裸になろう!)
☆☆☆(チョコレートのように甘い点数だが)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。