ドラマ「監査役 野崎修平」(全8話、WOWOW、2018)を見る。原作・周良貨、漫画・能田茂による経済漫画「監査役 野崎修平」を織田裕二主演でドラマ化。Netflixで配信。
監査役とは取締役の職務執行が正しく行なわれているかどうかを監査する役職。「正直者はバカを見る」などと言われる銀行内で、正義のため、愚直なまでの銀行内部の不正の膿(うみ)を洗い出し、闘う監査役の物語。「半沢直樹」にも通じる、勧善懲悪の痛快作となっている。
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舞台はバブル経済が崩壊し、金融当局が従来の政策を大転換させる“金融ビッグバン”に銀行業界が直面した1990年代末。
当時の日本社会では、不良債権をひた隠す銀行、汚職に手を染めてでも権力を欲する政治家、株主総会にのさばる総会屋が幅を利かせ、まさに金と権力が渦巻いていた。
このドラマは、そんな時代においても正義を貫くため奮闘するひとりの銀行員・野崎修平の活躍を描く。
主人公・野崎を演じるのは、ドラマ「SUITS/スーツ」などの織田裕二。「連続ドラマW 株価暴落」で組織の論理に染まらず、自らの信念に忠実に突き進むバンカーを好演した織田裕二が、今度は、持ち前の熱い正義感と人情、そして冷静な判断力で銀行の“悪”を暴いていく大手銀行の監査役を演じる。
共演は岸谷五朗、古谷一行、光石研、松嶋菜々子、宇梶剛士、西田尚美など。脚本は「連続ドラマW 沈まぬ太陽」「連続ドラマW アキラとあきら」を手掛けた前川洋一、監督は「連続ドラマW 楽園」の権野元が担当する。
悪役キャラが見どころで、悪徳政治団体の親玉を演じる宇梶剛士(うかじ・たかし)や、ヤクザまがいの専務の岸谷五朗、普通の会社を装い、裏ではマネー洗浄会社の社長の酒向芳、不正融資の陣頭指揮を執っていた専務の利重剛といった面々の面構えがいかにもといった憎たらしさ。
そんな中、女性初の支店長になる松嶋菜々子が堂々としていてカッコいい。上昇志向が強く「男を見る目だけはあり、勝ち馬にしか乗らない」と豪語する。出世のためには上役を利用するしたたかさを持つ。おおぞら銀行初の女性役員になるという大きな野心を持ち、監査役・野崎修平に接触を図り、出世への足掛かりを掴もうと目論む。
このシリーズの後の「頭取 野崎修平」(2020)も観なくては…。
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【主なストーリー】
おおぞら銀行地蔵通り支店長である野崎修平(織田裕二)は、正義感と人情味あるその人柄から行員や街の人々に好かれているものの、出世コースとは程遠い行員生活を送っていた。
そんなある日、支店が閉鎖されることになると知らされる。出向を覚悟していた野崎の元に人事異動がくだる。その異動先はなんと役員昇進である監査役への就任であった。
監査役になった野崎は銀行内での不正を目の当りにし、この銀行を変えると決意する。そして、銀行が抱える「究極の闇」に辿り着く。そこには、現おおぞら銀行頭取・京極雅彦(古谷一行)の影が…。
野崎に対抗すべく、京極が出向先から呼び戻した剛腕の行員・武田真吾(岸谷五朗)や、おおぞら銀行初の女性役員を目指す立川祥子(松嶋菜々子)も加わり、銀行内で熾烈な戦いが繰り広げられる。
やがて物語は銀行内に止まらず、魑魅魍魎(ちみみょうりょう)うごめく政界へも発展する。果たして、新任監査役・野崎修平はこの巨大な闇に立ち向かう事ができるのか? 野崎の戦いが、今始まる…。
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キャスト
【おおぞら銀行】
京極雅彦(古谷一行):頭取
柳沢秋保(光石研):関連事業部行員→副頭取
武田真吾(岸谷五朗):おおぞら興産・社長→専務(林専務の後任)
林一郎(利重剛):専務(不正融資疑惑の責任を取って辞職)
阿部龍平(ユースケ・サンタマリア):取締役(不正融資疑惑の責任を取って辞職)
立川祥子(松嶋菜々子):東銀座支店・支店長。初の女性役員候補になる。
鬼塚(戸田昌宏):本店第一営業部長(不正融資疑惑の責任を取って辞職)
和田博和(松嶋亮太):第一営業部社員(タニダエージェンシーとの不正取引について告発文を送る)
西條進(三浦誠己):業務推進部・部長
坂本正義(駿河太郎):業務推進部・行員
渡辺勝利(甲本雅裕):検査部・部長→関連会社・社員(出向)
堺(木下隆行): 検査部・部長(渡辺の後任)
沖田浩二(小林且弥):検査部行員→情報屋(沖田陽造の三男)
菊山(矢柴俊博):総務部・部長
板垣悟郎 (井上肇):支店業務部・部長
森島博(菅原大吉):人事部・部長
大森良夫(螢雪次朗):元東銀座支店支店・支店長(安藤の元上司)
安藤慎二(松尾諭):東銀座支店行員→おおぞらローンサービス社員
【野崎家】
野崎志穂(西田尚美):野崎修平の妻
野崎枝理花(瑞季):野崎修平の娘
【総会屋】
松崎源陽(本田博太郎):総会屋
海藤義己(宇梶剛士):東都政策研究室・総帥
谷田弘道(酒向芳):谷田興産代表、タニダエージェンシー代表
【その他】
鷹山光司郎(勝部演之):内閣総理大臣(京極雅彦とは高校の同級生)
木村ウメ(田島令子):木村ビルオーナー
柏木竜馬(小市慢太郎):毎朝新聞記者
上条力也(浜田晃):よつば銀行頭取
五島六治郎(鶴田忍):ひかり銀行頭取
佐藤剛士(生島翔):弁護士
安藤香奈(古川凛):安藤慎二の娘
東京地検特捜部検事(宝井誠明)
スタッフ
脚本:前川洋一
監督:権野元
音楽:羽岡佳、石毛駿平
制作協力:角川大映スタジオ
製作著作:WOWOW
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