「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」(原題:Jexi、2019)をみる。出演は「マイ・インターン」のアダム・ディヴァインと「ANNIE/アニー」のローズ・バーンなど。スマホ依存の青年がスマホのAI(人工知能)「ジェクシー」に振り回される姿を描くコメディ。
孤独な男とOSのラブコメを描いた「her/世界でひとつの彼女」(2013)に近い内容。ベビーカーの赤ん坊から老人までスマホを手から離さない光景は、中毒のようでブラックコメディと言えなくもない。
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ポップ・カルチャーについての記事を書く職場で働いているフィル(アダム・ディヴァイン)は、スマホ依存症に陥っており、恋人どころか友人がひとりもいなかった。
そんなある日、フィルはスマホを破損してしまい新しいスマホに買い替えた。そのスマホにはジェクシーという人工知能が搭載されており、フィルは当初彼女の指示に振り回されていたが、徐々に彼女の指示に従って生活を改善していった。
その結果、フィルはスマホ依存から脱却し、ケイト(アレクサンドラ・シップ)という恋人もできた。
ところが、ここで一つ問題が発生した。ジェクシーがフィルに構ってもらえないことに不満を抱き、嫉妬心からか、異常な言動を連発するようになったのである。
ケイトのまえに、イメチェンしてまともになった元カレが現れて、一緒にブラジルへ行こうとケイトと寄りを戻すのか、ケイトはフィルを選ぶのか・・・。
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「スマホを変えただけなのに」は「スマホを落としただけなのに」にあやかったタイトル。スマホの音声アシスタントの「アレクサ」は、ユーザーの希望を聞いてくれるが「ジェクシー」は、ユーザーに逆に命令をして支配しようという人工知能だった。
暗証番号、銀行口座など全ての情報をジェクシーに知られることになり、プライベートの生活もすべてが丸見え。感情を持っていて、言葉も乱暴になることもある。
嫌気がさした主人公がスマホの機種を変えても、ジェクシーが現れて、追いかけてくるところが怖い。もう完全なストーカーだ(笑)。
まさかのお下劣シーンなどがあって騒動になるが、フィルの上司のマイケル・ペーニャ(「オデッセイ」「運び屋」)や、スマホ店員のワンダ・サイクス(「バッド・ママ」)といった脇役が見所で笑わせる。
小ネタも面白い。新聞社で、上司が社員に毎日、呪文のような言葉を強要したり、反響のあるような記事タイトルが思い浮かばないといった人間は「ショムニ」のような掃き溜め社員が集まる地下の閑職へと追いやられてしまう。
フィルも一時そこに異動させられるが、周りは、よぼよぼじいさんなどで溢れていた!(笑)。フィルはそこから抜け出せるのか・・・?
何も考えずに気楽に見るには最適。
主な登場人物:
フィル: アダム・ディヴァイン:スマホ依存症の青年。
ケイト・フィネガン: アレクサンドラ・シップ:フィルが一目惚れした女性。
カイ: マイケル・ペーニャ:フィルの会社のボス。
ブロディ: ジャスティン・ハートリー:ケイトの元カレ。
クレイグ: ロン・ファンチズ:フィルの同僚。
エレイン: シャーリン・イー:フィルの同僚。