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映画「蛇の道」(黒沢清監督、英題:The Serpent's Path、2024)リベンジ・サスペンス。

映画「蛇の道」(英題:The Serpent's Path、2024)はフランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作による黒沢清監督が自身の1998年作をセルフリメイクしたクライム・サスペンス。リベンジ・サスペンスともいうべき復讐というテーマを通じて復讐の連鎖や人間の内面の闇と暴力の無意味さを描き出す。相変わらず不気味で不穏な空気感が漂う。

タイトルの蛇の道とは、くねくねと曲がりくねり真っすぐには進まない「復讐の旅」のこと。次々と殺人が起こるが「真実へたどり着くための犠牲」といった必要悪のように描かれている。主演は柴咲コウ。出演陣では西島秀俊が数分出ている意味が分からなかった。映画自体、セルフリメイクした割には(オリジナル未見)突き刺さるものを感じなかった。もやもや感が残った。

物語は、娘を殺された精神科医・小夜子(柴咲コウ)が、フランス人の協力者・アルベール(マチュー・アマルリック)と共に、犯人を突き止めるために関係者を拉致し、真相を暴いていくという復讐劇となっている。

彼らは、財団の名を借りた犯罪組織の幹部たちを次々と誘拐し、過酷な尋問を行う。小夜子やアルベールの「正義」が次第に歪み、単なる暴力と化し、計画は次第に狂い始め、彼ら自身の内面にも変化が生じていく。

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「鎖による拘束」や「連続殺人」は、復讐の執念、人間の内面の闇、罪と罰の連鎖の象徴のように意図的に描かれている。やたらと暴力シーンが多く、不条理にも思える。ただ、そうした表面的な暴力表現も、その裏に心理的・哲学的な主題が隠されている点が、黒沢清監督らしい構成ともいわれる。

柴咲コウはフランス語の特訓を受けたそうでフランス語を話している。フランス映画に出てもフランス女優のジュリエット・ビノシュ・クラスの雰囲気がある。

<あらすじ>
何者かによって8歳の愛娘マリーを殺された父、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)。偶然出会った精神科医の新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得て、犯人を突き止め復讐することを生きがいに殺意を燃やす。

“誰に、なぜ娘は殺されたのか”。とある財団の関係者たちを2人で拉致していく中で、次第に明らかになっていく真相。“必ずこの手で犯人に報いを——”その先に待っているのは、人の道か、蛇の道か。

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【以下、ネタバレ】デボラ・ラミ―ルが創設したというラミ―ル財団というのは財団の名を借りた子供たちの人身売買組織で「サークル」と呼ばれ、さまざまな臓器のパーツをマニア向けに売買していた。

小夜子もアルベールもそれぞれ娘を「サークル」に差し出され、または拉致され殺されたのだった。「サークル」の拠点では、デボラ・ラミ―ルに心酔したアルベールの妻ローラがデボラの自死の後を継いでいた。

この時ローラのまわりの健気な子供たちは、ローラをまるで母親のように周りにくっつきアルベールの存在におびえるが、ローラが子供たちに奥の部屋でゲームでもしているように促す。アルベールは、娘をサークルに差し出したのはローラだと確信し、ローラがナイフで近づいてきたので銃で撃ち殺す。

小夜子は、ラミ―ルの最後の関係者はアルベールだとして、アルベールを鎖につなぐ。アルベールは「サークル」のビデオテープ(少女が楽しく遊んでいる映像)の販売に手を貸していただけだと弁明するが容赦はなかった。

小夜子は、ビデオ電話で連絡してきた元夫に対して、フランス語で「娘を差し出したのはあなたね」と語ると「えっ?」と一瞬訝(いぶか)しそうな顔をするが小夜子の意図した言葉を悟ったようで映画は幕を閉じる。怖っ!

<主な登場人物>
■新島小夜子(サヨコ):柴咲コウ…パリ在住の日本人心療内科医。冷静沈着に見えるが、内には深い怒りと悲しみを抱えている。
■アルベール・バシュレ:ダミアン・ボナール…8歳の娘マリーが何者かに殺された。小夜子の協力を得て、犯人捜しを行う。
■ピエール・ゲラン:グレゴワール・コラン…ミナ―ル財団(実態は人身売買組織)の幹部。
■ティボー・ラヴァル:マチュー・アマルリック…ミナ―ル財団の団員。
■クリスチャン・サミー:スリマヌ・ダジ…ミナ―ル財団の元警備主任。拉致後も抵抗を試みるなど、獰猛な性格を持つ。
■ローラ:ヴィマラ・ポンス…ミナ―ル財団の創始者デボラ・ミナ―ルに心酔、財団に加わる。アルベールの妻。
■吉村(ヨシムラ):西島秀俊…小夜子を過去から知る人物。
■Soichiro:青木崇高…小夜子の別れた夫。日本にいて、ときどき小夜子とビデオ通話を行う。娘をサークルに加入させた?。

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監督・脚本:黒沢 清
言語:フランス語
原案:「蛇の道」(1998年大映作品)
製作国:フランス/日本/ベルギー/ルクセンブルク

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