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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「わたし出すわ」(2009)</span>


映画「わたし出すわ」予告編


 
間宮兄弟」「椿三十郎」(リメイク)などの森田芳光監督のわたし出すわ2009)は、”お金”がテーマだが、お金のない人がお金を持ったらどうなるかといったことをかつての同級生たちに気前よく、”わたしが(お金を)出すわ”といって、ポンと1,500万円もだしてしまうマヤ(摩耶)(小雪)の行動を通して描いていく。
 
映画は、二つの格言のような言葉が画面に映し出されて始まる。
 
「できるだけ儲けて、できるだけ貯めて、できるだけ与えなさい」
                              ジョン・ウェスレー

「富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、のどが渇いてくる。」
                      アルトゥル・ショーペンハウアー

ストーリー:
東京から故郷(函館)へと帰ってきた摩耶は、引っ越し業者の二人が仕事を終えると、お礼の気持ちといって、二人に封筒を渡す。若い社員二人は、中身を見て驚いてしまう。「1万円」くらいかと思ったら、なんと「10万円」づつ入っていたからだ。
 
引っ越し作業員は、こんな大金はもらえないと返そうとするが、マヤは、何かに役立ててと、そのまま受け取ってもらう。
 
偶然乗り込んだ路面電車で、運転士となっていた高校時代の同級生・保と再会する。彼が世界の路面電車巡りをする夢を今も抱き続けていると知った摩耶は、一方で)旅行資金の当てがないという彼に「そのお金、私が出してあげようか?」と持ちかけ、後日、本当に保の家に、ウン百万円という大金が段ボールで送られてくる。

 
やがて、摩耶は同じように同級生たちの夢や希望を叶えるため、次々と大金を差し出して行く・・・。そのお金はどうして手に入れたのか、何が目的なのか・・・謎は深まるが・・・。
 
マヤは、株(投資)の才能で大金を儲けたようで、過去にお世話になった同級生に恩返しをするべく、地元に戻り、彼らの夢や悩みを聞き、それを手助けし、惜しげもなく資金援助するのだった。
 
この映画のお金のテーマに答えはない。
有効に使う人、破滅する人、お金を持っていないときは、持っている人は、人助けに寄付すればいいというが、いざ大金を手に入れると、欲も出てくるもので、そういった現実も垣間見える。
 
マヤの同級生に、何をしているのかと聞かれたときに、「ウイルスソフトの会社から依頼されてウィルスを作っている」と答えるなど、一瞬「ドキ」?と思ったが、それは「ウソ」ということだった。
 
マヤの母親は病院で寝たきりで、マヤは、母の分も含めて一人しりとりを言うのが日課だったが、あるときに母親が、しりとりに応え、「ありがとう」といったのだった。マヤは、他人のためにお金を出してきたことが、自分に返ってきたような幸福感を感じたようだ。
 
わたし出すわ」というような気前のいい人は、まわりにいないかな♪(爆)。
(いつでも歓迎!?)

キャスト
山吹摩耶:小雪
魚住サキ:黒谷友香
道上保:井坂俊哉
川上孝:山中崇
保利満:小澤征悦
平場さくら:小池栄子
溝口雅也:仲村トオル
道上かえで:小山田サユリ
平場まさる:ピエール瀧
天草大二郎:袴田吉彦
場をわきまえない記者:北川景子
川上たみ:藤田弓子
神林多恵:加藤治子
摩耶の母:天光眞弓
クラブの住職:永島敏行

森田監督作品では、やや主題・言いたいことがいまひとつ明確ではなく、「間宮兄弟」のほうが面白かった。
 
★★