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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」(1973)を半世紀ぶりに再見。

男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973)を半世紀ぶりに再見。シリーズ第11作。長年親しんだ「五反田」を紹介するYouTubeの中に「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」のロケに使われているとあったので、もう一度見てみた。

五反田駅西口の目黒川付近の西五反田の”新開地”という一角が映っている。ビル4階分の高さのある池上線が背景に走っている。池上線は1973年から1983年までの10年間通勤で利用した。

マドンナ(旅回りのキャバレー歌手:松岡リリー)役は浅丘ルリ子浅丘ルリ子が初登場で、この後、第15作、第25作、第48作、第50作と出演している。寅さんのマドンナの中ではリリー(浅丘ルリ子)のキャラは人気の上位にあげられる。


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寅次郎が見た夢は時代劇であり、柴又村の農家の娘「おさく」らがヤクザに脅されているところを助ける。

初夏の北海道網走に出向いていた寅次郎(渥美清)は、レコードを売っていた道ばたでドサ回りの三流歌手松岡リリー(浅丘ルリ子)に声をかけられ、お互いの「あぶく」のような生活について語り合い、同じような境遇にあることで意気投合する。

別れ際に「日本のどこか」での再会を約束し、寅次郎の「葛飾柴又の車寅次郎」という名乗りに対し、リリーは「じゃ、寅さん。いい名前だね」と言う。
寅次郎は、今のままの放浪生活ではいけないと、職安で紹介された北海道東の酪農家・栗原(織本順吉)の元で働き始めるが、3日目にして働き慣れない体力が酪農の重労働について行かずに寝込んでしまい、さくらに迎えに来てもらって柴又へと帰ることになる。
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リリーは、スナックやキャバレーなどでドサ回りをしながら活動している三流歌手。気が強く心優しい女性。

リリーが初めて葛飾柴又の寅次郎を訪ねた時に、おいちゃん(竜造:松村達雄)らが、寅次郎はこれまでに何人もの女性と会ってきたが、ことごとく振られてきたとリリーに話すと、リリーは興味を示し、どんな人がいたかとさくらなどに聞く。

歌子(吉永小百合)さんもいたね、〇〇さんも、XXさんも…と歴代の女性の名前が次々に出てくるので、リリーも笑ってしまうが、寅さんがうらやましいという。

リリーにしてみたら、自分から惚れた男はいなかったといい「初恋の人は?」と聞かれて「寅さんかな」と応えるのだった。

夏になり、リリーから寅次郎宛でとらやにハガキが来る。歌手を辞めて、小さな店の女将さんになったとの内容であり、さくらが訪ねると、夫の寿司職人・良吉(毒蝮三太夫)と仲良く店を切り盛りしていた。

その頃、寅次郎は栗原の元を訪れ、お互いに元気よく再会を祝すのであった。

かくして例によって結ばれなかった二人であるが、リリーが「あたしほんとはね、この人(良吉)より寅さんのほうが好きだったの」と発言するなど、シリーズの大方の「寅次郎が振られて終わる」という印象とは異なっている。

「リリー三(四)部作」と言われる、長い二人の愛の関係の第一歩を刻んだ作品である。

寅次郎は、とらやの裏手の工場の従業員たちに「労働者諸君」という言葉をよく使うが、さくらの息子がピアノを習いたいというので、さくらの夫・博(前田吟)に「ピアノも買えないのか」と非難めいたことを言う。博が「とても買えませんよ」というと、寅次郎は飛び出して出ていき、戻ってくると、おもちゃのピアノをさくらに渡す。

そこにタコ社長がやってきて、寅次郎が、博が買えないから俺が買ってやったと自慢すると、タコ社長は「なんだ、おもちゃじゃねえか」と横から口を出したので、寅次郎はようやく自分の勘違いを悟る(笑)。

上流・中流という言葉が聞かれるが、寅次郎が「オレは中流か?」というと博は「とてもそうとは…」と言いかけると、さくらが「おにいちゃんには、誰にもない愛があるから」と持ち上げると寅次郎は「上流かな、おれ」と相変わらずお人よしぶりは健在(笑)。

 

<スタッフ>
監督:山田洋次
脚本:山田洋次宮崎晃朝間義隆
製作:島津清
音楽:山本直純
<キャスト>
車寅次郎:渥美清
さくら:倍賞千恵子
博:前田吟
つね:三崎千恵子
源公:佐藤蛾次郎
社長:太宰久雄
吾作:吉田義夫 - 夢シーン。おさくの父。行方知れずの寅次郎の父。
栗原久宗:織本順吉 - 寅が飛び込んで、働いた北海道の酪農場のオーナー。
石田良吉:毒蝮三太夫 - リリーの夫となり千葉県松戸の「清寿司」を開店。
リリーの母:利根はる恵 - 大田区蒲田で飲み屋をやっていて、しばしば娘リリーに無心をする。
諏訪満男:中村はやと
水原:江戸家小猫 - 朝日印刷の職工。青森出身。めぐみと恋仲
めぐみ:北原ひろみ - 来々軒の店員。青森出身。度々とらやを訪れ、水原を呼び出してもらう。
栗原美由紀(栗原の娘):成田みるえ
栗原紀子(栗原の妻):中沢敦子 - 酪農の仕事の厳しさに寝込んだ寅を看病する。
竜造:松村達雄
御前様:笠智衆
リリー:浅丘ルリ子 - 本名・松岡清子(きよこ)。寅が網走行きの夜行列車で泣いているリリーを見かけ、北海道網走市網走神社で会話を交わす。


       リリーの母親が住んでいるのが西五反田

ロケ地としては、北海道網走市(網走駅、網走神社、網走橋、帽子岩、卯原内/栗原の牧場)、東京都葛飾区柴又、台東区浅草・雷門前(啖呵売)、品川区西五反田(リリーと母)など。

 

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