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映画「サブスタンス」(原題:The Substance、2025)を見る。怪作ホラーエンターテイメント。

映画「サブスタンス」(原題:The Substance、2025)を見る。MOVIXさいたま(スクリーン8)にて。映画のジャンルで言えば「ボディーホラー」というらしい。身体の変容に対する恐怖とでもいうべきもの。監督はフランスの女性監督コラリー・ファルジャで、長編2作目にして、第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞。第75回アカデミー賞では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。デビュー作がバイオレンス映画の「REVENGE リベンジ」(2017)。先日この映画を見ていたので、今回の映画でもそのすさまじさが継承されている。

若さと美しさに執着した元人気女優の姿を描いた異色のホラーエンタテインメント。ホラーだけにとどまらず、終盤のグロテスクにもほどがあるというようなシーンは強烈だが、ブラックコメディでもある。

エリザベス役を怪演したデミ・ムーアはキャリア初となるゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネート&受賞を果たし、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。

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過去の栄光が忘れ去られる女優という点では「サンセット大通り」や「デブラ・ウィンガー探して」にも通じる。ハリウッドでは女優は40代、50代になってくると仕事が来ないということに対する怒りをぶつけるというコメディ・ホラーと言える。

デブラ・ウィンガーを探して」では「愛と青春の旅立ち」で人気だった女優が消えていったのはなぜかを女優や映画関係者にインタビューする話だった。40歳の壁がそこにあった。

 ウォーク・オブ・フェーム

「サブスタンス」の冒頭は星型プレート「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」にエリザベスの名前が刻まれるシーンで始まる。その栄光から時を経て風雪に耐えプレートは汚れて、軽く扱われ忘れ去られていく。

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50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス(デミ・ムーア)は、容姿の衰えから仕事が減少し、プロデューサーのハーヴェイ(デニス・クエイド)からクビを言い渡される。

そんな時、ある違法薬品“サブスタンス”に手を出す。だが薬を注射するやいなや、エリザベスの分身である、若いスー(マーガレット・クアリー)が、エリザベスの背中を割って、中から現れる。

若さと美貌に加え、エリザベスの経験を武器に、たちまちスターダムを駆け上がっていくスー。だが、一つの心をシェアする二人には絶対的なルールがあり、一週間ごとに入れ替わらなければならないのだ。しかし、スーが次第にルールを破り、暴走してしまい…。

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この映画は「ゴースト ニューヨークの幻」(1990)で人気となったデミ・ムーアが、自身の再起もかけて自ら製作にも加わり主役を演じている。下馬評ではアカデミー賞主演女優賞は間違いなしと言われたが、主演女優賞は「アノーラ」のマイキー・マディソンが受賞した。

映画は、冒頭、エアロビクスダンスをデミ・ムーアが披露しているが、スタイルもよく見事に踊るが、プロデューサーのハーヴェイが最悪のクズ人間で、トイレで手も洗わない、下品な食べ方をし、若い女性には目がないというトンでもな人間。

エリザベスの分身のスーがお気に入りとなったハ―ヴェイは、スーを大晦日(新年のイヴ)の大きな企画にスーを抜擢、企業のお偉方に自慢をするのだが、そこに登場したのは…というラストがすごいことに。

 

監督第1作の「REVENGE リベンジ」同様、映画界の製作者などに対するリベンジ(仕返し)だったのではないかと思えてくる。この女性監督はグロと血まみれがよほど好きなのか、「REVENGE」同様、女性のお尻や下品な食べ方の口元のドアップなどヘンタイ好みなのかもしれない(笑)。

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平日のシネコンの朝イチ(9:10~)で鑑賞したが、観客は5人ほど。よほどのマニアでないと見ないかもしれない”バケモノ”映画で、「2001年宇宙の旅」のあの有名な音楽がかかるときに、あの姿が登場するシーンはインパクトがあった。

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