
映画「罪人たち」(原題:Sinners、2025)を見る。故郷のミシシッピ州の田舎町に戻ってきた双子の兄弟が、一獲千金を夢見て黒人向けダンスホールを開店するという吸血鬼ホラー・ミュージカル大作。
ことしの第98回アカデミー賞で史上最多の16部門ノミネートを果たしたことは記憶に新しい。作品賞は大本命だった「ワン・バトル・アフター・アナザー」に持っていかれたが、主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)、脚本賞、撮影賞(女性としては初)、作曲賞の四冠を達成。監督は「フルートベール駅で」「ブラック・パンサー」シリーズのライアン・クーグラー。
血しぶきが飛び散るシーンもあるので要注意。KKK、アイルランド、バンパイアなどが登場し、関係性や背景などがややわかりにくいので好みが分かれそう。
ブルースの音楽とミュージカル風ダンスパフォーマンスがすばらしく、登場人物を追いかける流麗なカメラワークはすばらしい。うーん、Cool!





<ストーリー>
舞台は1930年代の信仰深いアメリカ南部ミシシッピ州のクラークスデイルという田舎町。
札付きのワルとして有名だった双子の兄弟スモークとスタック(マイケル・B・ジョーダンが1人2役)は町を出ていたが、シカゴで大金を手にして舞い戻ってきた。
双子はアルカポネの下で働いていたと噂されていた。
スモークとスタックは大金を元手に白人の地主から土地と建物を一軒まるごと買い取り、当時まだ禁酒法により禁止されていたアルコールを振る舞い、歌って踊れるダンスホール「ジューク・ジョイント」をオープンする計画を実行する。
しかし当時のこの地域はKKK(クー・クラックス・クラン=白人至上主義結社)などの白人至上主義が根強く残っていたため、決して簡単な計画ではなかった。
トイレなども白人と黒人で完全に区別されていた時代だった。ダンスホールの客は黒人ばかりで、農園で働く黒人たちはドルを持っていなかった。
スモークとスタックはギタリストである従兄弟のサミー(マイルズ・ケイトン)に声をかけ、ダンスホールで演奏するように頼んだ。
サミーは牧師の息子(Priest son)で天才的なギターの腕前を持っていた。さらにギターだけでなくボーカルとしても人を惹きつける才能を持ってた。
もともと有名なワルだったものの人望の厚いスモークとスタックは昔の知人たちに声をかけ、多くの人間がダンスホールを手伝うことになった。
オープンに向けて楽しいひと時が流れていた。
とはいえ自分たちに対してナメた態度を取る人間には滅法厳しく、トラックから荷物を盗もうとした輩たちの足をなんの躊躇なく撃ち抜いてしまうのだった。
昔馴染みの雑貨屋の夫婦も手伝ってくれることになり、いよいよダンスホールはオープンの夜を迎えた。
ダンスホールには顔なじみのメンバーが大勢集まり、農園の労働で疲れきった体をブルースとアルコールで癒やしていた。
音楽が鳴り響き笑顔が溢れ、間違いなく幸せな時間が流れていて、そんな空間にはラブロマンスも生まれもしていた。
しかしお金を持っていない者も多く、ドルではなく農園でしか使えない通貨でアルコール代が支払われることに対して、双子は意見が対立してしまう。
それでもオープンしたばかりの店内には幸せな空気で溢れていて、それぞれが思いのままに限られた時間を楽しみ、このまま平和に朝を迎えるのだろうと誰もが思っていた。
しかしその当たり前は3人の珍客によって簡単に崩れ去った。
楽器を持った白人3人が突然ダンスホールに現れ、自分たちも中に入れてほしいと頼んできたのだ。
不穏な空気を感じたため入店を断ると、3人は建物のすぐ近くに居座って楽器を演奏し始めた。
ダンスホールを経営していくために現金が必要だったことから、考え直して3人に声を掛けに行ったのが悲劇の始まりだった。
楽器を持った白人3人の正体はアイルランド出身の「○○○」だったのだ。
■「○○○」=吸血鬼
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