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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「チャイナ・シンドローム」(原題:The China Syndrome、1979)を見る。

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チャイナ・シンドローム」(原題:The China Syndrome、1979)を見る。アカデミー賞主演男優賞ジャック・レモン)、主演女優賞ジェーン・フォンダ)、美術賞脚本賞などにノミネートされた。カンヌ国際映画祭パルム・ドールにもノミネートされ、ジャック・レモン男優賞を獲得。製作にも名を連ねるマイケル・ダグラスはカメラマン役で脇に回っている。監督は「ペーパーチェイス」(1973)などのジェームズ・ブリッジス

ジェーン・フォンダは、アラフォー(撮影時41歳)で、一番、脂がのっている時期。英国アカデミー賞主演女優賞を受賞。前年には「帰郷」で「コールガール」に続き2度目のアカデミー賞主演女優賞を受賞。アカデミー賞ノミネートはこれまでに7度に及んでいる。かつての”ベトナム反戦闘士”も演技派女優の頂点にあった時代の作品だ。

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原発の取材中に事故に遭遇し真実を伝えようとする女性リポータージェーン・フォンダ)、ずさんな管理の実態に気づき事故を防ぐために命を懸ける原発管理者ジャック・レモン)、不祥事を揉み消そうとする利益優先の経営者といった人物たちの対立を描いたサスペンス映画原発を扱った硬派な問題作。

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タイトルの意味は、原子炉のメルトダウン事故の深刻さを誇張して表現したことば。 燃料の溶融物が格納容器や建屋を貫通し、地殻を突き抜けて地球の反対側まで達するのではないかという想像。 米国で事故が発生すれば、影響が地球の反対側の中国にまで及ぶという意味。

この映画により、そもそも医学用語としてしか使われていなかった「シンドローム」(症候群)という言葉が、他の言葉と組み合わされて「○○シンドローム」という造語になって流行するきっかけとなった。

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キンバリー・ウェルズ(ジェーン・フォンダ)はアメリカの地方テレビ局の女性リポーター。キンバリーは硬派な記者を志していたが、普段は日常のたわいもないニュースを担当していた。 

キンバリーは原子力発電所ドキュメンタリー特番の担当となり、カメラマンのリチャード・アダムス(マイケル・ダグラス)とともに取材に赴く。

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コントロールルームを見学中、原子力発電所は何らかのトラブルを起こしたようだった。そこは撮影禁止の場所だったにもかかわらず、アダムスは密かにそのときのコントロールルームの様子を撮影していた。

当時何が起きたのか分からなかった二人は、そのフィルムを後日、原子力の専門家に見せる。専門家からはこれは重大な事故が起きる寸前であったと伝えられる。

このまま原子炉が制御を失っていたなら、核燃料は溶解して地面を溶かしながら地球の裏の中国に向かって沈んでいき、途中で地下水と反応して水蒸気爆発を起こし、放射性物質を広範囲に撒き散らす結果になっていたという(=”チャイナ・シンドローム”現象を引き起こす)。

しかし発電所からはトラブルに関する何の発表もなかった。技師でコントロールルームの責任者のジャック・ゴデル(ジャック・レモン)が計器の表示間違いに気づき、危ういところで大惨事を免れていたのだった。

取材後、発電所の近くにあるバーでキンバリーとゴデルは知り合う。原子力発電に疑問を投げかけるキンバリーに対し、原子力発電の必要性を訴えるゴデル。しかしゴデルも先日のトラブル後の対応から故障の兆候を感じ取り、わき上がる疑問を抑えることが出来なくなっていった。

ゴデルは過去の安全審査資料を調べ直し、そこで先日のトラブルに繋がる重大な証拠を発見する。

検査にかかる費用を削減するため、該当箇所は義務付けられているはずの検査が長期に渡って行われておらず、定期検査の結果には不正が施されていたのである。

今すぐ発電所を止めて検査を行わなければ、大惨事に繋がりかねない故障が起こりうる。危機感を訴えるゴデルとは裏腹に、原発管理者側は原子力発電の安全性を信じて疑わず、多額のコストがかかる検査など不要であるとして、ゴデルの訴えを一蹴する。

そこでゴデルはキンバリーを通じ、検査に不正が施されていることをマスコミを通じて世間に告発しようとする。

一方で原発管理者側は、ゴデルの行動を莫大な損失をもたらす背信行為と受け止め、暴力も辞さない実力行使に出る。

ゴデルは、証拠の資料を受け取ったマスコミ側の人間が自動車事故に遭ったことを知らされ、原発管理者側が本気で阻止に来ていること、自分もまた狙われていることを悟るのだった。

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原発施設の経営側は、定期的な安全確認用にX線写真などを提出するが、数年間、検査費用を削減するため、チェックをおろそかにし、同じ写真を提出するというずさんさ。

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映画では、重大事故を隠蔽しようとする経営側と、真実を伝えようとするマスコミと現場責任者による攻防をサスペンスタッチで描いているが、現場責任者の真実の声を、女性リポーターがテレビで明らかにして、映画は幕を閉じる。

ジャック・レモンジェーン・フォンダの熱演が見所 

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キンバリー(ジェーン・フォンダ)は家では、亀を飼育している。部屋のあちこちにマリリン・モンローのポスターが貼ってある。

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