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<span itemprop="headline">ドラマ「贖罪」(第1話~最終5話)</span>

 

 
湊かなえ原作の「贖罪(しょくざい)」は、小泉今日子が凄すぎる!(笑)。
しかし、小泉今日子も真っ青になるほどの池脇千鶴がもっとすごい!
 
今年1月にWowow連続ドラマとして制作され、8月には一部の劇場で限定上映され、DVDも発売された。
 
5話が別々のストーリーになっているが、全体でも一つの話としてつながっている。
とにかく面白い。ある時は、ヒッチコックの「サイコ」のように怖く、主人公・麻子を演じる小泉今日子が、凄味を効かせている。にこにこした笑顔はない。相当な”悪女”の役柄である。
 
麻子は、自分の12歳の小学生の娘・エミリを何者かに殺されてしまう。
その現場には、仲良し4人の女子生徒もいた。犯人は一体・・・?
 
このドラマは、この4人の15年後の「つぐない」と、麻子自身の、隠された事実に対する「償い」が描かれている。その想像を絶する事実が最後に明かされる。
 
第1話「フランス人形」(蒼井優森山未来小泉今日子
第2話「PTA臨時総会(小池栄子小泉今日子
第3話「くまの兄妹」(安藤サクラ加瀬亮小泉今日子
第4話「とつきとおか」(池脇千鶴伊藤歩小泉今日子
最終話「償い」(香川照之小泉今日子
 
蒼井優小池栄子安藤サクラの3人は、自分なりの償いをして、麻子の許しを得ようとする。ところが、池脇千鶴はそうではなかった。
 

 
この池脇千鶴がこのドラマの中では、際立っている
病弱な姉を持つ由佳(池脇千鶴)は愛情に飢えていて、事件当日親切にしてくれた警官に好意を寄せる。
 
欲しいものをいつも姉に横取りされていると感じていた由佳は、姉の結婚相手が警察官だと知り義兄を誘惑する。男を震え上がらせるに十分だ(笑)。姉の男を誘惑して、身ごもってしまい、その姉夫婦の前で、男を見て「祝福してくれないの」というから怖い(笑)。姉から「誰の子」と聞かれても「関係ないでしょう」としらばっくれる池脇。
 
4人の少女の中で池脇だけが「贖罪」の呪縛から解放されている。
実際にはそのようにタカをくくっている状態。小泉が強いた「約束」の独善性を喝破し、逆に小泉を自らの「呪い」へ引き入れようとするほどの悪女ぶりだ。
 
池脇の姉を演じる伊藤歩がかなり怖い。
 
黒沢清監督のカメラワークもすごい。真骨頂といえるのは階段と窓を効果的に用いている。姉の自宅は階段を中心とした立体的な構造になっているが緊迫感のある3人の関係を盛り上げていた。
 
池脇は小泉に言い切る。
「エミリちゃんが殺されたのは、自分たちとは関係ない理由であり、自分たちは巻き添えを食った」ときっぱり。「復讐をしたいというのは、麻子さんの自分の都合。こちらにも都合がある」。
 
一歩も引かない池脇千鶴小泉今日子の対決が見所だった。
小泉今日子は凄味を増して、名女優の岩下志麻のような貫録さえ見せていた。
 
最終話に登場した香川照之は、「トウキョウソナタ」でも小泉今日子と夫婦役で共演していたが、このドラマでは、学生時代に関係を持っていたが、その後は紆余曲折があり、なんとエミリを殺したのは、○○だった! しかも・・・。
 
そして、香川照之小泉今日子にどうしても見せたいものがあるといったのは・・・。
 
 
超・おすすめのドラマだった。
 
 
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