「ベンジー」(2018)をみる(Netflixオリジナル)。1974年製作の「ベンジー」(日本公開1976年)は、その愛らしさで大ヒットしたが、本作はそのリメイク。
主役”ベンジー”の賢さ、機敏さ、表情の豊かさ、相棒犬を見つけて手伝わせるなどのバディとしての活躍には目を見張る。
ベンジーの一挙手一投足がすばらしく、犬好きには、必見の映画だ。カメラが犬目線に近く低アングルなのがいい。
カーターとフランキーの兄妹は偶然出会った野良犬と交流を深め、犬にベンジーと名付ける。そんなある日、2人が強盗犯によって誘拐されるという事件が発生。ベンジーは可愛がってくれた恩を返すべく、2人の救出に向かうといったストーリー。
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ニューオリンズ郊外の廃工場で暮らしていた母犬と子犬3匹は、動物管理局に見つかり捕獲され、連れていかれてしまう。
しかし、物陰に隠れ捕獲を逃れた1匹の子犬がいた。車を追いかける子犬に母犬はまるで逃げろと言うかのように吠える。
母親と兄弟を捕獲され、”一人”取り残される子犬(のちのベンジー)
子犬は独りぼっちになり、やがてやせっぽちだが賢く冒険心にあふれた野良犬へと成長。そして、田舎町から飛び出し、季節が変わる中、よその土地へと旅立っていく。
野良犬としての”人生(犬生)”が始まる。
都会に行きそうな車の荷台に乗り込み、ニューオリンズの都会へとやってくることができた。人込みにまぎれて、右往左往するベンジー。人は沢山いるが、誰も野良犬には目もくれず通り過ぎる。
お腹は空いたベンジーは、食べ物のイイ匂いがしてきたので、一口もらえないかと近寄ったら店の人に怒られてしまう。
仕方なく、近くのゴミ箱からイイ匂いのする紙トレーはくわえて逃げるが、逃げ込んだ裏路地に大きな野良犬が隠れていて、吠えられた挙句、美味しい紙トレーを取られてしまうのだった。
そんな時、友人からひどい目にあって落ち込んだ少年カーター・ヒューズ(ガブリエル・ベイトマン)と目が合う。カーターは、その野良犬に相性の良さを感じるが、人込みに紛れて、野良犬は姿を消してしまう。カーターは諦めきれずに犬を探す。
そして、建物の通気穴に隠れている犬を見つけると、イチゴ売りからイチゴを買って、出口付近に3個いちごを並べる。すると犬は、1個また1個と食べるのだった。
家に犬を連れ帰ったカーターと妹のフランキー(ダービー・キャンプ)と、ベンジーと名付けた犬を飼おうとするが、仕事と子育てで手いっぱいのシングルマザーの母親ホイットニー(キーリー・サンチェズ)が許すはずもなく、ベンジーを隠しながら育てる決心をするのだが…。
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音楽も流れ、物語はサスペンスタッチで進んでいく。”ベンジー探偵”の”嗅覚”の鋭さや、まさかというような、あっと驚くようなことをやってのけるので、目が離せない。いくら訓練されているとはいえ、数え上げたらきりがないほど、”人間並み”の動きをするのは驚異。
小道具としての質屋の腕時計、イチゴなどの使い方にもうならせられる。最後は、悲劇に終わるかと思いきや、後味のいいエンディングで安心できた。
ほっこりとさせられる名犬ベンジーの大活躍のストーリーだった。