「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(原題:Edge of Tomorrow、2014)をみる。作家・桜坂洋のライトノベル「All You Need Is Kill」(以下、AYNIK)を基にしたトム・クルーズ主演の”タイム・トラベル”SFアクション。
SFのサブジャンルの一つ「タイム・ループ」もので、物語の中で登場人物が同じ期間を何度も繰り返すような設定を持つ作品。半永久的に反復される時間から何らかの方法で脱出することが物語の目標となるものが多い。
「AYNIK」は謎の侵略者からの攻撃で滅亡寸前の地球を舞台に、同じ日を無限に繰り返す“時のループ”に巻き込まれた兵士ケイジ(トム・クルーズ)の運命を描く。
この原作タイトルに対して、アメリカでの劇場公開時にはなぜか「 Edge of Tomorrow (明日の境目)」に変更。さらにDVD発売時には「Live Die Repeat」に変更されていて、タイム・ループするたびにタイトルも変わる。なにそれ状態(笑)。
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映画のあらすじ:
外宇宙からの侵略者「ギタイ」の侵攻によって、人類は滅亡の危機に陥っていた。人類は国家間の垣根を超えた「統合防衛軍」を結成、兵士たちは「パワード・スーツ」を着用して、ギタイと壮絶な死闘を繰り広げる。
そんな中、ギタイのせん滅作戦に強制参加させられた軍の報道官ウィリアム・ケイジ(トム・クルーズ)は特別なギタイを殺し、その血をあびたことから「時間を巻き戻す能力」を手に入れる。彼はその能力で同じ一日を何回も生きることになるが、そんな中で驚愕の真実が・・・。
ラスト・シーンは余韻を残していた。
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「時間を巻き戻す能力」によって、弱弱しい人間が、死ぬたびに同じ一日をはじめから生きることになり、その都度強くなっていき、最後には相手を打ち負かすというもの。特殊な能力を手に入れたことがわかると、ひたすら戦場に出向いては死に、どうやったら死なないかという行動を頭に叩き込むとになる。
そんな中、何百回も戦場を潜り抜ける主人公が成長し、面構えも最初のころと比べると大きく変わっていく。
エイリアンのギタイと呼ばれる地球外生命体の侵略生物の気持ちの悪いこと(笑)。俊敏かつ凶暴で、体液(主に血液)を浴びると、ギタイとしての特性や能力が移るという性質がある。ほかに「アルファ」というギダイの中でもレアな種が登場したり「ドローン」(オレンジ色の個体)「オメガ」(ギダイのボス)などいろいろ出てくるので、混乱する。
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映画のタイトル「AYNIK」は、高校の英作文にも出てきそう。文法的には「 All (That) You Need Is (To) Kill」。「All you need(to do)is ~」は、英語の決まり文句で「~するだけでいい」という意味。「殺しさえすればいい」「殺しこそはすべて」「おまえは殺すだけでいい」といったニュアンスで「殺しこそが任務」といったところ。かのビートルズの名曲「All You Need Is Love」もまさにそれで「愛こそはすべて」(16枚目のシングル)と訳されている。
「名作」に進路のはずが、時々、見ているうちに睡魔に襲われるような「迷作に進路」を取ってしまうこともある(スイマ(睡魔)せん)。