「荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜」(原題:A Million Ways to Die in the West、2014)を見る。1870年代頃の西部劇コメディ。気楽に見るには面白い。監督は、セス・マクファーレンで、制作・脚本・主演を務めた。ポスターのシャーリーズ・セロンの「ムダにいい女」というのがズバリで笑わせる。
共演は、シャーリーズ・セロン、リーアム・二―スン、アマンダ・セイフライド、二―ル・パトリック・ハリス、ジョヴァンニ・リビシ、サラ・シルバーマン。
「テッド」(2012)の監督というのをを知らずに見たが、下ネタ、差別用語なども多く、おふざけ、満載に納得。
リーアム・二―スンが極悪ガンマンを演じているが、あらまぁのシーンもある。シャーリーズ・セロンのガンさばきが見ごたえがある。アマンダ・セイフライドは、大きく見開いた目が”ギョロ目”として、自虐的に扱われている。
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1870年代の西部開拓時代のアリゾナ州。そこでは日夜、男たちが命を奪いあう恐ろしい場所だった。人が死んで倒れていても2,3日放置されるなどは日常。だが、そこに暮らす羊飼いのアルバート(セス・マクファーレン)は、荒んだ時代とは対照的に内気で貧弱なダメ男だった。
アルバートには、ルイーゼ(アマンダ・セイフライド)という彼女がいたが、ルイーゼから一方的に別れを宣言されるのだった。ルイーゼは、すぐに髭のある金持ち男とくっついていた。
ある日、酒場での乱闘に巻き込まれたアルバートは、美しい女ガンマンのアナ(シャーリーズ・セロン)と出会い、二人は恋に落ちる。
アナは、アルバートと親しくすることで、ルイーゼに嫉妬心を起こさせ、ルイーゼが戻ってくるかもしれないというのだが。
実はアナにはクリンチ(リーアム・ニーソン)という夫がおり、クリンチは西部に悪名をとどろかす極悪非道なガンマンだった。アナを追って町に現れたクリンチは、自分がいない間に妻とキスした男を探し出し殺害すると予告する。絶体絶命のアルバートは、アナを逃がし、自分も町を逃げ出そうとするのだった。
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タイトルからして、原題とはかけ離れて、ふざけている。「男はつらいよ」+「ロシアより愛を込めて」。
遊園地などでよくある「射的」小屋。普通は、銃の的は、小さな小物だが、こでは、的が動く。アルバートがルイーゼを奪ったひげ男と射的対決をするが、アルバートが負ける。
それならと、賭け金を1セントでなく1ドルに上げてアナが対抗するという。
アナは、射的の的の動きを最高スピードにしてくれという。二丁拳銃で10個の的を一つも外さずに撃ち当て、大金1ドルを手にする。
アナとルイーゼの女の戦いは、舌戦。
アルバートがいかにいい人間でまっとうかということが「ギョロ目の割に見えていないのね」と皮肉をいうアナ。
その後、表に出てもいい争いが続く。
こうなると、もう漫画の世界(笑)。
アマンダ・セイフライドは「マンマ・ミーア!」(2008)で初めて見た時には、特別美人というわけではなく、個性的な印象だったが「MANK/マンク」では、1930年代後半の女優然としたルックスで熱演しているのが印象的だ。
婚約者の女性に、酒場で売春をさせる男というのも・・・。
アルバートが納屋を覗くと、そこには「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(BTTF)の博士ドクとデロリアンがあった(意味不明。笑)。
当時の西部では、口ひげは男の威厳を示し、モテたという。アルバートもひげを伸ばそうとするが、恋敵のひげ男から羊飼いの身分では無理だとバカにされ、ヒゲなし。
リーアム・二―スンもシャーリーズ・セロンも大きな動きはないものの、体を張ったアクション映画に舵を切っているような印象。
★★