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【SKIP映画祭】国際コンペ作品②:「ケンザの瞳」(2020、オランダ、キュラソー合作)を見る。

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エチェ・ジャンガ監督の「ケンザの瞳」(2020、オランダ、キュラソー合作)を見る。「SKIP国際Dシネマ」国際コンペ作品の1本。

オランダ植民地時代の歴史を持つカリブの島キュラソーを舞台にした少女の物語。島で受け継がれてきた神秘的な伝統に惹かれていく少女の成長物語。物語はほとんどなく、男勝りな10歳くらいの野性的な少女と、父親、祖父の暮らしぶりを淡々と描く。エンタメ要素はゼロで感じる映画のようだ。

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   勝気で眼光鋭い少女ケンザ。

カリブに浮かぶ島キュラソー。 向こう見ずなケンザは、厳格な警官の父と、キュラソーの伝統と精神性を重んじる祖父の3人で暮らしていた。母親は、ケンザが物心つく前に亡くなっていて全く知らない。学校には、父親が、車に自転車とケンザを乗せて、送り迎えをしている。

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  厳格な警察官の父親。ケンザを車(パトカー)で学校に送迎。

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  イグアナを捕まえては友人に売りつけようとするが誰も買わない

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ケンザは、学校にはあまり行かず、自転車に乗って、あちこちに出かける。父親から、学校にいかないことで怒られることも多い。そんな中、ケンザは、母親の墓を見に行くが、墓はゴミだらけになっていた。上着を脱いでその上着を使って墓のホコリを取り除き掃除をする。墓には、母の名前と1985ー2010と刻まれ、わずか25年の生涯だったことがわかる。

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大事なシャツを汚してと最初は怒る父だったが、ケンザの芯の強さを理解していく。「だんだん母親に似てきたな」というシーンはなかなかいい。

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正反対な父と祖父が対立する中、ケンザは次第に祖父の説く穏やかで神秘的な島の伝統に心惹かれていく。土地を守りたい祖父。土地を売却したい父。やがて、土地を整理することになるが、ケンザは、魂を解放するという樹木に、鉄くずをくくりつけ、その木だけは残しておくと主張する。

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人間はやがて死ぬ。死に場所を求めて旅をしているのかもしれない。年老いた祖父は、地元の伝統や風習へのこだわりが強く、馬に乗って、海の彼方に消えていくというのが最後の望みのようだ。3人は、祖父を見送るために海辺に行く。

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  祖父が馬に乗って歩く姿は「ラ・マンチャの男」とかぶる(笑)

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■監督:エチェ・ジャンガ

■出演:ティアラ・リチャーズ、エベロン・ジャクソン・ホーイ、フェリックス・デ・ローイ

■製作国/製作年:2020年 / オランダ、キュラソー / 86分