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映画「レイトナイト 私の素敵なボス」(原題:Late Night、2019、劇場未公開)を見る。

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レイトナイト 私の素敵なボス」(原題:Late Night、2019、劇場未公開)を見る。監督は「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」のカナダの女性監督ニーシャ・ガナトラ

出演は「ウォルト・ディズニーの約束」のエマ・トンプソンと「オーシャンズ8」のミンディ・カリングなど。テレビ業界を舞台に、世代の異なる2人の女性の奮闘ぶりを描く。

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キャサリン・ニューブリー(エマ・トンプソン)はトークショー番組の司会を長らく務めており、業界内では生ける伝説とも言うべき存在。

キャサリンには「ゴールデンタイムに長期間冠番組を持った初の女性であり、唯一の女性でもある」という自負があり、部下たちには異様なほど厳しく接していた。

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ところが、番組の支持率が急落するに至り、キャサリンは今までのやり方の修正を迫られる。視聴率急落の最大の原因は、世の女性たちが男勝りにすぎるキャサリンに反感を持ったためである。

プロデューサー・ブダッドリーから女性に厳し過ぎると忠告を受けたキャサリンは、みな能力が無いと一蹴するものの女性スタッフを雇用することに同意する。

薬品工場で働くモリー・パテル(ミンディ・カリング)は大のコメディファン。様々なルートを辿り、局の脚本家募集の面接に訪れる。ショービジネスでキャリアは無くてもスタンドアップコメディの経験があるとアピールするモリー

実際は、工場内のアナウンスに使うマイクで工員相手に冗談を飛ばすだけ。しかし、化学を専攻した人にはうけるとモリーは売りこむ。

たまたまそこにキャサリンから内線で「女性の採用はまだか」の催促。「女性なら誰でもいいから、とっとと雇用して」と言われた採用担当のブラッドリーは、女性の候補者が他にいないため仕方なくインド系の女性モリ―を雇うことにする。

モリーの起用は「番組はジェンダーバランスにも配慮している」というメッセージを世間に発するためであって、彼女に何か期待していたわけではなかった。ところが、モリーはキャサリンの大ファンであり、番組の復活のために必死で知恵を絞っていた。

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降板の危機に直面していたキャサリン。脚本を手掛ける白人の男ばかり8人のライター室に飛び込んだモリ―は自分が単なる多様化枠の採用ではないと証明するため、番組とキャサリンのキャリアを再び盛り上げようと努力する。はたしてイデアをだして、視聴率を挙げることができるのか。

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キャサリンはイギリス人。冒頭で、自身が長年アメリカで実績を築いてきたことにふれ、自分のような人間が務めてこられたのは、アメリカに人材がいないからか、などと軽口を叩くところから始まる。

しかし、過去10年間視聴率が低迷しているにも関わらず、無頓着なキャサリンの態度はイギリス人らしい高慢さだと皮肉をもって周りからは見られるのだ。

帰宅したキャサリンは夫・ウォルターからもトークショーが面白くないと本音を言われる。

翌日、脚本家の部屋にやって来たキャサリンは、私用で遅れたライターを即刻解雇してしまう。一方で、番組の内容を改善するよう残りの脚本家に檄(げき)を飛ばす。ライターの名前も覚えていないキャサリンは、全員の名前を覚えられないからと、1番、2番と番号をつけて呼ぶ始末だ。

しかし、番組を降板することになったキャサリンが、脚本家の一人一人を名前で呼びかけ「ありがとう」というシーンはよかった。

ハリウッドでは、女優も50代になるとなかなか仕事がなくなるという自虐ネタもあった。映画出演時、還暦女優(1959年生まれ)となったエマ・トンプソンの存在感は大きい。