
Netflixドラマシリーズ「地獄に堕ちるわよ」(第8話、最終9話)についても書かないわけにはいかない。第8話から登場した大物感漂う安永正隆(石橋蓮司)という人物。
1983年、安永正隆の葬儀には、元総理大臣の岸信介(葬儀委員長)、福田赳夫(「明治38歳」が口癖だった)当時首相・中曽根康弘などの政治家のトップのほか、財界総理ともいわれた日経連会長の大槻文平らの名前があった。




そもそも安永正隆とはどんな人物?
「昭和最大の思想家」として描かれ、細木数子との婚姻騒動まで盛り込まれた人物で安岡正篤がモデルと言われる。
日本の易学者、陽明学者、思想家で吉田茂(元内閣総理大臣)などの大物政治家とも深い交流があったとされる。
1983年に占い師の細木数子との再婚騒動があったが、安岡(ドラマでは安永)の死後に親族から婚姻の無効が調停される。
ドラマでは、細木数子(戸田恵梨香)が、あらゆるコネを通じて安永(石橋蓮司)に面会し、教えを請いたいと懇願した。安永は易学を学ぶには10年かかるといい「生きた学び=活学が重要」と持論を披露。
数子は、子どものころ焼野原でやっと食うや食わずの生活だったこと、自身が20年以上夜の世界に身を置き、コネを使って出版し50万部売れたことなどを話すと、安永は「血の通った生きた言葉をはじめて聞いた」といたく感心するのだった。
上手く安永に取り入ったか数子は病床に伏している安永にコ人の書類に無理やり拇印を押させていた。
その年の12月13日に安岡は逝去(享年85歳)。
葬儀には、数子が泣き叫んで(ウソ泣きは子供のころからのお家芸)妻ぶりをいかんなく発揮していたが、安岡の娘・加藤十和子(市川実和子)は「この女(数子)を一生許さない」という表情は迫力があった。
最終エピソードでは細木数子の人物を追った自伝を書いた作家・魚澄美乃里(伊藤沙莉)の原稿が完成した。原稿のタイトルは「虚構の自画像」であったようだ。
魚澄が自宅に呼ばれていて、その間、印刷前の原稿を細木が読むが、おもわず涙ぐむ場面もあった。







60代の数子を演じる戸田恵梨香もすごかった。
果たしてその涙のわけとは…。
さまざまな思いが去来したものと推察できる。
数子は魚澄に「美談を書きたいのか。それとも貶めたいのか」と詰問。「弱者にいた人間が弱者を食い物にする話です」と魚澄は食い下がる。数子は、出版は絶対にさせないと原稿を待ち散らす。
魚澄は、数子が自伝を書くようにしたのは、週刊誌の暴露記事キャンペーンへの当てつけだったのかと迫るのだが…。
「私は欲しいものはすべて手に入れた」と数子は豪語。

魚澄が帰った後、少女時代の数子が目の前に登場する。そして二人は、戦後の焼け野原に立つ。




8歳の数子がいう。「あんた、地獄に堕ちるわよ」。
現在の数子は「地獄は十分に経験した」。
ふと愛犬ティアラがいないことに気付く。家じゅうを捜し歩くがティアラの姿がない。ティアラはどこに行ったのか…。


主人の数子と作家・魚澄の言い争いに嫌気がさしてどこかに出て行ったのか…。
・・・
戦後の焼け野原から「銀座の女王」となり、占い師として一世を風靡した細木数子の黒い噂や裏社会とのつながりを含めた半生が描かれたが、数子が作家に豪語していたように「私の人生は面白いわよ」は、たしかに波乱万丈ではあった。
とくに天下の島倉千代子との関わりは衝撃でもあった。どちらも今は故人。
ドラマ化されたと知ったらなんというのだろうか。
地獄を見るのもいい経験だったわ…か。
・・・
占い師として有名になり、占いを求めて長蛇の列ができるほど。個人鑑定の費用は10万円。先祖供養をするには墓が必要だと言って、高いものでは1,000万円もザラ。業者からマージンを受け取っていた。
名声を利用して、切羽詰まった人から金を巻き上げるというものだった。その声を大手マスコミは黙殺していた。欲望を刺激して、人の運命を弄ぶ人物だった。
・・・
Netflixも見るべき作品が無くなって、半年か1年くらい休んでサブスク再開がいいかもしれない。映画界がネトフリに支配されそうでそれも怖い。
■「にほんブログ村」にポチをお願い申し上げます。