「コンフィデンスマンJP 英雄編」(2022)を見る。ドラマから映画化され、劇場版はシリーズ3作目。映画のラストでは、次回作もあるというエンディングだった。そこでは、2.5次元の舞台、鳥獣戯画、ライオンキングに模したミュージカルの様なシーンが描かれていた。
今回の映画の騙し合いの舞台は中世の街並みが広がるマルタ島で、首都ヴァレッタは全体が世界遺産に登録される異国情緒あふれる土地で目を奪われる。撮影は一部はマルタ島で行われたが、実際には多くのシーンが“日本”で撮られていたという――。
マルタに見せかけた日本のロケ地が登場するのは観客だましの一部か(笑)。それでも異国情緒は出ていて観光気分に浸ることができる。
そもそもマルタは、シチリア島とアフリカ大陸の間に浮かぶ5つの島々からなるマルタ共和国のことで、マルタの首都ヴァレッタが舞台となっている。
本作では“英雄”と謳われた「三代目ツチノコ」の称号をかけ、信用詐欺師のダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)が騙し合いの勝負に出る。
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身寄りのない子らが暮らす施設の子供を誘拐し、有名な絵画との取引に使うという姑息な詐欺事件が発生。
インターポールのスーパーエリート捜査官・マルセル真梨邑(瀬戸康史)は、誘拐された少年を保護するも、そこに置かれていた奇妙な「ツチノコ」カードを発見する。
今から100年ほど前の日本。「ツチノコ」と呼ばれた、悪しき豪富から美術品をだまし取り、貧しい人々に分け与えた英雄がいたという。
3代目ツチノコ(右)
それ以来、当代随一の腕を持つコンフィデンスマンが受け継いできた「ツチノコ」の称号。3代目ツチノコ(角野卓造)は亡くなり、4代目は誰にも継承されていないはず。
一方、その頃、東京ではダー子(長澤まさみ)が「釣りしたーい」と駄々をこねていた。以前の山から2年。ダー子の身が心配なボクちゃん(東出昌大)は、ダー子にコンフィデンスマンを辞めて欲しいとお願いする。
聞き入れないダー子。ボクちゃん、リチャード(小日向文世)は、共に3代目ツチノコ(角野卓造)に師事した者どうし。そこで4代目ツチノコの称号をかけ、最後の真剣勝負で決着をつけようと提案する。
舞台は、世界中のセレブが集まる世界遺産の都市マルタ島・ヴァレッタ。7日間で最も稼いだ者が勝ち。負けた者は勝者の言う事を絶対効くことが条件だった。
狙うは、莫大な財をなし引退したスペイン人の元マフィア、ジャラール・ゴンザレス(城田優)が所有する、幻の古代ギリシャ彫刻「踊るビーナス」となった。3人はそれぞれの手段で潜入するのだが…。
ゴンザレス(左)
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ある事象について、3人の立場でそれぞれの7日間の動きが第一日から振り返って明らかになるところが面白い。底抜けの明るさで豪快に騙すダー子と、それに振り回される真面目なボクちゃん、百戦錬磨のリチャードといった名コンビの凄腕3人がコンフィデンスマンの誇りをかけて本気で騙し合うストーリーとなっている。
導入部から、子供の誘拐事件現場に乗り込む警察の特殊部隊が銃を構えて入り込んでくる映像は、言葉も外国語で、外国の映画を見ているよう。
SATに囲まれるダー子。
ラストでは、すべての警察官たちや、インターポール(国際警察)、関係者たちが騙して作ったセットが壊され、文字板などが壁からはがされたりするシーンなどは、作り物にしても手が込んでいる。
五十嵐も見える。
丹波刑事
この人も出ていました。
松重豊が、ダー子に弟子入りし、ニセ刑事役となって登場するが、名前が「丹波」刑事。丹波哲郎の今西刑事(「砂の器」)を意識したというのは考えすぎかもしれない。
そのほか、五十嵐役の小手伸也、”ハニトラ”で小料理屋の女将の広末涼子、裏世界のボス役の江口洋介、政府高官の高嶋政宏、厚切りジェイソン、ダンテ・カーヴァーなどが出演。瀬戸康史が一人芝居の見せ場があり一番のもうけ役か。
二転三転の騙しがある展開はいつも通りだった。
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