「ガールフレンドデー」(原題:Girlfriend's Day、2017)を見る。コメディ映画で、監督はマイケル・スティーヴンソン、主演は「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」などのボブ・オデンカーク。
グリーティング・カードをめぐって、罠にはめられた男が巨大な陰謀から逃れることができるのかといった話。
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冒頭、テレビ画面で「去年、アメリカ人がグリーティング・カードを購入した金額は30億ドル以上でした。カードには誕生日祝いや、結婚祝いなど、様々な用途があります。カードの購入者の9割は女性と言われています。」といった報道。
カリフォルニア州ではグリーディングカード産業が盛り上がっており、優れたカードの書き手に対する尊敬と羨望の眼差しはハリウッド俳優のそれに匹敵するものだった。
離婚して独身のレイは、小説よりもカードこそが本物の作品だと信じてカードライターとして秀逸な作品を次々と生み出してきた。しかし、ここ数年はスランプに陥っていた。
作品を生み出せなくなったレイは印刷会社の上司ののスタイヴサンに作品を持ち込むが、首を宣言されてしまう。無職になって家賃を払うのに難儀する状態になった。
そんなある日、レイの元にスタイヴサンから裏取引による別ルートの仕事の依頼が舞い込んできた。以前書いていたロマンチックなカードで、贈る相手はガールフレンドということだった。
それは難しいと躊躇するレイだったが、通常の3倍の報酬を払うと言われ代筆を引き受けてしまった。ところが、その依頼の背景には恐るべき陰謀が存在しており、レイは命を狙われるようになった。
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グリーティング・カードのメッセージ内容(コピー)をめぐって、激しい争奪戦が繰り広げられるが、「たかがカード、されどカード」と思われるような、メッセージの重要性が焦点になっている。
その文面に多くが驚き、喜ぶ姿が描かれるが、その文面の中身は明かされないところが憎たらしい(笑)。
アメリカのグリーティング・カードのマーケットが大きいことに驚かされる。日本の新年の年賀ハガキとことなり、年末のクリスマスカードなどの需要が大きいが、ユダヤ系の人たちはクリスマスを祝わないので(気にしない人もいるようだが)グリーティング・カード(挨拶カード)という。
ガールフレンドデーをカリフォルニア州で設定したのは、グリーティングカード産業の活性化が狙いで、売上を上げて最終的に税収を増やすのが目的。
この映画の見所は、身なり、外見は立派でも、仕事を失い、家賃の催促にも苦労する冴えない非モテ系中年男の一発逆転劇にあるかもしれない(笑)。せっかくモテたと思ったら、相手の女性も、実は中年男からカードのコピーアイデアを盗むために雇われた女だった。
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