
映画「インビジブル 暗殺の旋律を弾く女」(原題:In Darkness、2018)を見る。 監督はテレビシリーズ「セルフリッジ 英国百貨店」などのアンソニー・バーン、出演はドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のナタリー・ドーマー、エド・スクラインなど。
アパートの上の階に住む若い女性の怪死事件をきっかけに次々と思いも寄らぬ運命に巻き込まれていく盲目の女性ピアニストを描くサスペンス・スリラー。
監督はヒッチコックの影響を受けていると語っているが、同じように盲目女性が主人公の「暗くなるまで待って」のようにスリリングなシーンも多い。雰囲気的にはヒッチコックの「ファミリー・プロット」。
邦題が凝っているが原題「闇の中で」からかけ離れている印象で長たらしく、サブタイトルだけのほうがすっきりするかも(意味ありげで…)。

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盲目のピアニスト、ソフィア(ナタリー・ドーマー)は、ある日、同じアパートのソフィアの自宅の上階に住むベロニク(エミリー・ラタコウスキー)がベランダから転落死したことを知る。
ベロニクとは、たまたま会った時にあいさつを交わす程度だが、ベロニクはヨーロッパの黒社会を仕切る大物ゾラン・ラディチ(ヤン・ベイヴート)の娘だった。
ベロニクと1階の郵便受けのところで会った時に匂いに敏感なソフィアは「香水は何?」と聞くが、あとで「香水はリキッド・ゴールド」と教えられる。
エレベーターで一緒になった時に事故の直前に謎の男と言い争っていた声を聞いていたソフィア。しかし、なぜか警察にはそれを証言せず自殺として処理されようとしていた。
しかし自分を目撃されたと思った謎の男マーク(エド・スクライン)は、証拠を消すためソフィアに迫るが、盲目であることを知り「見られていなかった」と安堵する。
しかし、一方で、ソフィアはロシアンマフィアや英国情報部からも狙われていることが分かる。彼女は一体何者なのか?やがてマークは心ならずもソフィアを守ることになる。
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ソフィアの正体と動機が複雑に描かれている。ソフィアの素性が途中から徐々に明らかになっていく過程が見どころ。

ソフィー役のナタリー・ドーマーは「ラッシュ/プライドと友情」などで知られるがドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のメイン・キャストの一人、マージェリー・タイレル役が印象に残る。「雨のエトランゼ」(1970)のヴィルナ・リージ(そんな女優知らない?笑)に似た雰囲気がある。
<ネタバレ注意報>
警察署でソフィアがマークの手配書を見て引き返すシーンがあった。ミルズ警部が防犯カメラの映像からソフィアの行動に違和感を覚え、彼女が盲目を装っているのではと気づく描写がある。
ソフィアは実際には盲目の妹ではなく、同じ条件でピアノを弾くために目隠しをして演奏していた姉であり、妹を殺された復讐のために行動していたのだった。
ソフィアという子供は生後3か月で亡くなっていることをミルズ警部が突き止めるが、ソフィアの本名や過去については詳細に語られていない。
ソフィア一家はボスニア近くに住んでいた時に、セルビア人のラディチ(ヤン・ベイヴート)によって家族を殺された。
そのため、ラディチに復讐するため、彼が「盲目の女性が好き」という嗜好を持っていたことから、彼に近づく手段として盲目を演じていたのだ。ラストシーンは、衝撃のオチがあり、あっけにとられた「ユージュアル・サスぺクツ」そのものだ。
小道具としての香水、香水の名称、スカーフ、元素記号(AG=銀)、暗証番号、USB、 アンプルなどが登場、様々物語に詰め込んでいる。
<主な登場人物>
■ソフィア・マッケンドリック: ナタリー・ドーマー…巨大組織に狙われる盲目の女性ピアニスト。幼いころ元素記号に興味を持つ。これが後で効いている。
■マーク: エド・スクライン:謎の殺し屋。アレックスの弟。
■ベロニク: エミリー・ラタコウスキー…ソフィアと同じアパートに住むセルビア人女性。実は、犯罪組織のラディチの娘。
■オスカー・ミルズ: ニール・マスケル…ベロニクの怪死事件を担当する刑事。嗅覚はある。
■アレックス: ジョエリー・リチャードソン…警備会社の社長。ラディチの警備責任者。マークの姉。
■ナイル: ジェームズ・コスモ…ソフィアの養父。時々ソフィアと連絡しあう喘息持ちの病的な老人。
■ゾラン・ラディチ: ヤン・ベイヴート:戦争犯罪者で、イギリスに亡命中のセルビアの元軍人。ベロニクの父。亡命者を手助けする組織の会長。

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