

映画「キングダム 魂の決戦」(2026)を見る(MOVIXさいたま、スクリーン9)。「キングダム」実写映画シリーズの第5弾となる。今回、原作でも最大級の「秦 vs 合従軍」の国家総力戦が描かれている。
これまでのシリーズの流れは、①信と嬴政(えいせい)の出会い②信が秦軍に入り、戦場で成長③王騎との出会いと大戦④王騎最後の戦い⑤合従軍による「秦国滅亡」の危機…となる。
こうした大まかな流れと、秦軍とそれ以外の楚・魏・韓・趙・燕・斉(のち離脱)の6国が結成した「合従軍」との戦いの構図がベースにあることを理解しておかないとわかりにくくなる。
秦軍の約20万人に対して、合従軍は約50万人と圧倒的な差があるが、秦には「函谷関」という巨大な切り札があった。
映画に登場した函谷関の城塞の壮大なこと。
「20万 vs 50万」という数字上の戦いではなく「少数の秦軍が、天下最強クラスの巨大な城塞・函谷関(かんこくかん)を利用して、2.5倍の大軍を食い止める戦い」ということになる。
函谷関の戦いは、趙の李牧が中心となり、楚・魏・韓・趙・燕・斉(のち離脱)の6国が結成した「合従軍」が秦を滅ぼすために攻め込んできた、作中最大規模の国家存亡をかけた大決戦だった。

「秦20万 vs 合従軍50万」を、楚・趙・魏・燕・韓ごとの兵力に分けた巨大な勢力図を作ると以下のようになる。

登場人物の名前を覚えるのは至難の業。漫画が原作なので漫画チックなキャラクターでインパクトがある役も多い。

秦による大虐殺の生き埋め地獄図が凄まじい。両腕を後ろに縛られ、大きな穴に放り投げられて、土を掛けられ生き埋めにされる。
そこから生き延びた万極(山田裕貴)の秦の一人残らず殺すという執念のすさまじさ。その万極も最後には殺される。
合従軍の楚軍の第二軍を率いる女将軍が最後に登場(わずか数秒)。媧燐(かりん、三吉彩花)だ。人工のバストのような谷間を見せ、まるで叶姉妹(笑)。
三吉彩花は「ダンスウィズミー」がすばらしかったが、そのほかの映画ではもったいない使い方。
ラストで、麃公(ひょうこう、豊川悦司)が「突撃だぁ~!」でエンディング。今作が次回作の「予告編」のような幕切れだった。
映画はスケールが桁違い。
中国での大規模ロケや多数のエキストラ、豪華キャストを起用しているため、シリーズを通して日本映画としては破格の巨額予算が投じられ、製作費も50,60億円規模という。
回収が心配だが、公開35日間で約59.3億円を記録。シリーズ5作連続で50億円の大台を突破する快挙を達成。
制作コストの回収はもちろん、次回作以降へも繋がる十分な成功を収めており最終的に100億円を超える可能性があるという。
函谷関や城塞、宮殿などの壮大な大規模シーンは、中国・浙江省寧波市(せっこうしょう でんぽうし)にある巨大な映画村・オープンセットである象山影視城(象山映画城)で撮影された。中国を代表する歴史ドラマ・映画の撮影所(テーマパーク)という。
一部の宮殿シーンなどは、同じく中国の巨大撮影所である横店影視城(横店影視城の秦王宮など)でも撮影された。

<主な登場人物>
<秦国>
■信(しん):山﨑賢人…亡き親友と交わした約束を胸に、天下の大将軍を目指す、飛信隊隊長の千人将。
■嬴政(えいせい):吉沢亮 …中華統一を目指す若き秦王。
■河了貂(かりょうてん):橋本環奈…信と嬴政を支える仲間であり、飛信隊に欠かせない存在へと成長した軍師。
■羌瘣(きょうかい):清野菜名…伝説の刺客一族の出身で、強力な剣術で信たちと共闘する。
■蒙恬(もうてん):志尊淳…信と競い合う同世代のライバルであり、楽華隊隊長で知略に優れた若き将。
■王賁(おうほん):神尾楓珠…信と競い合う同世代のライバルであり玉鳳隊を率いる実力主義のプライドが高い若き将。
■麃公(ひょうこう):豊川悦司…かつての六大将軍にも比肩する実力を持ち、戦いの匂いを本能で嗅ぎ取る秦国の猛将。
■桓騎(かんき):坂口憲二…元野盗という異色の経歴を持つ秦国将軍。
■騰(とう):要潤…前大将軍・王騎を副官として長年支え続け、王騎の亡き後は自らも秦国の将軍として国を守る。
■蒙武(もうぶ):平山祐介…圧倒的武力をもって敵を撃破する猛将と呼ばれる秦国将軍。
■王翦(おうせん):谷田歩…王騎と同じ王一族の本家当主であり、謎に包まれた秦国将軍。
■蒙驁(もうごう):坂東彌十郎…「白老」の愛称でその名を知られる秦国大将軍。蒙武の父。
■張唐(ちょうとう):橋本さとし…50年以上にわたり戦場に立つ、最古参の秦国将軍。
■蔡沢(さいたく):笹野高史…秦国に長く仕え、外交を司る外交官。
■昌平君(しょうへいくん):玉木宏…秦国を軍事と政治の両面で支える、最強の頭脳を持つ、秦国軍総司令。
■呂不韋(りょふい):佐藤浩市…一代で巨万の富を築いた元商人で、秦国の実質的な権力を握る相国(しょうこく:官僚)。
■向(こう):蒔田彩珠…秦国王・嬴政(えいせい)を支える宮女。
■陽(よう):山下美月…向と仲の良い宮女。
<合従軍・敵方>
■李牧(りぼく):小栗旬…最強の知将にして、今回合従軍を統率し秦国を攻める趙国宰相。
■万極:山田裕貴…かつて秦国が起こした大虐殺の生き残りで、秦国に凄まじい恨みを持つ趙国将軍。
■春申君(しゅんしんくん):斎藤工…冷静沈着で確かな統率力を兼ね備える、楚国宰相にして軍総司令、そして合従軍総大将。
■媧燐(かりん):三吉彩花…圧倒的な存在感を放つ楚軍の第二軍を率いる女将軍。性格に問題あり。
■汗明(かんめい):勝矢…“楚の巨人”の異名をもち、圧巻の体躯と規格外の怪力で戦場を蹂躙する楚国大将軍。
■呉鳳明(ごほうめい):田中圭…呉慶を父にもつ、知略派の若き魏国大将軍。
■成恢(せいかい):渋谷謙人…自らの肉体をも犠牲にして得たある武器を用いて、異質な戦いを仕掛ける韓国大将軍。
■オルド:宍戸開…北の山間民族を統べる燕国大将軍。
■臨武君(りんぶくん):一ノ瀬ワタル…圧倒的武力で敵陣を突破し最前線で猛威を振るう楚国将軍。
■慶舎(けいしゃ):中村蒼…直感と鋭い観察眼を併せ持ち、李牧から厚い信頼を得ている趙軍副将。
■項翼(こうよく):結木滉星(ゆうき こうせい)…一騎打ちの強さを誇り、将来を期待される楚国千人将。
■白麗(はくれい):三山凌輝…最年少の中華十弓の弓使いである楚国千人将。
■カイネ:佐久間由衣…李牧の側近で、男勝りな剣術を持つ女性剣士。

そういえば、この函谷関は明治時代に作られた日本の唱歌・童謡の「箱根八里」の歌詞にも冒頭に出てくる。

「♪箱根の山は 天下の険 函谷関も 物ならず~♪」。子供のころは函谷関の意味も分からず歌っていたが…笑。
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