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映画「ノックは無用」(原題:Don't Bother to Knock、1952)を見る。リチャード・ウィドマーク、マリリン・モンローのサスペンス。

   

映画「ノックは無用」(原題:Don't Bother to Knock、1952)は、監督ロイ・ウォード・ベイカー、出演リチャード・ウィドマークマリリン・モンローのサスペンス映画。原作は米国のミステリー作家シャーロット・アームストロングの小説「ノックは無用(原題:Mischief)」。

ホテルの向い側の部屋にひとりの美女の姿を認めた男。彼女は一夜限りのベビーシッターだったが、実は恋人を事故で亡くしたばかりで精神的に不安定な状態にあった。男を死んだ恋人と勘違いした辺りから彼女の行動は次第に不気味なものとなっていく...。

マリリン・モンローがナーバスなベビーシッターに扮したB級スリラー。「卒業」のアン・バンクロフトのデビュー作(当時20歳)でもある。

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ホテルのエレベーターボーイとして働いている中年男エディ(エリシャ・クック・Jr)のもとに、姪のネル(マリリン・モンロー)がやってくる。 

ネルはエディの紹介でホテルに宿泊しているジョーンズ(ジム・バッカス)夫妻の幼い娘のベビーシッターをすることになった。

パイロットのジェド(リチャード・ウィドマーク)は歌手である恋人のリン(アン・バンクロフト)に一方的に別れ話をされ、イライラしていた。 ホテルの部屋に戻ると、向いの部屋にいるネルの姿に興味を惹かれた。

ジェドはネルのいる部屋に電話をかけると、ネルもその気になり、ジェドを部屋に招き入れる。 

たわいない会話の中でジェドがパイロットであると知ったネルは様子が変わる。 ネルはパイロットだった恋人を亡くして以来、精神に異常を来していたのだ。

ジェドを死んだ恋人と思い込んだネルは常軌を逸した行動をとり始める。

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物語はマリリン・モンロー扮するネルという女性の悲劇を描いていた。結婚を約束した恋人の急死によって、リストカットをするなど、精神に異常をきたすという役柄だった。ネルは家族や叔父から暴力も受けていたというのも驚き。

ホテルの宿泊客のベビーシッターになったのは、叔父がネルの病気(精神的病い)が完治したと思ったから紹介したのだった。

それにしても、ネルは、子どもがうるさいからと言って、手を縛り、さるぐつわ(「鬼滅の刃」の禰豆子(ねずこ)か!)を噛ませるとは…異常にもほどがある。

実際、モンローの母親も精神病を病んでいて、子供の頃の彼女は孤児院や里親のもとでで暮らしていたらしく、モンロー自身の晩年も、ネルとダブってるようでもある。ラストは再び入院させられるだろうといったエンディング。

子どもが窓の外を見ているときに、窓から落ちないか、あるいはネルかジェドが子供を突き落とすのではないかといった場面はハラハラとさせられる。というのも向かいの窓から見ていた婦人は、その光景を見て心配になり、駆け付けてくる事態となった。

アン・バンクロフトは当時20歳。のちに、命がけでヘレン・ケラーと対峙するサリバン先生(「奇跡の人」)やボンボン青年を誘惑するミセス・ロビンソン(「卒業」)とは打って変わって、健気な歌手を演じてマイクを持って歌っている。

アクの強い悪役のイメージが定着しているリチャード・ウイドマークは30代後半(撮影時38歳)で、他人を見下すような苦み走った風貌の片りんを見せている。

<主な登場人物>
■ネル・フォーブス:マリリン・モンロー…戦争で恋人を失くし、精神的に病み、病院精神科で治療中。叔父の勧めでNY でベビーシッターの仕事につく。
■ジェド・タワーズリチャード・ウィドマークパイロット。モテ男を自負する自惚れ男。
■リン・レスリーアン・バンクロフト…ホテルのラウンジ・シンガー。
■エディ:エリシャ・クック・Jr…エレベーターボーイ。小心者。姪のネルにベビーシッターの仕事を紹介する。
■ジョーンズ:ジム・バッカス…パーティに夫婦で出席するため娘をベビーシッターに預ける。
■ジョーンズ夫人:ルリーン・タトル

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