
ドラマ「九条の大罪」の第5話・第6話を見る。九条の元同級生の女性・亀岡(香椎由宇)が人権弁護士となって登場する。
このドラマの主人公の九条を演じる柳楽優弥の落ち着いた語り口のトーク、キャラ設定が地味にいい。バディを組む烏丸の疑問にも直接答えず、さらりとかわして余計なことは口にしない。
菅原(後藤剛範)のように、いかにも悪党ですという面構えはわかりやすいが、全身刺青だらけの表向きは自動車整備会社の社長・壬生(町田啓太)が冷静な中に残虐性が隠れて凄みがある。
第5話は介護ビジネスで富裕層老人を食い物にするヤクザ、第6話は、AV業界の裏側などを新宿歌舞伎町の地雷系女子などの生態とともに描いている。
<第5話「家族の距離②」>
遺産4億円を巡る相続問題に決着がつき、九条と山城の関係にもひとつの区切りが訪れる。
半グレの壬生(みぶ、町田啓太)の過去も徐々に明らかに。飼っていた愛犬おもちと家族同然に過ごしていたが、兄貴分のヤクザの伏見組若頭の京極(ムロツヨシ)からの命令で、忠誠の証としておもちを殺した過去があった。
壬生が飼い主のいなくなった犬のブラックサンデーを飼うことを引き受けた九条(柳楽優弥)だったが、ブラックサンデーは、最初は懐かず九条の部屋を足の踏み場もないほどにかき散らしていた。
壬生がブラックサンデーを引き取りたいという人物が現れたのでブラックサンデーを返してほしいと九条に話すが、九条はすっかり懐いているので、自分で飼うと宣言。留守にするときは烏丸(松村北斗)に頼むというのだ。
壬生が伏見組若頭・京極の弁護を九条に頼み込んできたが、九条と京極は過去に確執があり断ることにした。
烏丸と九条がカップラーメンをすすりながらの何気ない会話がおもしろい。
九条が「それにしても烏丸先生は顔が広いですね」というと烏丸は「九条先生ほどじゃないですけどね」と応える。
九条は「顔が利くのは人相の悪い、刺青の入った人たちばっかりですよ。烏丸先生は、クリーンで女性の知り合いが多い」。
「まあそうですけどね」と否定しない烏丸に対して「同じ弁護士なのにこの違いは何でしょうね?」というと「うーん?」と烏丸。
九条がすかさず「顔ですかねといいたいんでしょう」というのが笑わせる。
烏丸が「たまたまですよ」というと、九条は「たまたまじゃありません。薬師前さんなんか、私が誘っても無視するくせに、烏丸先生とはしょっちゅう中華屋さんに行っている」。
烏丸は「駅前の日本一のたこ焼き屋に食べに行こうと言っただけでしょう。それね、誘ったうちにはいんないですよ」。
九条「ダメですか?」
烏丸「ダメですよ。そんなんでよく結婚できましたね」
九条「だから離婚すんだって言いたいんでしょう」
烏丸「また自分で言っているし」。
そんな中、九条の事務所に、九条のかつての恩師・山城が「こらぁ、九条!」と乗り込んできた。介護施設の虐待の記事が出て、さらに遺言書を無理やり書かせている動画などで焦っている山城が「私を追い詰めているわけではないなら、この辺で終わりにしないか」と頼み込んできたのだった。
九条は「条件があります。弁護士のバッジを外してください」という。
<第6話 「消費の産物」>
AV出演強要問題を通して「弱者は本当に守られているのか」という問いが突きつけられる。人権を掲げる弁護士と、自己決定を尊重する九条。その対立の中で浮かび上がるのは、“救済”の名のもとに見えなくなる現実。
九条は京極の知人のAV制作会社の社長・小山義昭(長谷川忍)の弁護を依頼される。事件を通じて、九条は元同級生で人権弁護士の亀岡(香椎由宇)と再会する。

一方、家庭内で問題を抱えている少女・笠置雫(しずく、石川瑠華(るか)はAV業界で自分の居場所を見出そうとする。雫の両親は、雫が騙されてAV業界に入ったと亀岡を通じて、賠償請求裁判を起こそうとする。
雫はAV業界にいられなくなり、風俗の世界に入り込むことになる。この雫は「ぴえん系女子」とか「地雷系女子」と言われるらしい。ぴえん系女子は、歌舞伎町などの夜の街を拠点とし、地雷系ファッション(黒・ピンク・リボン・厚底)を好み、泣きはらしたような」病みメイクが特徴だとか。
<主な登場人物>
■九条間人(くじょう たいざ):柳楽優弥…弁護士/九条法律事務所。依頼人を貴賤や善悪で選別せず、半グレや前科者など厄介な案件ばかりを引き受ける。屋上でテント生活をし、依頼人の飼い犬・ブラックサンダーを引き取り共に暮らしている。
■烏丸真司(からすま)真司:松村北斗(SixTONES)…東大を首席で卒業したエリート弁護士。九条法律事務所のイソ弁(居候弁護士)となった変わり者。
■薬師前仁美(やくしまえ)仁美:池田エライザ…司法ソーシャルワークつぼみ代表。社会的弱者のために自分ができることを日々模索。烏丸を九条に紹介した。
■亀岡麗子:香椎由宇…人権弁護士。九条と同級生。女性の権利などを訴える。
■壬生憲剛(みぶ けんご):町田啓太…全身刺青の半グレ。表向きは自動車整備会社社長。厄介な案件を次々と九条のもとに持ち込む。グレーなビジネスをいくつも手掛け、広域暴力団・伏見組の汚れ仕事も引き受けている。
■京極清志:ムロツヨシ…伏見組若頭。九条とは因縁の関係がある。
■流木信輝:光石研…人権派弁護士。九条の恩師。
■小山義昭:長谷川忍…AVメーカー社長。
■笠置雫:石川瑠華…ぴえん系女子。AV出演のあと風俗へ。
■金本卓:原田泰雅…クスリの売人。壬生の仲間。
■家守華江:渡辺真起子…介護施設を運営。認知症の父がいる。九条の依頼人。話し相手が「はい、はい」というのに対して「はい、は一度だけ」というのが口癖。
■山城祐蔵:岩松了…冷徹かつ悪徳弁護士。かつて、九条の恩師。
■烏丸晃子:仙道敦子…真司の母。夫の殺害事件のトラウマを抱え隠れるように暮らしている。
■菅原遼馬:後藤剛範…介護施設代表。富裕層の老人を食い物にして金を巻き上げる悪党。
■嵐山刑事:音尾琢真…警視庁組織犯罪対策第5課の刑事。壬生を中心とする半グレ連中や、その背後にいるヤクザを目の敵にしている組対の刑事。
■曽我部聡太(そがべ)聡太:黒崎煌代…実刑で6年服役した後、薬物の運び屋になり再び収監される。
■曽我部昭雄:水澤紳吾…曽我部の父。現場作業員。

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