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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「マイスモールランド」(2022)を見る。在日クルド人問題を描く。

マイスモールランド」(2022)を見る。昨年3月の高崎映画祭で、この映画の主演で嵐莉奈が最優秀新人賞を受賞していた。気になっていた映画だったが、Netflixの配信で見ることができた。

国を持たないクルド人の外国(日本)での難民申請の認可の厳しさ、生活の厳しさ、差別など在日クルド人問題を描いている(※1)。難民問題について、考えさせられる映画だった。

監督はこれが初監督作となる川和田恵真。嵐莉奈がモデルでもあり、美貌と演技力がすばらしい。

・・・
<ストーリー>
サーリャ(嵐莉菜)は17歳の高校生。生まれた地を逃れて家族と共に来日し、幼い頃から日本で育ったクルド人である。母は数年前に亡くなり、今は父・マズルム(アラシ・カーフィザデー)、妹のアーリン(リリ・カーフィザデー)、弟のロビン(リオン・カーフィザデー)の四人暮らし。家庭ではクルド文化が強く、クルド人のコミュニティの中で生活していた。

そんなサーリャだったが、学校では普通の高校生として日本人の親友にも恵まれ、「日本人らしい」生活を送っていた。日本の小学校の先生になりたいという夢もある。

大学進学の資金を貯めるため、父に内緒でコンビニでバイトを始めるサーリャ。そこで同じ高校生の聡太(奥平大兼)と出会い,仲を深めていく二人。

しかしある日、サーリャの一家の「難民申請」が不認定となり、在留資格を失ってしまう。就労さえ禁じられたが、生きる為に働いた父は逮捕されて入管に収容された。アパートに子供だけで取り残されるサーリャたち。

不法就労でバイトをクビになり、聡太の親族から交際も止められるサーリャ。ビザが無いゆえに志望大学の推薦入学も断られ、家賃滞納でアパートからも退去通告を受けた。切羽詰まってデートのみの「パパ活」を試みるも、キスを迫られて逃げ出すサーリャだった…。

・・・
入管管理局に拘束され、どこにも居場所を失って帰国を決意する父マズルム。父との面会の場で、サーリャは訴える。「私たちの居場所は?勝手に連れてきたくせに、今度は勝手に置いていくの?」という言葉が厳しく切ない。

山中があとから説明するが「(マズルムから)しゃべるなと言われていたが、親が日本を出れば、残るサーリャたち子供にはビザが下りる可能性がある」ということで、父親が帰国の決断を下したことをサーリャは知ることになる。

朝…絶望の中に光を見出そうとするサーリャの強い眼差しで物語は終わったが、これからどのような人生を歩んでいくのか…。

・・・
何でもかんでも悪気はないにしても根掘り葉掘り聞く日本人は恥ずかしい。
コンビニのレジでバイト中にサーリャは、客の老女から「お人形さんみたいね。お国はどちら?いずれ帰るんでしょう」と軽い気持ちで聞かれるが「(クルド人ですと言っても理解してもらえないことは明らかなので)ドイツです」と応えることにしていた。

知り合いになった聡太からも、またその母からも「どこの国」と聞かれていた。
サーリャは聡汰に説明していたが、小学生の時に「ワールドカップがあって、応援しているのはドイツ」と応え、いつの間にかドイツ人と言われるようになり、なぜかそれが心地よいという。聡汰はさらに「本当はどこの国?」と聞いてきたので「クルド」と答えたが…。聡汰はクルドと聞いてもピンとこない。

映画では普段わからないようなクルド人の風習などを垣間見ることができた。結婚式には、親戚の人は皆、手のひらを赤く染めるという習わしがあり、サーリャの手も赤く染まっていた。トマトを食べ過ぎて赤くなったと笑っていたサーリャだが、「手を見ると自分がクルドだと思いだす」と語っていた。

聡汰は「オレも青とオレンジを見ると、おじさん(コンビニの嫌みな店長)を思い出すというと「それはちょっとやだね」「ちょっとじゃないよ。だいぶだよ」と川べりで笑いあっていたが…。

「在留許可」が下りず、ビザがないことで、大学への推薦もダメになるサーリャ。担任は「がんばろうな」と気休めのように安易にいうと「もうがんばってます」とサーリャ。「そうだな」と先生。

サーリャが教室を出ると「合格おめでとう」という先生の声と詩織の喜ぶ声。同級生のまなみは「詩織は、さっちゃん(サーリャの愛称)からノートを借りていたくせに」と励まし「遊ばなくちゃ」とサーリャをカラオケに誘う。

まなみはなんとおじさんと同伴する「パパ活」をやっていたのだ。まなみは「しーちゃん(詩織)には内緒で」と言い、サーリャにもパパ活を勧めるのだった。サーリャとおっさんのパパ活の場面もあるが省略。

申請に関しての役所の対応もロボットかと思うほど、人間味のない「お役所対応」の典型で、頼りにならない。

印象的なシーン:拘置所の面会所で父とサーリャが、楽しかった思い出として、ラーメンを食べた時があり、仕切りの窓を隔ててお互いにラーメンをすするシーン。父親はクルドのしきたりにのっとり「私たちの未来に光があるように」と祈っていた。

そして拘置所をあとにして、サーリャは、父親の言葉を反芻しながら歩くのだった。

<キャスト>
■チョーラク・サーリャ:嵐莉菜…17歳の高校生。まっすぐな性格で、しっかり者。小学校の先生を目指している。

■崎山聡太:奥平大兼…コンビニのバイトをしていて、サーリャの友だちになる。美術大を目指す。

■チョーラク・マズルム:アラシ・カーフィザデー…サーリャの父。クルドの自由のために声を上げたことで、祖国を追われ日本に逃れてきた難民。帰国すれば捕らえられることになる。クルドのしきたりに厳しい。

■チョーラク・アーリン:リリ・カーフィザデー…サーリャの妹。中学生。

■チョーラク・ロビン:リオン・カーフィザデー…サーリャの幼い弟。

■チョーラク・ファトマ…サーリャの母。すでに亡くなっており、故郷のオリーブの木のそばで眠っているとされる。
■小向悠子:韓英恵…ロビンの担任。
■太田武:藤井隆…コンビニの嫌みな店長。サーリャがバイトをしている。
■崎山のり子:池脇千鶴…聡太の母。岩手出身。聡太がクルド人と関わることを内心嫌っている。
■山中誠:平泉成…先生(弁護士)と呼ばれチョーラク一家のビザなど日本滞在をサポート。
■ロナヒ:サヘル・ローズクルド人で、サーリャの友人。
■原英夫:板橋駿谷…サーリャの担任。
■西森まなみ:新谷ゆづみ…サーリャの同級生。
■野原詩織:さくら…サーリャの同級生。
小倉一郎:サーリャ一家が住むアパートの大家。

監督・脚本:川和田恵真
製作:河野聡、小林栄太朗、澤田一、是枝裕和依田巽、松本智

(※1)東京に近く、元々外国人も多かった川口市や隣の蕨(わらび)市には、1990年ごろからトルコ国籍のクルド人が住むようになった。現在約3千人が暮らしているとされる。難民認定の申請を認められないまま、入管施設への収容を一時的に解かれた「仮放免」の人も少なくない。

川口市によると、以前からゴミ出しや夜間の騒音に関する住民からの相談はあった。クルド人が多く従事する解体業をめぐっては資材置き場の騒音や振動などの苦情もあり、2022年7月には、一定面積以上の資材置き場新設を許可制にする条例を施行した。

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映画「ラ・カリファ」(原題:La califfa、1970、イタリア/フランス)を見る。50年の時を経て日本初公開。

       

ラ・カリファ」(原題:La califfa、1970、イタリア/フランス)を見る。アルベルト・ベヴィラクア監督による社会派ドラマ。今回、”埋もれた”名作と言われながら未公開だった映画が、50数年の時を経て日本初公開

都内では新宿武蔵野館で「エンニオ・モリコーネ特集」として「死刑台のメロディ」と「ラ・カリファ」の2作品が特別上映された。一律1,600円(1本)。客層は往年のロミー・ファンか、シニア層が多かった。

ロミー・シュナイダーが最も美しく輝いていた時の作品で、パワフルで体当たり演技を見せているのが見どころ。体当たり演技というのは脱ぎっぷりがいいということ。敵対する工場長と凛々しいロミー・シュナイダー演じるストライキの女性リーダーの禁断の恋を描く。

 

音楽はエンニオ・モリコーネ。出演は「恋ひとすじに」「太陽が知っている」のロミー・シュナイダー、「バーバレラ」のウーゴ・トニャッツィ、「捜査網せばまる」のマリーナ・ベルティマッシモ・ファネッリ、ロベルト・ビサッコら。

<ストーリー>
北イタリアはエミリア州のパルマ労働争議の暴動で夫を殺されたイレーネ・コルシー二(ロミー・シュナイダー)は、”カリファ”の愛称を持つ魅惑の女闘士。殺害された夫の遺志を継いで闘争を続け、工場経営者ドベルド(ウーゴ・トニャッツィ)と何度も対立する。

しかし彼は他の資本家たちとは違う考えの持ち主であることがわかり、2人はやがて男と女として惹かれあっていく。ドベルドもイレーネに影響され、以前より労働者寄りの立場を強めていくが、それを快く思わない他の経営者の反感を買ってしまう。

そして互いの立場の違いを抱えながらもふたりは逢瀬を重ねるが、やがて悲劇が彼らを襲う…。

・・・
ロミー・シュナイダーが反発から同志そして愛情に移り変わりゆく様を、心憎いほどに好演している。血の海と化した広場に呆然と立ち尽くすロミーの衝撃の冒頭シーンが印象的。

ラストも今度は、工場経営者ドベルドが暴漢に殺され、壁に投げつけられて血が流れるシーンで終わる。労働者と雇用主である工場経営者との関係が鋭く描かれている。

 

ロミー・シュナイダーというと、悲劇のヒロインというイメージが強い。一方で、凛とし佇まいで気高くもあり、ワイルドで強靭な意志の持ち主を体現する。繊細な中にも崩れそうな脆さが潜む。妖艶な容姿と仕草は目に焼きつくほど。

ロミー・シュナイダー・ファンには見逃せない1本。

■「新宿武蔵野館」の歴史:
「武蔵野館」は新宿の商店街有志の尽力により1920年6月30日に発足。地上3階建て、座席数600席ほどの映画館としてスタート。まもなく創業104年を迎える老舗

1968年12月、武蔵野ビルを改装し、7階に500席(後に334席に減少)の映画館「新宿武蔵野館」として再オープン。

その後、2002年1月1日、7階の「新宿武蔵野館」を「新宿武蔵野館1」に、3階の「シネマ・カリテ1・2・3」を「新宿武蔵野館2・3・4」に改称。同時に3階ロビーなども改装。一部閉館などを経て、2012年1月、シアター1と2にデジタル上映設備、シアター3にブルーレイ上映設備を新設。

2016年1月30日から耐震性補強と改装のため、一時休館となり、同年11月5日、工事が終了しリニューアル・オープンし、現在の形になった。

 

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映画「死刑台のメロディ」(原題:Sacco e Vanzetti、1971)を再見(「エンニオ・モリコーネ特選」上映で)。

  

          右は先着順に配布されたポストカード

死刑台のメロディ」(原題:Sacco e Vanzetti、1971)を半世紀ぶりに劇場で再見(英語版)。特別料金一律1,600円(1本)。一日に劇場で2本見るのは、しばらくぶり。都内屈指のミニシアター「新宿武蔵野館」で19日から始まった「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」の1本。もう1本は、本邦初公開の「ラ・カリファ」(1970)。

 

1920年アメリカ合衆国マサチューセッツ州で実際にあったサッコ・ヴァンゼッティ事件を正面から描いた史実的社会派ドラマ。アメリカ史の汚点的冤罪事件として語られる事件をジュリアーノ・モンタルド監督が映画化。

イタリア移民のサッコとバンゼッティがいわれなき死刑を受けるまでを描いている。主題歌「勝利への讃歌」(エンニオ・モリコーネ作曲)を社会派の歌手であるジョーン・バエズが担当したことも話題となった。

監督はジュリアーノ・モンタルド、脚本はモンタルドとファブリツィオ・オノフリ、撮影はシルヴァーノ・イッポリティ、音楽は「わが青春のフロレンス」のエンニオ・モリコーネが各々担当。

テーマ曲の“サッコとバンゼッティのバラード”と“勝利の讃歌”を、ともにジョーン・バエズが歌っている。

出演は「仁義」のジャン・マリア・ヴォロンテ、「盗みのプロ部隊」のリカルド・クッチョーラ、「寒い国から帰ったスパイ」のシリル・キューサックロザンナフラテッロ(イタリアの映画賞「ナストロ・ダルジェント賞」新人賞受賞)、「姿なき殺人」のジェフリー・キーン、「ロミオとジュリエット」のミロ・オシーなど。

・・・
アメリカだけではなくヨーロッパの各地にまで抗議活動が広がったこの事件は、2人の死刑執行後の再調査の末、冤罪が確定した。

サッコとヴァンゼッティの解放を求める抗議者たちがアメリカ国内のみならず、イタリアやヨーロッパなど各地でデモを起こしていたことが伝わる当時の映像がスクリーンに投影されるシーンは圧巻。

それをサッコとヴァンゼッティの妻を含めた抗議者たちが涙目になりながらも食い入るように見つめるシーンも映し出される。

    裁判長の不当な発言に異を唱える表情のサッコとヴァンゼッティ

 

<ストーリー>
イタリア移民の労働問題が叫ばれていたアメリカ・ボストン。靴屋のサッコと魚行商人のヴァンゼッティは、赤狩りをまぬがれたが、密告者の通報で逮捕される。警察は彼らがイタリア人で護身用のピストルを持っていることを知ると逮捕するが、その理由は拳銃を携帯していたからではなく、製靴会社の現金強盗殺人犯としてだった。


二人はまったく身に覚えがないにも関わらず、次々と提示される証言や証拠は彼らが犯人である事を指し示していた。やがて裁判が開かれ二人には有罪の判決が下される…。

    銃を構えるしぐさをさせられるサッコとヴァンゼッティ(右)

実証見分では、銃を構える姿をさせられるが、その構えはぎこちなく、銃を撃ったこともないというヴァンゼッティの声は届かなかった。

・・・
1920年当時のアメリカの世相を反映している。イタリア移民への差別と、政治思想への取り締まりが過酷に描かれている。そして、身に覚えのない銀行強盗殺人という罪をかぶせられるのだった。

移民でアナーキストを自認しているヴァンゼッティとサッコは、はじめから有罪ありきの裁判に巻きこまれる。

ヴァンゼッティを演じるジャン・マリア・ヴォロンテが、死刑宣告を受けたあと、裁判官から「言いたいことはあるか」の後の熱のこもった訴えが胸を打つ。

証人たちを買収し、犯人をでっち上げた裁判および裁判長の名は忘れ去られても「サッコとヴァンゼッティの正義は永遠に語り継がれることになる」というものだった。

fpd.hatenablog.com


主な登場人物:
■バルトロメオ・ヴァンゼッティ:ジャン・マリア・ヴォロンテ…魚の行商人。
■ニコラ・サッコ:リカルド・クッチョーラ…靴屋の職人。
フレデリック・カッツマン:シリル・キューザック…判事。    
■モーア:ミロ・オーシャ    
■タイヤー:ジェフリー・キーン
■トンプソン:ウィリアム・プリンス     
■ローザ・サッコ:ロザンナフラテッロ …ニコラの娘。   

歌手のジョーン・バエズは、夫と共に徴兵反対運動をし、3年もの刑を受けていた活動家でもあり、そんな事件を描いた本作「死刑台のメロディ」に賛同。主題歌「勝利への讃歌」と挿入歌「サッコとヴァンゼッティのバラード」の2曲を歌っている。

モリコーネの美しいメロディとともに、ジョーン・バエズが手掛けた歌詞もすばらしい。

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映画「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」(原題:Bridesmaids、 2011)を見る。

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」(原題:Bridesmaids、 2011)を見る。第84回アカデミー賞脚本賞助演女優賞メリッサ・マッカーシーにノミネートされた。

セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)」に似た設定で、女性友だち同士の間で、一人の結婚により起こった嫉妬、軋轢と仲直りと主人公の恋模様を描いている。「セックス・アンド・ザ・シティ」を抜いて、興収累計1億6900万ドル突破の大ヒットを記録したガールズ・コメディ。

ブライズメイズ」とは、馴染みがないが「ブライド(花嫁)のメイド」(複数形)で「結婚式で花嫁をサポートする花嫁介添人」のこと。

欧米の多くの国々では、花嫁の親族や親しい友人が、ブライズメイドとして式に参加するのが一般的な慣習のようで、起源は中世にまで遡るとのこと。

当時のヨーロッパでは「結婚式が行われるとき、花嫁の幸せに嫉妬した悪魔が訪れて花嫁に危害を与える」と考えられていたことから、花嫁と似たような衣装を着て、悪魔を惑わせる狙いがあったらしい。

ブライズメイドの中でも、とくに花嫁との信頼関係が深い人物(姉妹や一番の親友など)は「メイド・オブ・オナー」と呼ばれ、ブライズメイドのリーダー格といった存在。友人の中でも親友の一番手というオナー(栄誉)ということになる。

欧米の結婚式では、このメイド・オブ・オナーがさまざまな役割を担い、式当日に花嫁のドレスの裾を整えたり、指輪の交換をする際にグローブを預かったりするのは、メイド・オブ・オナーの役目。結婚前の前祝いパーティーブライダルシャワー)の企画・実施もメイド・オブ・オナーが中心となって行うのだという。

<ストーリー>
仕事も恋も全く上手く行かない冴えない女性アニー(クリステン・ウィグ)は、幼なじみの親友リリアンマーヤ・ルドルフ)が結婚することを聞き、祝福したい気持ちとは別に複雑な思いを抱く。

それでも、リリアンから「メイド・オブ・オナー(花嫁介添人のリーダー)」を任されたアニーは、リリアンのために結婚式のプランを必死に考える。

ところが、リリアンの婚約者ダグ(ティム・ハイデッカー)の上司ペリーの妻でセレブな美女ヘレン(ローズ・バーン)がブライズメイド(花嫁介添人)に加わったと知ると、アニーは親友リリアンをヘレンに奪われたような嫉妬心から、ヘレンと無理に張り合うようになり、結果として数々の致命的な失敗を犯してしまうのだった…。

・・・
登場する女性たちがいずれも個性的で面白いが「メイド・オブ・オナー」の役をアニーから奪い、セレブ気取りのヘレンは、実は親の財力を背景に贅沢を尽くしたプランを提案して、アニーはカチンとくる。

アニーは鬱屈した思いを爆発させると、パーティをめちゃめちゃにして、リリアンと大げんかをしてしまう事態に…。

さらに、自分に想いを寄せてくれていた警察官ネイサン(クリス・オダウド)の優しい気持ちを素直に受け入れられないアニーは、彼を深く傷つけてしまうのだ。

仕事も住む家もなくした上、友情も恋もなくしたアニーを励ましたのは、リリアンの婚約者ダグの妹でブライズメイドの1人、メーガン(メリッサ・マッカーシー)だった。

リリアンの結婚式当日の朝、アニーは結婚式には出席しないつもりでいたが、そこに花嫁リリアンが行方をくらましたとヘレンがアニーを訪ねて来る。

アニーを無視するネイサンに何とか頼み込んでリリアンの行方を探してもらうと、リリアンは自分のアパートの部屋に戻っていただけだった。

久しぶりに再会したアニーとリリアンは互いの素直な気持ちを吐露し、仲直りをする。またこの件をきっかけにアニーとヘレンもようやく和解するに至る。

リリアンの結婚式は無事に終わる。新婚旅行に旅立つリリアンを見送ったアニーを迎えに来たのはネイサンだった。

ネイサンという警察官がまじめないいヤツで、アニーの乗る車の後部ライトの修理を何度も提案し、事故にならないようにアドバイスし、知り合いの修理屋を紹介する。「オレの名前を出せば負けてくれるはず」という。実際修理屋で、ネイサンにはお世話になっているから「タダでいい」だった(笑)。

「ようやく修理したようだね」とネイサン。私服のネイサンだったが、パトカーにアニーを後部座席に乗せると「助手席じゃないの?」と聞くアニーに対して「スピード違反、飲酒運転、運転中の携帯…見逃すわけないだろ」とサイレンを鳴らして式場を後にするのだった。

なかなか憎いラストだった。

アニーは、宝石店の店員だが、新婚カップルが来ると、今はラブラブでも、1年もすれば別れるよ、などと悪態をつくので怒った客は呆れかえって逃げていく。それが何度も繰り返される。こんな店員はあり得ないが。これには店長もクビを宣言するしかない。

<キャスト>
■アニー・ウォーカー:クリステン・ウィグ…宝石店店員。ケーキ屋を営んでいたが失敗し、恋人にも捨てられた薄幸の女性。

リリアン・ドノヴァン:マーヤ・ルドルフ…アニーの幼なじみの親友。父親がアフリカ系。

■ヘレン・ハリス:ローズ・バーンリリアンの婚約者の上司ペリーの妻。セレブ。

■メーガン:メリッサ・マッカーシーリリアンの婚約者の妹。

■リタ:ウェンディ・マクレンドン=コーヴィリリアンのいとこ。男の子3人の子持ち。欲求不満。

■ベッカ:エリー・ケンパーリリアンの同僚。新婚。

■ネイサン・ローズ巡査:クリス・オダウド…アニーに惹かれる。アイルランド系。

■ジル:マット・ルーカス…アニーが住むアパートの同居人。妹のブリンと共にアニーを悩ませる。
■ドン:マイケル・ヒッチコック…アニーが働く宝石店のオーナー。
■ブリン:レベル・ウィルソン…アニーが住むアパートのルームメイトの妹。イギリスから観光ビザで兄の家に滞在している。
■ダグ:ティム・ハイデッカーリリアンの婚約者。メーガンの兄。

■アニーの母:ジル・クレイバーグ…絵を描くのが趣味。アルコール依存症でもないのに禁酒会に通う。
■テッド:ジョン・ハム…アニーと身体の関係だけの相手。本人だけは相性が良いと思っている。
■ブート・キャンプ・インストラクター:テリー・クルーズ
■ジョン:ベン・ファルコーン…航空警察官。メーガンに言い寄られる。

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映画「ミステリと言う勿れ」(2023)を見る。”犬神家の一族”似の新感覚ミステリー。

映画「ミステリと言う勿れ」(2023)は田村由美の同名漫画を基に2022年にTVドラマ化された同名タイトル作品の劇場版。観客動員300万人突破、興収41.2億円は実写映画としては成功しているようなのでNetflixで見た。

新感覚ミステリーとしては面白かった(途中睡魔に襲われるところもあったが「つまらんと言う勿れ」か。笑)。

天然パーマがトレードマークで独自の価値観と持論で謎を解く大学生が、遺産相続騒動に巻き込まれる様を描く。監督はドラマシリーズを手がけた松山博昭

主演はドラマ版に続き菅田将暉が務め、共演は松下洸平、町田啓太、原菜乃華柴咲コウ滝藤賢一萩原利久など。

ドラマは見ていないが、映画版は「広島編」ということなのでシリーズとして続きそうで、菅田将暉が、金田一耕助シリーズのような当たり役となりそう。

この映画の主人公の一人、汐路(しおじ)役を熱望していたという原菜乃華が大役を堂々と演じている。豪華俳優が多数登場するが、出番は少ないが松嶋菜々子は存在感がある。登場人物の名前が風変わりで覚えにくい(笑)。

・・・
乗用車がガードレールを踏み外して、車が崖に落下し大破して黒煙が巻き起こる。乗っていたのは運転をしていた狩集弥(かりあつまり・わたる、滝藤賢一)など4人。

(そしてタイトル)天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(くのう・ととのう、菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで、犬堂我路(いぬどう・がろ、永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(かりあつまり・しおじ、原菜乃華)と出会う。

「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。

それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助(かりあつまり・りきのすけ、町田啓太)、波々壁新音(ははかべ・ねお、萩原利久)、赤峰ゆら(柴咲コウ)の4人の相続候補者たち。

狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴(くるまざか・あさとも、松下洸平)は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にすべく、謎を解いていく。

ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…。

・・・
骨肉を争うような遺産相続ではないが、相続をめぐる謎解きなどがあり「犬神家の一族」のようなストーリー。「女系家族」のようなドロドロした醜い争いがあったほうが面白い気もする。顧問弁護士らの悪だくみが暴かれて警察に逮捕はされたが…。

エンドロールが流れた後、警察署のシーンがあり、続編があることをにおわせている。

<キャスト>
菅田将暉:久能整(くのう・ととのう)…天然パーマがトレードマークで友達も彼女もいない、カレーをこよなく愛する大学生。膨大な知識と独自の価値観による持論を淡々と述べる。


柴咲コウ:赤峰ゆら…相続人の一人。汐路たちのいとこで勝気な性格。専業主婦で幸という娘がいる。
町田啓太:狩集理紀之助(かりあつまり・りきのすけ)…汐路、ゆらのいとこで同じく狩集家の遺産相続候補者の1人。インテリな見た目の臨床検査技師

原菜乃華(はら・なのか):狩集汐路(かりあつまり・しおじ)…遺産相続問題に整(ととのう)を巻き込んでいく活発な女子高生。

鈴木保奈美:狩集ななえ(かりあつまり・ななえ)…汐路の母親。

石橋蓮司:狩集幸長(かりあつまり・ゆきなが)…汐路たちの祖父、故人=遺影写真のみ)
滝藤賢一:狩集弥(かりあつまり・わたる)…幸長の二男。8年前に自動車事故死。
萩原利久:波々壁新音(ははかべ・ねお)…汐路、ゆら、理紀之助のいとこで同じく狩集家の遺産相続候補者の1人。社会人でヤンチャな性格だが根は真面目。

松坂慶子:鯉沼毬子(こいぬま・まりこ)…汐路たちの亡くなった祖父・幸長の従妹。
野間口徹:赤峰一平…ゆらの夫。
角野卓造:真壁軍司(まかべ・ぐんじ、狩集家の顧問税理士。
段田安則:車坂義家(くるまざか・よしいえ)…狩集家の顧問弁護士。
松下洸平:車坂朝晴(くるまざか・あさとも)…狩集家お付きの弁護士の孫。車坂家は代々弁護士として狩集家に仕えており、自分も弁護士になるために勉強している。汐路の初恋の相手で、兄のように汐路を気遣いサポートする。
でんでん:志波一巳(しば・かずみ)…広島県警の刑事。
木場勝己:宮島焼の陶器店主
伊藤沙莉:風呂光聖子(ふろみつ・せいこ)…大隣警察署一係で唯一の女性巡査。

尾上松也:池本優人(いけもと・ゆうと)…大隣署巡査。署内のムードメーカー的存在でお調子者。

筒井道隆:青砥成昭(あおと・なりあき)…大隣署警部。冷静沈着で部下からの信頼も厚い。
永山瑛太:犬堂我路(いぬどう・がろ)…整が知り合った金髪の謎めいた青年。大隣署が追う容疑者。

春風亭昇太:劇団主宰者
松嶋菜々子:  

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【4月15日:ジャッキー・ロビンソン・デー】映画「42~世界を変えた男~」(2013)再掲載。

映画「42~世界を変えた男~」(原題:42 Jackie Robinson story、2013)は10年前の2013年10月に劇場公開前に試写会で見た。 ”ベースボール関連”映画の中では近年まれにみる「金字塔」的作品が現れたと感じた。

昨日16日(米国時間15日)はドジャース大谷翔平をはじめ各球団の全選手が背番号“42”のユニフォームを身につける“ジャッキー・ロビンソン・デー”だったので、掲載記事を一部加筆して再掲載。

この映画は、世界で始めて黒人メジャーリーガーになったジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と、球団のジェネラル・マネージャー(GM)、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)の二人が主人公だが、人種差別の激しい時代のなかで、孤独な戦いに身を投じたロビンソンと彼を支えるリッキーの姿を感動的に描いている。

・・・
GMのリッキーが、多くの野球ファンの反感、反発を押し切ってまで、黒人選手の獲得を強行したのはなぜか?人種差別、不平等を無くすための人道主義?。黒人の野球ファンを増やして、金儲けをするため?

ロビンソン選手が「なぜ私を・・・?」
GMのリッキーが答える「それは・・・」
ラストシーンで真実が明かされる。それは感動的なものだった。

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アメリカで野球がメジャーリーグ・ベースボールとして1876年にスタートして以来、野球は白人のスポーツとされ、それは伝統的に「慣習」であり、1946年の400人の選手枠は、400人とも白人だった。

それが、1947年に、白人399人となり、観客もマスコミも騒然となり、ロビンソンは、行く先々で、罵声を浴び、トイレなど「白人専用」のカベにぶち当たるが・・・。

リッキーがロビンソンに、ドジャースに入る条件を二つ挙げ「守れるか?」と念を押す。それは、ロビンソンの性格、これまでの行動からは到底不可能に思われたが、それを実行するロビンソンの苦悩と勇気に感動する。

 

「42」が示すもの。
1997年にはロビンソンの背番号“42”が全球団で初の共通の永久欠番になり、彼がドジャースで初出場した4月15日には各球団の全選手が背番号“42”のユニフォームを身につける“ジャッキー・ロビンソン・デー”に制定された。

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ハリソン・フォードが、これまでのイメージとがらりと異なり、別人かと思うほどの熱演だった。

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「42~世界を変えた男~」は、1947年、ブルックリン・ドジャースロサンゼルス・ドジャースの前身)のゼネラルマネージャー・ブランチ・リッキーは、ニグロリーグでプレーしていたアフリカ系アメリカ人ジャッキー・ロビンソンをチームに迎え入れる。

当時はまだ黒人差別が激しく、メジャーリーグも白人だけのものだった事から、彼の入団は球団内外に大きな波紋を巻き起こす。
 

案の定、ロビンソンは他球団はもとより、味方であるはずのチームメイトやファンからも差別を受けてしまい、孤独な闘いを強いられる(HPより)。

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この映画の見所はたくさんあるが、ロビンソンが塁に出て、ピッチャーをかく乱し、盗塁をするシーンは、”度肝を抜く”迫力だ。

ロビンソンがバッター・ボックスに立った時に、相手チームの監督の差別の暴言は、軍隊映画の某軍曹に匹敵するくらいの強烈パンチだ。これには、ドジャースのチーム・メイトも黙ってはいられない。

信念と勇気を持った男の物語に、さまざまな味付けがある。実話をベースにしており、映画に登場した人物のその後が最後に紹介される。

ロビンソンは、野球を通じて、黒人社会の英雄的な存在になるが、列車で街を去る時に、見送っていた黒人の見知らぬ子供にボールを投げ与えると、その喜びの子供の表情が・・・。

その子供は、のちにメジャー・リーガーになった…などのテロップが入る。リッキーもロビンソンも、のちに野球殿堂入りとなっている。

野球、ベースボール・ファンでなくても映画の持つ力を感じさせる、2013年の代表する1本と言えそうだ。

 

2023年12月、140年の伝統あるドジャース球団に、日本人としては野茂英雄から数えて10番目となる大谷翔平選手が入団した。昨日(2024年4月16日、4月15日米国時間)、大谷選手も含む全員が「42」の背番号をつけていた。

 

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映画「天国と地獄」(黒澤明監督、1963)がアメリカでリメイク。スパイク・リー監督 x デンゼル・ワシントン。

 

“世界のクロサワ”こと黒澤明監督による1964年公開のサスペンス映画「天国と地獄」(1963)がアメリカでリメイクされる。

スパイク・リー監督が「天国と地獄」を新たに解釈し直して、新作映画「ハイ・アンド・ロー(原題)」の撮影に挑む。

天国と地獄」がアメリカで公開された時には「High and Low」のタイトルで公開された。 

 

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「ハイ・アンド・ロー」で主役を演じるのは、黒人解放運動家のマルコムXを描いた「マルコムX」など、スパイク・リー監督とは5度目のタッグを組むことになるデンゼルワシントン。共演にはアカデミー賞主演男優にノミネートされたこともあるジェフリーライトなど。

制作はことし3月からスタート。米国では、2024年内には公開予定。日本公開時期などは未定だが、アップル社が出資していることから、劇場公開後の早い時期にApple TV+でも配信が開始されるとみられる。

オリジナル版「天国と地獄」は、エド・マクベインの小説「キングの身代金」を原作とした誘拐犯との対決を描いた犯罪サスペンス映画。

ストーリーは、三船敏郎演じる実業家の権藤がある日「息子を誘拐した」という電話を受け取るところから始まる。しかし、実際には誘拐されたのは運転手の子どもだった。

権藤は社内政治の工作などの事情もあり身代金の支払いを拒否しようとするが、最終的には応じることにする。

その後、身代金の受け渡し、事件の真相や犯人の追跡、そして犯人がなぜ権藤の息子を誘拐しようとしたのか、といった謎が明かされていくというもの。

「天国と地獄」では身代金の受け渡しのシーンが有名。「特急車両の窓からお金の入ったカバンを投げ落とす」という強烈なシーンは現在でも語り継がれている。

 

基本は誘拐サスペンス映画だが、細部まで丁寧に描かれ緻密なストーリーとなっているこの作品は黒澤明監督の現代劇の中でも上質な心理劇と言われている。

スパイク・リーといえば、アフリカ系アメリカ人が直面する偏見や差別をリアルかつ刺激的に描き、ジャーナリズム性と作中におけるドラマのエンターテインメント性を見事に捉える映画監督。

今回主演するデンゼル・ワシントンとも幾度もタッグを組んでいて、黒人解放運動家のマルコムXを描いた「マルコムX」はスパイク・リー作品の代表作の1本。2006年にはこのタッグで強盗サスペンス映画「インサイド・マン」も公開された。

ハイ・アンド・ロー」では、裕福でありながら問題を抱える実業家というキャラクターを名優デンゼル・ワシントンがどのように演じるのか気になるところ。

注目のスタジオA24が製作とアメリカでの配給を担当、Appleが共同で出資し、世界配給を手掛ける。

これまでのリー監督とデンゼル・ワシントンのコンビの映画は「モ'・ベター・ブルース」「マルコムX」「ラストゲーム」「インサイド・マン

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