関脇・大の里が、結びの一番で大関・豊昇龍を下し、13勝1敗で、千秋楽を待たずして2度目の幕内優勝を決めた。来場所の大関昇進を確実にした。
初土俵から所要9場所での大関昇進は、羽黒山(元横綱)らの12場所を抜き、昭和以降では最速となる。
大相撲夏場所(5月場所)で、初土俵から所要7場所の史上最速優勝を飾った大の里。この秋場所でも圧巻の強さを見せつけた。
十二日目、前頭七枚目・若隆景に土をつけられたものの、そのほかの取組では危なげない相撲で、ファンのみならず関係者にも強烈なインパクトを与えた。
十四日目に大の里が取組を行った豊昇龍は、過去の対戦成績が1勝3敗。今年初場所での初対戦から3場所連続で対戦しているが3連敗を喫するなど、苦手な相手だった。
しかも初の白星は豊昇龍の休場による不戦勝。実際に取組を行っての白星はゼロという天敵。しかし、そんなデータは大の里には通用しなかった。
来場所は大関・大の里が誕生。しかし、大関は通過点に過ぎない。早ければ来年の前半にも横綱だ。すでに実力・風格は横綱。
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大の里の昇進スピードは驚異的。入門からの流れは以下の通り。
【入門会見】2023年4月6日、母校・海洋高(新潟)で二所ノ関部屋入門会見。日体大出身で2年連続のアマチュア横綱は「1日でも早く関取になって恩返ししたい」と意気込み。しこ名「大の里」を発表。
①【2023年夏場所】
幕下10枚目格付け出し:6勝1敗…初日はまさかの黒星発進で「負けた分、楽になった」と自然体で再出発し勝ち越しにつなげた。
②【2023年名古屋場所】
東幕下3枚目:4勝3敗…七番相撲でようやく勝ち越し。
③【2023年秋場所】
東十両14枚目:12勝3敗…8日目に無傷で勝ち越し。
④【2023年九州場所】
東十両5枚目
11勝4敗…13日目に10勝到達。
⑤【2024年初場所】
西前頭15枚目:11勝4敗…千秋楽で玉鷲を引き落として11勝目。新入幕で敢闘賞を初受賞。
⑥【2024年春場所】
西前頭5枚目:11勝4敗…スピード出世でまげが結えず、ざんばら髪のまま千秋楽まで優勝争い。新入幕の尊富士(伊勢ケ浜)を1差で追っていたが、自身の取組前にV逸が決定。敢闘賞と技能賞をダブル受賞。
⑦【2024年夏場所】
西小結:12勝3敗=優勝…幕下付け出しデビューから所要6場所での新三役は昭和以降2位の速さ。初土俵から所要7場所での制覇は、幕下付け出しでは元横綱・輪島の15場所を更新する最速記録。
⑧【2024年名古屋場所】
西関脇:9勝6敗…序盤5日間に3敗を喫するなど精彩を欠いた。それでも横綱・照ノ富士を破るなど9勝し、史上初の新入幕から4場所連続三賞となる殊勲賞を受賞。
⑨【2024年秋場所】
西関脇:13勝1敗=14日目終了現在…初日から11連勝。12日目は敗れたが、13日目には大関・琴桜、14日目に豊昇龍を破った。
入門からわずか1年半で「大関」!
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