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映画「ANORA アノーラ」(2024)を見る。アカデミー賞最多5冠制覇は伊逹じゃない。

ANORA アノーラ」(2024)を見る(MOVIXさいたま)。アカデミー賞最多5部門を受賞したショーン・ベイカー監督作品。

ストーリーとしては古風な身分違いの恋を現代風にアレンジして描いたシンデレラストーリー。「プリティ・ウーマン」は金持ちビジネスマンと娼婦を描いていたが「アノーラ」は、ストリップダンサーのアノーラが、ロシアの大富豪のボンクラ御曹司イヴァンと出会い、1週間1万5000ドルの“専属契約”から結婚へと突き進むが…というストーリー。

ストリップダンサーであるセックスワーカーが主役のアグレッシブでセンセーショナルな内容で、アカデミー賞の主役である作品賞を獲ったことに時代の変化を感じさせられる。

タイトルロールのアノーラ(通称アニー)を演じるのは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「スクリーム」に出演してきた新星マイキー・マディソン。アノーラに夢中になるお調子者のロシア新興財閥息の子イヴァン役に、ロシアの若手俳優マーク・エイデルシュテイン

この映画がなぜ作品賞?は、中盤から後半にかけての展開などで納得する。古典的なシンデレラストーリーを現代に生かしてつつ、スラップスティックコメディにして風刺しているところが秀逸。貧富の格差、地味なモノクロ調トーンのニューヨークと赤々としたカラフルなラスベガスの対比など。

「息子が娼婦と結婚」といううわさを聞き付けた両親が、2人の婚姻を破棄するためにニューヨークに乗り込んでくる件から俄然面白くなっていく。

バカ息子の監視役用心棒の二人とアノーラ(通称アニー)との掛け合い、格闘、攻防戦はすさまじい展開に発展する。監視役と用心棒のボスというのが司教で、バカ息子の母親の厳命で、行事を投げ捨ててイヴァンのもとにやってくるのだが…。

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この映画はきわどいシーンやNGワード(F**K)がこれでもかこれでもかと登場する(笑)。マザーファ***などの字幕も「クソ野郎」「ゲス野郎」などと大変だ。字幕翻訳(吉川美奈子女史)も大変?(笑)。

映画は二部構成と言われる。アノーラがイヴァンと出会い、ラスベガスで結婚するまでの第一部。イヴァンの両親がロシアからやってきて、離婚に同意させられるまでの第二部。

NYでストリップダンサーをしながら暮らす“アニー”ことアノーラ。職場のクラブでロシア人の御曹司イヴァンと出会う。彼がロシアに帰るまでの7日間、1万5千ドルで「疑似彼女」(契約彼女)になったアニー。

イヴァンは最初1万ドルと提案したが、アニーが値を釣り上げたのだ。しかもアニーは「前金で」とあくまでもビジネスに徹する。イヴァンは、3万ドルでもいいと思ったなど湯水のごとく散財するようなボンクラ。

パーティーにショッピング、贅沢三昧の日々を過ごした二人は休暇の締めくくりにラスベガスの教会で衝動的に結婚。「アメリカ人と結婚すればロシアに帰らなくて済む」というのが狙い。幸せ絶頂の二人だったが、息子が娼婦と結婚したと噂を聞いたロシアの両親は猛反対。

ニューヨークの裁判所に出向いて、結婚破棄を訴えるが、婚姻場所が「ラスベガス」であったことから、ニューヨークでは扱えないことが判明。そこで、一同、ラスベガスまで行くことになり…。

アホな息子に、さらに毒母あり…。この母親が、他人を見下す差別主義者ですさまじい。結婚を阻止すべく、屈強な男たちを息子の邸宅へと送り込む。

ほどなくして、イヴァンの両親がロシアから到着。空から舞い降りてきた厳しい現実を前に、アニーの物語の第二章が幕を開ける。

ラストシーンは、観客に考えさせる「余白」を残しているようなエンディングだった。屈強な用心棒イゴールは、イヴァン家の人間にならなくてよかったとアノーラを慰める。

  用心棒のイゴール

そんなイゴールに対して「レイプ魔」呼ばわりをしてきたアノーラが車の運転席で背もたれを倒し、手慣れた性サービスを始めようとする。イゴールは突然のことで驚くが、イゴールがアノーラにキスをしようとすると、アノーラは抵抗して平手打ちを加えた後で泣き崩れる。イヴァンに裏切られたばかりで呆然とした心境であったのだ。

アノーラの人生はこれからどうなっていくのか…。全編にちりばめられているアノーラの出自(ロシア系の移民)などを理解するとさらにわかりやすくなり、もう一度見たい映画(Netflixかアマプラで配信があれば…)。

【ケッサク】口が達者なアノーラが、イヴァンの意地悪・極悪母に対して徹底して罵るシーン。隣にいた夫の含み笑いが止まらない。「よくぞ言ってくれた」といった表情(普段から、毒女に逆らえずに鬱憤がたまっていたのではないかと想像するのだ。笑)

<主な登場人物>
■アニー(アノーラ):マイキー・マディソン…ロシア系アメリカ人のストリップダンサー。キュートで売れっ子。片言のロシア語を話す。イヴァンと1週間の彼女契約を結ぶ。
■イヴァン:マーク・エイデルシュテイン…ロシアの新興財閥の放蕩息子。ストリップクラブでアノーラに夢中になる。
イゴール:ユーリー・ボリソフ…トロスの手下でイヴァンの用心棒。
■トロス:カレン・カラグリアン…イヴァンの監視役。
■ガルニク:バチェ・トブマシアン…トロスの手下のアルメニア人の雑用係。

■ニコライ・ザバㇿヴ:アレクセイ・セレブリャコフ…財閥グループの総帥。イヴァンの父。

ガリーナ:ダリア・エカマソフ…新興財閥グループを率いるトップの妻。毒舌の女帝的存在。

■ダイヤモンド:リンゼイ・ノーミントン…ストリップクラブのダンサー。アノーラを敵対視している。アノーラの玉の輿結婚も2週間で破綻すると毒づき、イヴァンが戻った時に、進んでイヴァンを担当するといい優越感に浸る。

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劇場公開日:2025年2月28日

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