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映画「ローグ・シティ」(原題:英:Rogue City、仏:Bronx、2020)をみる。フランスのギャング映画。

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ローグ・シティ」(原題:英:Rogue City、仏:Bronx、2020)をみる。Netflixオリジナルのフランスのギャング映画。マルセイユを舞台にした警察とギャングの血まみれの抗争を描く。フランス版”仁義なき戦い”。

プロットはかなり複雑で、登場人物も多く、敵味方の区別も整理しないとわかりにくい。警察も腐敗しきっていて、痛快な警察ドラマとは程遠い、血みどろの展開に終始している。腐敗した警察のボスをジャン・レノが演じている。

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「ローグ・シティ」というのは「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネーション」と同じ、”ならず者”(国家、市)のこと。

この映画がアメリカのギャング映画と異なるのは、ラストでカタルシスが全くないことで、主要人物がほぼ殺されてしまうというもの。そこが非情といえば非情なフランス映画ということか。
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ウロンスキー警部(ラニック・ゴートリ)が率いるBRI(探索出動班)のメンバーには、ウロンスキーの片腕で気性の激しい性格のウィル・カペリアン警部補(スタニスラス・メラール)、黒人でムードメーカーのマックス(カーリス)、身体能力の優れたザック(ダヴィッド・ベル)がいた。彼らは、これまで命がけで犯罪組織を取り締まってきた。

そんななか、マルセイユの警察署に新署長のアンジュ・レオネッティ(ジャン・レノ)が赴任してきた。レオネッティは清廉潔白な人物で、マルセイユの治安を正すと宣言するのだが・・・。

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脚本監督を担当したオリヴィエ・マルシャルは元警察官で、アメリカ映画に登場するロサンゼルス市警などの腐敗ぶりにも通じるものがある。映画の冒頭で、銃で犬が殺され、犬を殺した男がその銃で喉を撃ち自殺。(動物愛護団体からクレームがきそう)

三週間前に場面は移り、収監中のポール・マランザーノが病院に入院中の妻を訪ね、妻の希望(夫を見ながら死にたいという要望)に、枕で妻を窒息させ、悲惨な苦しみの状態から解放する、といった場面が続く。

その後、ギャング一味ががパーティーを襲撃し、多数の参加者が殺される、といった具合。警察は正体不明の敵との戦いに従事し、銃撃戦が繰り広げられる。そして関わったものが全員殺害されて幕を閉じる。まったく救いのないエンディングだった。警官のほとんどが、収賄、浮気、密告、裏切りなど、なんらかの悪事にかかわっているという腐った組織。

クラウディア・カルディナーレも出演しているが、気づかなかった(不覚)。

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■キャスト

ウロンスキー警部:ラニック・ゴートリー:マルセイユ警察の犯罪対策課BRI(探索出動班)の隊長

ウィル・カペリアン警部補 :スタニスラル・メラール:BRI所属

マックス:カーリス:BRI所属

ザック:ダヴィッド・ベル:BRI所属

ジョージズ・カンパーナ警視:パトリック・カタリフォ:犯罪対策課のトップ。ウロンスキーの20年来の友人。

アンジュ・レオネッティ:ジャン・レノ:新任の司法警察署長。マリオの元上司。

マリオ・コスタ: - ムサ・マースクリ:犯罪対策課のBRB(強盗鎮圧班)所属

カタリナ・バスティアーニ:クラウディア・カルディナーレバスティアーニ家の当主。

カティア・デ・ブリント少佐:カトリーヌ・マルシャル:情報漏洩の疑いで内部調査を行うために上層部から派遣されている。ウロンスキーの元恋人。

フランク・ナダルフランシス・ルノー:北部を拠点とする麻薬密売の中心人物。

ゾエ・ウロンスキー:エリカ・セイント::ウロンスキーの妻。身ごもっている。

サシャ・カペリアン:アンブル・ピエトリ::ウィルの妻だが現在は不仲。

エレーヌ・リトヴァク:Jeanne Bournaud:ウロンスキーの知り合い。

マノン・レオネッティ:バーバラ・オップサマー:署長の娘で新人警官。BRB所属となる。

ポール・マランザーノ:ジェラール・ランヴァン:バランコ一味の元リーダー。アルル刑務所に収監されている。バスティアーニ家の兄弟とは対立。

ステファン・ヤンコビックエリック・エブアニー:薬物取締本部の副本部長。

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フランス映画の警察・ギャング・アクションものという意味では「あるいは裏切りという名の犬」(2004)に近いかもしれない。