展覧会「庵野秀明展」が10月1日(金)に開幕して、12月19日(日)まで国立新美術館で開催されている。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で総監督を務め「シン・ゴジラ」(2016)の大ヒットも記憶に新しい監督・プロデューサーの庵野秀明。その原点とこれからを紐解く展覧会として、庵野秀明ファンだけでなく、すべての特撮・アニメファンが心ときめかす展示にあふれた展覧会。
展示数が非常に膨大なため、半日程度の鑑賞時間を見込んで見学するのがいいようだ。ギドラさんや猫姫さんなどは、近くであったら飛んで見学に走りそうだ(笑)。
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展覧会では、 1960年に山口県宇部市で生まれ、幼少期から特撮映画やアニメーションに心を惹かれ、学生時代に自主映画を制作した歴史などのほか、庵野が影響を受けた1960年代以降のアニメや特撮作品や、彼が参加した作品などを、膨大な資料とともに紹介されている。
1988年に「トップをねらえ!」で初監督を務め、その後は数々のアニメ作品を手掛けるようになる。
そして、1995年「新世紀エヴァンゲリオン」で世界中にブームを巻き起こし、現在までも第一線で制作を続けるクリエイターだ。 庵野秀明とその作品を多角的な視点でたどっていく構成。
第1章「原点、或いは呪縛」
庵野が幼少時から慣れ親しんでいたアニメや特撮の立体造形物や制作資料。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などのスーツやマスク、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」の原画など、それらだけでも展覧会が開催できるほどの貴重な資料が大量に展示されている。庵野は愛してやまない特撮、アニメを自分で制作しようと高校時代より8ミリフィルムで自主制作映像を制作しはじめる。
第2章「夢中、或いは我儘」
庵野が中学、高校時代に庵野が描いていた油彩画を展示。エヴァシリーズで印象的なモチーフとして登場する電柱の描写がすでに見られることに注目。 彼が制作した第20回日本SF大会(DAICON 3)のオープニングアニメや実写映画は高い評価を受け、プロのアニメーターとして「超時空要塞マクロス」や「風の谷のナウシカ」など、数々の作品に参画。また1988年の「トップをねらえ!」を皮切りに数々の作品で監督も担当し、その評価はさらに高まっていく。 1995年に制作した「新世紀エヴァンゲリオン」は、庵野の評価を不動のものにした。
第3章「挑戦、或いは逃避」
TVシリーズから新劇場版4部作までの膨大な資料を展示。なかでも、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のために制作されたミニチュア模型が圧巻。アニメと並行して庵野が取り組んだ実写作品の資料も展示。庵野にとって初の実写作品となった「ラブ&ポップ」(1988)や「式日」(2000)、「キューティーハニー」(2004)などを経て、2016年には「シン・ゴジラ」が大ヒットを記録。
第4章「憧憬、そして再生」
公開を控える「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」の資料や小道具などが紹介されている。
第5章「感謝、そして報恩」
展覧会は、庵野が「僕らがいなくなってもアニメや特撮が残るようにしたい」という思いで立ち上げたATAC(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構)の活動などを紹介。
【開催情報】